約一年半
なぜ、ブランドプロデュースしてる
「Daniella&GEMMA」
のことをブログに書かなかったのか
それにはいくつかの理由があります。

一番大きな理由は
「ちゃんと存続するか確信が持てなかったから」。

前のブログにも書いた通り
私の仕事は
クライアントさんからご依頼いただいて
初めて成り立つ職業です。

逆に言えば
クライアントさんがなくなってしまったら
おしまいだし、
クライアントさんと決裂してしまったらおしまいです。

実は、過去にそういうことが多々あったのです。

このブログにも何度も書かせてもらった
「rinato」

「ママだってきれいになりたい、そのわがまま叶えます」
というコンセプトのもと
作られた「rinato」。

代官山にショップを構え
地下一階がSPA、
一階が体に優しい一汁三菜のレストラン、
二階が託児所とワークアウトスペース、という
トータルビューティショップでした。

私はここの
総合プロデューサーを任命いただいたので
ブランドネームの決定から
ロゴの開発、コンセプト作り、
店舗ディレクションに
HPのディレクション、
メニューの開発、
PRまで幅広くやらせてもらっていました。

約二年、、100以上のメディアに取り上げていただき、
本当に多くの方に愛してもらいました。

しかし、実は、私、この仕事で
お金を頂戴していなかったのです。

クライアントさんの
資金繰りが早々にショートしてしまい、
実際に働いていた店舗スタッフには
払っていたのですが
私にまで払えないということだったのです。


いや、もちろんそんなのおかしいですよ。

一日の仕事の多くの時間を費やし
情熱を持って
やっていたことなんですから
その対価として
決めていただいたギャランティは
頂いてしかるべき、でしたし
頂けないなら、やめるのが普通なんだと思います。

でも、走り出してしまったプロジェクト
本当にrinatoを愛していたし、
楽しみにしてます、と
言ってくださるお客様の期待に応えたい、という一心で
「ノーギャラだけど辞めずに、
自分の生活費はほかの仕事で稼ぐ」
という選択をしました。

しかし、そんな経営状態の店なので
オーナーが次から次へと変わったのです。

そして最後のオーナーになったとき、
事件が起きました。

「採算が合わないところを閉鎖して
採算がとれるレストランだけを
拡大して、移転する」というのです。

もちろん、反対しました。

「うちの店は、託児所があって、スパがあって
ジムがあって、レストランがあって、、
だからこそ支持されてるんです。
レストランだけになってしまったら
意味がないんです!」

でも、日本は資本主義社会。
悲しいかな、
資本を持っている人が一番偉いんです。


そんな私の意見などは
聞き入れてもらえず
オーナーの意向通り
旧rinatoは閉鎖して、
新しいレストランに移転しました。

さらに、そのオーナーは
「僕はrinatoを買ったんじゃない。
佳恵さんの価値を買ったんだ。
だから、ほかの仕事もすべて
rinatoに振り込んでもらいなさい。
うちの会社から給料をあげるから。
今住んでいるマンションも名義を会社名義にしなさい。
そのうえで社宅として利用するように」
と言われました。

逆らうすべなどありません。

しかし、大学生のころから
腕一本(?)で
「頑張ったら頑張った分だけ収入に比例する」
でやってきた私には
安定してるかもしれないけれど
このやり方は
本当に性に合いませんでした。

さらに、
経営者としては当たり前なのかもしれないけれど
「rinato」への愛などより、
いかにビジネスとして成功するかにしか興味のない
オーナーと時間を共有するのは
苦痛以外の何物でもありませんでした。

どんどん、私が愛したrinatoじゃなくなっていく。。。
ストレスは限界を超えていました。

体制を変えて1か月も経たないうちに
「無理! やめます!」と決裂。

「やめてもいいけど、
家はうちの会社が契約してるから
今週中には出て行ってね」

まあ、当然といえば当然の流れです。

昔から
「貯金ができない女」
な私は、
42歳にして
所持金全財産2000円の
家なき子になってしまったのです。

安定志向の方から見たら
「アホか!」という話だと思いますが
仕事がとにかく大好きで、
仕事は愛がなくっちゃ嫌、と思っている
私には、いくら安定していても
あの環境で仕事を続けることは
何よりつらかったのです。

でも、捨てる神あれば拾う神あり、とは
よくいったもので
昔から仲良しの、当時美的の副編集長さんに
「いやあ~、家なき子になりましたよ」と
ぼやいたところ
「じゃあ、うちに来ない? ちょうど困ってたの」と
手を差しのべてもらい。

