あまり、ご存知ではない方も多いのかもしれませんが住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローンである
フラット35の団体信用生命保険が来月から変わります。
※団体信用生命保険とはローンの借主が債務が残っている状態で 死亡、高度障害等になった際に生命保険により債務が弁済をされる
生命保険のことです。
リニューアルと名売っていますが、利用者にとって従来のものと来月からのリニューアルのもののどちらがメリットがあるのでしょうか?
説明に入る前に、ちなみにですが、今月中にローンの正式審査申込をされた方は現行制度(生命保険料は年払い)とリニューアル後(金利に含まれるタイプ)のどちらを利用するかは選択が可能です。そういう意味では、とりあえず、今月までに正式申込をしておく必要はあるかと
思います。 ※ちなみに「事前審査」ではダメです。
何が変わるのか?というと・・・
銀行の住宅ローンと異なり、フラット35は団体信用生命保険の加入が任意ですとは言えども、長期の返済期間と多額の借り入れになるわけですから私の経験上では基本的にホンの一部の方を除いては皆さん加入をされています。
銀行の住宅ローンの場合、この団信の保険料が金利に含まれていますので支払っている感覚というものが実際にはないような感じです。
一方でフラット35の団信は加入が任意であり、また、生命保険料は毎年、年払いという支払い方法になります。もちろん、途中で支払わないということも可能ですが、一度、止めたら再度の加入は出来ません。
で、この年払いとなっている団信保険料ですが、今後は銀行の住宅ローンと同じように金利に含めて提供するというやり方に変わるということです。
しかし、です。
本日、ローンの実行はまだ先ではあるお客様ですが、従来の団信と来月からの金利に含めるタイプとではどちらがお得なのか?というご質問を頂きました。これ、机上論で言うと、今の年払いタイプのほうが利息と含めて総支払額でいうと安いんです。
但し、あくまで試算は今月度の金利を基に試算せざるを得ませんから毎月、適用金利が異なるために現時点でお得なのはどちらなのかを
厳密にご案内するのは不可能です。でも、来月、0.05%程度、金利が上がっても総支払額では現行の団信年払いタイプのほうがおトクにはなっていましたが。
それと、どっちがお得なのかの判断が難しい点は他にもあります。
フラット35はお借り入れ期間の金利が全期間固定金利(それもかなりの低利です)というところに魅力に感じられて最近は利用者が非常に多いのですが、購入物件が住宅金融支援機構の条件により適した物件(と言ってもそれほどハードルは高くないです)であった場合、当初5年あるいは10年間は金利が0.3%さらに優遇されてご利用を頂けるフラット35Sという商品があります。
残すところあと僅かですが、この9月までに正式審査のをお申し込みされた方が従来どおりにフラット35Sを利用いただくと当初の5年・10年の優遇幅が0.3%でご利用頂けるのですが、リニューアルされた10月からの商品におけるフラット35の当初5年・10年の金利優遇は0.25%と0.05%優遇が減ったものになります。
但し、悪いことばかりでもありません。金利に団信の保険料が上乗せ含まれることで、従来の年払いのタイプでは毎年、その時期に現金を用意する必要が生じますので、お金を用意しておかないといけないという部分で少しストレスを感じられる方がおられるかもしれませんが、その心配が不要となります。
今後、金利に含まれるタイプの場合は毎月のローンの支払い(それも口座引き落とし)となりますから気持ち的には何となく楽な感じになるかもしれません。と言いたいところですが、世の中、それほど甘くはありません。
金利に上乗せされる利率ですが来月は0.28%となっています。この上乗せ金利ですが、今後の金利情勢にあわせて何パーセントを上乗せするのかはその都度、見直されるということらしいです。
正直、今までの方がお得ですし、フラット35Sの金利優遇幅も小さくなり、団信の金利上乗せの利率はその都度、見直しされるってのは
なかなか判断が難しいですよね
とは言っても、総合的に見るとフラット35の長期固定金利と団信の保険料などを含めた総支払額という点ではこの商品を上回る民間の銀行ローンは非常に限られますのでやはり利用メリットは総合的に良いままであるとは言えると思います。
ということで、フラット35を利用されることが決定されている方や利用することになるかもしれないなんて方は、とりあえず、後で団信加入のタイプを選択できるように今月中に正式審査の申し込みをされておくことが良いと言うのは間違いなさそうです。
【住宅金融支援機構のHPにおける団信リニューアルの紹介ページ】 http://www.flat35.com/files/400343278.pdf
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