大好きな石を身につけたい!
天然石アクセサリー
アトリエ-水晶散歩*- 野原由芽です。
研磨しようかどうしようか、ずっと迷っている石がありました。
これなんですが。
何人かの人に聞いてみましたが、
この色はクラックに入っているので
途中で割れるかもしれず、研磨には不向きということでした。
この色はクラックに入っているので
途中で割れるかもしれず、研磨には不向きということでした。
でも、気になるのです。
「研磨には向かないって。」
「・・・・・・。」
「どうしよう?ルーちゃん。」
「なんで私に聞くの!」(←前回磨いたルージュちゃんです。)
「いや、だから、クラックに色が入っているから。」
「研磨には向かないんでしょう?」
「うん。」
「どうして向かないか、理解しているんでしょう?」
「うん・・・。」
「で?」
「磨いていいかなぁ?」
「だーかーらー、なんで私に聞くの?
本人に聞いてみればいいじゃない。」
「え?本人?・・・そうか。」
「磨いてみてもいい?」
「・・・・・・。」
「どうしよう、ルーちゃん。返事がないよ。」
「ちっ。ちっ。ちっ。
だめよ、そんな口説き方。
私だって返事しないわよ。」
「口説きって・・・。」
「んもう、覚悟がないわねー。
私だって、生まれるとき、削れ過ぎてなくなってもいいって決めていたわよ。
さぁ、思い出して。その水晶をじっと見てね。」
「思い出すって、何を?」
「それはスイちゃんにしか分からないわ。」
「私にしかわからない?」
なんだろ、なんだろ。思い出す?何を?
これは、去年の5月、初めて水晶採取に連れて行ってもらって、
いい天気で、ワクワクして、いろいろな水晶があって、
この水晶を見つけて・・・。
あ・・・。思い出した・・・。
この水晶を見つけたとき、まだ茶色の汚れに包まれていたけど、
オレンジ色を一目見て胸が震えたんだ。
「川上村で見つけたとき、胸が震えたの。
つるぴかになった姿が浮かんで、ドキドキしたの。
磨いてもいいかな?」
「・・・うん。」
よっっっしゃぁぁぁぁ
研磨、いっきまーす
しょり、しょり、しょり、しょり。
このオレンジがきれいに残るように、
形は片面フラットなオーバルに。
しょり、しょり、しょり、しょり。
ん、思ったより裏側の凹凸が深い。
厚みがどんどんなくなっていく。
クラックにも近い。やばい。
やっぱり、割れてしまうかもしれない。
しょり、しょり、しょり、しょり。
表のカーブを形成する。
クラックがはがれてしまうかも。
でもいいんだ
何を恐れていたのだろう。
何も無くなることはない。
『真剣に産もうとした。』が残るじゃない。
(↑ルーちゃんの受け売り)
そして、形成完了(よく耐えてくれました。)
磨きに入っていきます。
丁寧に、丁寧に。
だんだん透明度が上がってきました。
そして仕上げ。
磨いて、磨いて、磨いて・・・。
完成
名前を付けましょう。
「陽だまり」
明るい川上村のお日様をいっぱい集めたようです。
横と裏です。
自分で採取した水晶を研磨できたなんて、
嬉しいですねー
「・・・・・・。」
「え?なぁに?」
「・・・ありがとう。」
「・・・陽だまりちゃ~ん」
ひしっ!(←抱き合っているつもり)
と、いうお話でした。