ほぼすべてのドラマの一話を見て
二回目以降見るかどうかを決めていく、
くらいドラマ好きの私。


それを知ってる何人かの友人には
「今シーズンは何が面白い?
佳恵さんのおすすめ聞いてから
みるようにしてるから」なんて言われてしまいます(笑)


そんな超ドラマ好きの
今シーズンの私的ベスト3は
NHK火曜22時~「さよなら私」
TBS金曜22時~「Nのために」
日テレ水曜22時~「きょうは会社休みます」
です。


NHK火曜の22時台は
「セカンドバージン」を生み出した
「大人の女が見たいものを作ってみましたー」枠で
あまり脚光を浴びないけど、
なかなかの安定感枠。


前回の広末涼子の「聖女」も
主役の女性は美人、という設定にしてはいるものの
木嶋香苗事件をモチーフにしたドラマで
なかなか面白い作品でした。


「さよなら私」は
主役が石田ゆりこと永作博美というところが
まず、見たい気になる。


永作は、藤木直人演ずる、
経済力があって優しい男前の旦那と結婚し
かわいい男の子も授かり、
優雅な専業主婦ライフを送っている。
石田ゆりこは、TV局の敏腕&
美人プロデューサーで独身。


女子高生からの親友でありつつ
微妙にライバルな二人は
同窓会で久しぶりに再会し、
いろいろ話すうち、
永作が、石田ゆり子に対し、
「まさか、、、」と不信感を抱く。

疑惑を確めるすべく、
石田のマンションの前で待ってると
なんと、旦那が彼女の部屋に入っていくのを目撃。


翌日、石田を呼び出し
「別れて」とお願いするものの、
石田に鼻で笑われ、
頭に血がのぼった永作は彼女につかみかかり、
二人は神社の長い階段を一緒に転げ落ちてしまう。

・・・と、二人の中身が入れ替わっている。

「え? まさかそんな子供っぽい展開?」と
一瞬肩すかしを食らった私。

でも、この時間は大人の女を裏切りません(笑)


その後は
部屋に訪ねてくる藤木直人に
中身が永作の石田ゆり子は抱かれる。


中身の永作は
実はセックスレスで悩んでいた。

久しぶりの愛する夫との、、だけど、
相手は自分を自分の親友だと思って抱いている、という
とてもとても複雑な心境になる展開。

一方の永作になった石田は
仕事でバリバリ活躍していて
それを良しとしていた風だけど、
温かい家庭と子供というあきらめていたものを
いきなり手に入れ、
これまた複雑な気持ちになる。


人生は選択の連続。
何を選んだかでもちろん変わるのだけれど
男性より女性のほうが
より大きな影響をうけるのも事実。

だからこそ
自分が選ばなかった「隣の芝生」が
より青く見えてしまうのも、
また女性。

そんな女性の微妙な心理を
なかなか鋭く描いているドラマ。

と、クレジットをみたら
脚本は「最後から二番目の恋」の
岡田恵和。

なーるほど、と納得してしまいました。

「Nのために」は
「告白」「八日目の蝉」などの
湊かなえ原作なので、
手堅くおもしろい。

最後の「きょう会社休みます」は
漫画原作の
ゆるーい、ちょっとキュンキュンする
地味めなドラマ。

話の展開は
正直、ちょっと退屈なのだけど
主役の綾瀬はるかが
30歳まで男性経験なしな地味な女性、という
設定なのだけれど
それが、とてもはまっていて
演技がお上手なのと
彼女の心のつぶやきがなかなか面白い。


同じ時間帯の裏で
これとは対照的な
これでもか、というくらい派手でドロドロした世界を描いた
「ファーストクラス」をやっているのだけれど、
今、とあるファッションブランドの
クリエイティブディレクターをやらせてもらってる
私の私的経験としては
前回の女性誌編集者バージョンも含め
こっちのほうが
「よーく知っている世界」で
実際、ずっと「戦ってきた日々」なのだけど、
現実がそうな分、
ドラマでまではいいかも、という気分になり、
ゆるーい綾瀬のドラマを見ています。


私と同じ理由で、というわけではないのだろうけど、
「ファーストクラス」が最新視聴率7%なのに対し
「きょう会社休みます」が17%という結果を見ると
今、人々の気分は、やっぱりゆるーい感じが
お好きなのだなあ、と思います。


ドラマや映画は時代を映す鏡。

ファッション、美容、食・・・
いろいろなブランドを作っている私としましては、
街を見たり、たくさんの女性に実際取材して話を聞いたりも
もちろんするのだけれど
ドラマを見るのは私の趣味でもあるのだけれど
実は仕事でもあるのです。


「ファーストクラス」と
「きょう会社休みます」の視聴率の結果を受けて
早速、一つのブランドを一緒に作っている方と
「やっぱり、いま女子の気分は、ゆるーい感じだから
ここをこうしましょうよ」と
話しました。

人生、何が役立つかわからないもんです。