聞くと、その方は美的の副編集長さんで
もちろん、忙しい方。
旦那さんも某一流ホテルの支配人をされてて
これまた忙しい方。

小学生の一人娘さんを
お互いの時間をやりくりしながら
育ててらっしゃったのですが、
そのホテルの大阪にあるホテルの支配人が
急病で倒れられ
しばらく、関西に赴任しなくてはならなくなり、
はてどうしたものか、、と
困っていたというのです。

そこのお嬢さんとは
うちの娘とも一緒に何度も旅行に行ったこともあり
仲良くさせてもらってることもあって
「キッズシッター&料理なんかも作ります!」で
そのお宅の一部屋を間借りし
娘ともども転がり込んだ、というわけなのです。

その後、死ぬ気で働いて
所持金2000円を何十倍にもし
半年後に
無事、敷金礼金ができたところで
引っ越しましたが、
彼女への恩は、本当に一生忘れない、と思っています。

話がそれましたが
そんなわけで
立ち上げて、無給にもかかわらず
愛情をこめて頑張って作りあげた
「rinato」でしたが
そんな経緯で離れてしまうことになったのです。

つらかったのはその後。

「rinato行きましたよー」とか
友人が親切で言ってくださったり
ブログにコメントを下さったりするたびに
胸がつぶれる思いでした。

今、rinatoは、さらにオーナーが変わり、
愛情いっぱいの方がなって
頑張っていると聞きます。

そして、託児所はないものの
「ママに優しい店」として
相変わらず人気だと聞き、
よかったなあ、とほっとしています。

同じようなことが
「3nails」でも起きました。

私が10年来続けていた
ジェルネイルが
「高い、遅い。でも、ジェルはやりたい。なんとかならないものよのう~」
で、立ち上げた
「3000円で30分ででき、3週間もちます」の
3nails。

コンセプトワークから
オリジナルの商材の開発など
やらせてもらいましたが
オーナーの
「もう、佳恵さんいらないわ。
あ、今までのギャラは払わないから。
好きでやってたことでしょ?」
の一言でジ・エンド。

私にもう少し自分を守る知恵があれば
そうはならないのですが
いかんせん、
「ほぼ右脳だけで生きてる派」なので
そのあたりはめっぽう弱いのです。

とはいえ、
3nailsも大盛況のようですし、
私自身も
「なんだかなあ~」と
複雑な思いはあるものの
「我ながらいいものを作った!」
と思ってますし、
今は単なるお客さんとして愛用してますので
それはそれでいっか、と
思ってます(笑)


去年立ち上げた
大人のためのビューティ雑誌
「ニカキレ」も
出版社の倒産で
一号目を発刊したところで
ジ・エンド。


何の因果か、
いや、私の脇が甘いのがいけないのか
とにもかくにも
そんなことが続き
「ブランドって立ち上げても必ず続くとは
わからないものよのう~」という気持ちになってしまい、
かつ、私自身
愛しちゃうと、それを周りのみんなにも伝えたい!
とブログを始めいろいろなところで
話しまくってしまい、
「いきなり梯子外されて
申し訳ない、胸が痛い」となるのも事実なわけです。


事実、アパレルのことは
よく知っていたものの
靴の業界は
まるでルールが違い
古い気質の
「常識が全くかみ合わない」世界で
本当に苦労が多く
その難しさと格闘する日々だったので
「またrinatoや3nailsの二の舞になってしまったら
悲しいし、
私がやってるから、って
愛してくれる人に申し訳が立たん!」と
伏せていたのです。

しかし、
「左脳派」のうちの会社のスタッフにより
「いきなり梯子外されますよ」危機は回避できているし
苦労はあるものの
一年半を経て
ようやく
「もう絶対大丈夫!」と確信を持てるようになったし、
何より
ダニジェマをきちんとブランドにするために
頑張ってくれている
プレスのしーちゃんはじめ
多くのみなさんとご一緒する中で

「少しでもお役にたてるなら
私もブログで紹介していきたい!」と思い
一年5か月の時を経て
お話しすることにしたのです。



さらに、もう一つの理由としては
もうやめて10年以上経つというのに
「私=CanCam」というイメージが
まだあるようで、、、

もちろん、あの経験はとても良い経験だったし、
本当に仕事たのしかったし
当時は愛してやまない存在でしたが
「ダニジェマ」は
3~40代の女性を中心に愛されるブランドにしたい
という想いがあったので
ブランド取材などでも
あえて前に出ることを控えたのです。

「OOさんプロデュース!!!」
みたいのも、時代の空気感として
違うなあ、と思いましたしね。

かくして
様々な葛藤を乗り越え、
今は「120%愛してます、
頑張りつづけますので、
どうぞよろしくお願いします!」と言い切れる
「Daniella&GEMMA」
どうぞよろしくお願いします!!(笑)
http://www.danigemma.com/


靴の詳しい紹介などは
また、追ってさせていただきますね(^^)