スーツ面2号はビーガンである。
いわゆる動物性のものを食べない。
卵やチーズ、牛乳もとらない。
日本語ではベジタリアンが近い。
きっかけは、と殺の映像を見たことによる。
そこまでして食べる必要はないと思った。
そして、ビーガンになってみてわかる。
ビーガンはかなり少数派。
なかなか障害も多い。
人間は何かを食べなければ死んでしまう。
では、死なないために、何を食べるのか。
今の世の中は、おいしいものが食べたいとか、おなかいっぱい食べたいとか、オシャレなものが食べたい、とかいうためにご飯を食べているのかもしれない。
食欲とは、生きる欲だと思う。
死なないように、生きるのに必要な栄養を取ることが本来の食欲ではなかろうか。
それ以上の欲は貪欲だ。
人間が貪欲なのは仕方ないんですが…
余談だが、スーツ面2号は10年ほど前はヘビースモーカーだった。
1日3箱位吸っていた。
当時はタバコはうまいと思っていた。
でも、やめた今、よくわかる。
本気でタバコが好きなわけではなかった。
なんとなく好きなだけだった。
だからやめたのだ。
肉もそんな感覚。死ぬほど好きでないことに気づいたのでやめてみたら、必要なくなった。
さて、そのようなことを皆でいろいろ考え直して、それから再度いろんな選択をしていく世の中にしたい。
まず、命をいただくことを感じられない、現代社会の問題点は何か?
やはり現代のスーパーマーケットシステムだろう。
肉も野菜も魚も、ぶつ切りになってパック詰めになっている。
元の動物がイメージしにくいし、殺すシーンなども現代人は見たことがない。
まずそれを体感する場を作っていこう。
そして考えたのがと殺ワークショップである。
これをやろうとしていたところ、千葉でそういうことをやっている若い女性がいるらしいという情報をキャッチした。
そんなファンキーな女性がいるのか。
それでは早速行ってみよう。ということでいってきた。
千葉の上総一ノ宮という場所である。
始めて来たが、とても気持ちの良い場所である。
いるのは自然である。
東京がいかにいろんな感情がうずまいているか、よくわかる。
場所はFARM CAMPUS
さんの古民家。
ちなみにFARM CAMPUSさんの活動も好きだ。
千葉のはずれに40人ほどの若者が集まった。
Facebookでの募集だったからか、若者が多い。
遠くは宮城、大阪からもいらしていた。
小さな子どもたちも何人かいた。
スーツ面2号は前日、かなりドンヨリしていた。
人に伝えるためにも、と殺は体感しなければならないという使命感はあった。
しかし、明日ニワトリを殺すのか、うーん、やだな、と思っていた。
何かドンヨリしていた。
人間の勝手な感情なんだけど、やはり目があって、魂がありそうなものの命を絶つことにはかなり抵抗がある。
それをやらなければ餓死するなら、それはやります。愛情もって。
でも他に食べる選択肢があるなら、絶対やりたくない。
朝起きたら気分を変えた。
今日は狩りに行くのだ。
死なないために、俺は狩りをするのだ。
だから、ありがたくいただくのだ。
今回の主催者はちはるさん。
ブログの「ちはるの森
」の記事も興味深い。
とても透明感のある方だった。インディアンのような感じ。
まわりの方々もとても澄んでいる。
さて、まずはじめに、どんな人生を歩んできた鶏なのか、そしてどうやって締めるかのビデオを見る。
今日いただく鶏はとてもナチュラルな育てられ方をしてきた。
いいエサを食べ、ある程度自由に生きてきた鶏である。
愛情豊かな鶏をいただくのはすばらしいことだ。
早速スタート。
まずは役割分担を決める。
首の骨を折る人、体を押さえる人、首を切る人…
みなさん積極的で助かった。
皆がやりたくないと思っていたので意外だった。
まずは放し飼いにされている鶏を捕まえる。
その後首を回して窒息をさせてから、首を落とす。
そして血抜きをしてから、お湯をわかして中へ投入。

その後ビニール袋の中で蒸らしまんべんなく毛穴をひらかせる。
5分ほどしたら羽をむしるが、これが簡単にむしれる。
ワンちゃんも見守っている。
ここで鶏肉屋で見かけるような鶏の状態になる。
全身の皮、これがいわゆる「鳥肌」というやつですね。
確かにボツボツである。
関西では「さぶいぼ」、鳥をイメージしていないのでしょうか。
内臓を取り出すと、いろいろ出てくる。
卵も出てきた。
その他わからない臓器もあるという。
魂だったりして。
やってみてわかる。
ひとりで最初から最後までやるのはかなり大変。
半日はかかる。
それに1羽からそんなに大量の肉は取れない。
ちはるさんとその周りの人たちが興味深いことを言っていた。
私たちもあまりもう肉は食べないんですよ。
と殺~解体って、すごくエネルギーを使うんです。
体力も精神も。
だからその分またエネルギーを注入しなければならない。
その循環が疲れるんですよね。
そうか、それは実際やってみなければわからないだろう。
とても説得力のある言葉だった。
そんなことを意識することなく、鶏肉100グラム100円とかで買えてしまう。
楽な世の中すぎる。
居酒屋で出てくる唐揚げを見て、コケコッコーの鶏を思い浮かべる人は少ないだろう。
でもこれをコケコッコーと歩いている鶏から、唐揚げの塊にするのにどれだけのパワーが必要か。
今回は生や食について興味のある方たちが多く集まってきた。
皆、積極的にと殺、解体に関わり、体感し触れていた。
と殺後に皆で語り合った。
かわいそうという感情はなかった、という方がほとんどだった。
もう食べません、という方はあまりいなかったように思える。
意外であった。
それが正しいのかもしれない。
ちはるさんが出したテーマ「食べるとは何か」。
それはスーツ面2号にとっても、とても大事なテーマに思える。
スーツ面2号にとっては、食べるとは生きるために最低限の栄養をいただくこと、そこで命をいただいたなら、その命の分も生きること、だろう。
食欲、というところの皆さんの考え方をもう少し知りたかった。
これからはありがたく命をいただこう、また食べる量を減らそうという方が多くいらっしゃった。
とてもポジティブな体験になったに違いない。
若い人たちが、そういうテーマに興味を持つことがすごく大事だし、未来は明るい。
ちはるさん曰く、ビーガンやベジタリアンの方たちからの非難の問い合わせも多いという。
命を粗末にしていると。
肉食の人が、ある一日、意味深いお肉をいただくなら、それはすばらしいことだ。
同じビーガンとして、私はこのワークショップは、ビーガンにも肉食の方にも、必ず何かのポジティブな気づきになると信じる。
今回はシロちゃん、ピーちゃん、2羽で40人の人間のココロを動かした。
また、ありがたく皆で昼食としていただいて、体の一部になった。一生忘れない。
ありがとう。
そしてスーツ面2号は引き続き、ビーガンである。