銭湯盛り上げ隊 第26番 たつの湯@練馬区
湯喝度:よろし
洗い場瞑想度:よし
番台:フル
男女湯絆度:よし
昭和度:よし
赤蛇口度:よし
ペンキ絵:雲海富士山
備考:水風呂なし、番台ファミリーよろし、客よろし
総合瞑想度:よろし
スーツ面2号ガイド:★★★
今日は前々から行ってみたかった、練馬のたつの湯である。
銭湯好きの間では有名である。
「1010」という銭湯の無料小冊子がある。
偶数月に銭湯や公共機関等に配布される。
最新の114号にもたつの湯は掲載されている。
豪快な屋根造り。すばらしい。
建物の真ん中にドーンと煙突が突出す。
男気を感じる。美しい。
間違いなく昭和愛情銭湯だ。
男湯は左。祝日火曜日、午後8時15分。
ガラガラガラ。
番台ご主人、一瞬休憩中。
その腕組み、まぶたを閉じた顔。絵になる。男気だ。
しかしすぐに気づいてお釣りをいただく。
フル番台のニュー昭和銭湯。
昭和の枠組みと愛情を残しつつ、きれいに改修されている。
脱衣所、お風呂場、共に明るい。
そしてお客さんも多い。
洗い場へ。
雲海から突出す富士が控えている。大迫力である。
普段の銭湯と違い、富士山にかなり近いところでの瞑想だ。
緑ペライス、ケロリン、よし。
いざ湯船へ。
富士山と対峙しつつ、喝。
なかなかの喝である。
うーん、マンダム。気持ちよすぎる。
ふと横には奈良から転勤したてのお父さんと息子。
家族で銭湯、うれしい風景である。
ガスの開通前なので銭湯へ来たという。
こんなシブい銭湯へ来れるのは、なんという幸せな。
ガスが開通しなかったことへ感謝だ。
息子さん、かなり熱がるが、水を入れて苦い顔で喝。
その顔が次第に無の境地へ。
銭湯の世界へようこそ。
富士山を指さすと、楽しそうに見ていた。
そこへ地元のおじいさんが加わる。
やっぱね、井戸水と薪だから、熱くても気持ちいいんだよ。やさしいんだよ。
うん、そんな気がする。
最近の子たちはあいさつができないから歌で教えるんだ。
ちなみに俺、結構ハーモニカうまいんだよ。
と昭和頑固おやじ系。いいじゃないすか。
その他のお客さんも皆いい感じだ。
おじいさんの話しに耳を傾けながら、微笑瞑想している。
いい瞑想ができた。
湯あがりにオロナミンC。
ご主人に脱衣所で聞く。
やっぱりりっぱな門構えしてても、中にはいったら最新式ってのもさ、しっくりこないよね。
やっぱり番台がなきゃだめじゃないの。
風呂も至ってシンプルにしたいんだ。
余計なものはつけたくない。
とにかくお客さん全員に満足して帰ってもらいたいんだ。
お湯だって熱けりゃうめればいいよ。すぐにまた自動であったかくなるんだし。
なんだかんだ、落ち着くんだよな、銭湯って。
昔ながらの雰囲気、でっかい風呂。
そんで風呂からあがったらビールでも飲んでくつろいでいってさ。
こういう日本の文化は残していかなけりゃいけないんだよ。
やっぱり男ってのはこだわりが必要なんじゃないの?
かっこええ。心に響きすぎる。こだわり。
この前、富士の湯
さんに行ってきましたよ、というと顔がほころぶ。
あそこもこだわってるよね~、と笑顔。
こだわりの男同士の絆を感じる。
横からまた常連さんが来る。
「おぅ、ゆっくり入って行ってよ」
かっこいい。
たつの湯、すみずみまでご主人のこだわりが行き届いているから気持ちがいいのだろう。
番台は美人奥様へ交代。
話をしていると、学生証を見せ、そのまま素通りする若者が。
聞くと、近所にある大学の寮のお風呂が壊れたという。
じゃあ、うちへ入りにきなよ、と。
寮の側もあんまり予算がないっていうんで、じゃあ学生証見せればタダでいいよ、と。
うーむ。料理は愛情、銭湯も愛情、すばらしいじゃないすか。
こっちはいずれにしても風呂はたいてあるんだから、何人きても一緒だ、という。
たつの湯マインド、ナイスすぎる。
心意気ってこういうことなんですかね。
その心意気が、人を寄せるのだ。
スーツ面2号が今までみた銭湯で一番活況である。
駅から15分という場所にもかかわらず、人が絶えない。
そこへ、ハーモニカおじさん登場。
1曲吹いていただく。
うますぎる。
銭湯空間でハーモニカの音色、ベストマッチである。
春の曲を何曲かメドレーで吹いた後、若者へ向け長渕剛の「乾杯」。
夢へ向かう若者へは、来るべき乾杯へ向け、先にこの曲を贈るらしい。
拭き終わってから、これだけ吹いてツバが一滴もたれないヤツはなかなかいないよ。
ハーモニカを手のひらでたたいてみても、ツバ一滴でない。
そうとうやるようである。
さてそろそろ帰るか、と思ったら、二男の方の息子さん登場。
超ナイスガイ。
長男がお風呂を継ぐらしく、二男は就職が決まったばかりである。
たつの湯のコンサルをするようになるのだろうか。
ドラマだらけの、たつの湯。
昭和人情銭湯である。
やっぱり銭湯ってのは、人と人をつなぐ、重要な空間なのだ。
特にたつの湯の場合、主人の男のこだわりが人をひきつけるのだろう。
大駐車場も完備。間違いなく三ツ星人情銭湯である。
絶対行くべし。
■たつの湯
東京都練馬区石神井台6-19-26
03-3922-0753
営業時間 16:00~23:00
定休日 月曜