5/24疾走クレヨン ワンマンライブ「300人のカタツムリ まだまだこれから!」 | もうね。なにがなんやら

5/24疾走クレヨン ワンマンライブ「300人のカタツムリ まだまだこれから!」

今回は5/24に行われた疾走クレヨン ワンマンライブ「300人のカタツムリ まだまだこれから!」@Veats Shibuyaについてレポートしたいと思います。

○イベント概要

今回ライブを行った疾走クレヨンは2022年結成のアイドルグループです。所属事務所はヴェルヴェットマネージメントで、これはTask have Funと同じ。Task have Funは2016年結成ですので、疾走クレヨンの方が後発になります。メンバーは6人で結成以来変更はありませんが和田あずさちゃんが長期休養に入っており、現在は通常5人でのパフォーマンスとなっています。(追記:既に脱退済とのことでした)グループのコンセプトは「私たちの色にみんなの心を塗りつくし駆け抜けていく!」を掲げられており、グループ名にそれが色濃く出ています。作品としてはアルバム「疾走!!!」を2022年12月リリースされていますが、CDの形式でシングルはリリースされていません。今回のワンマンライブは2周年直前にあたるのですがそれには当たらず、代わりに300人の動員目標が立てられており、達成すると新曲「でんでん⭐︎まいうぇい」が披露されるという企画が行われておりました。先に言ってしまうと2周年ライブは8月に予定されており今回はその前哨戦、300人を集めて次のステップへといったところでしょうか。会場となったのはVeats Shibuya。客席エリアはフラットでオールスタンディング、収容人員は最大700人という中規模ライブハウスです。ステージ向かって左約1/3ほどに女性限定・ファミリー限定エリアが設定されておりました。ライブのスタートは19:00を予定されておりました。

○ライブの流れ

ライブは予定時刻通りにスタートしました。オーバーチュアにのってステージに一人ずつ登場するスタイル。今回の衣装は現在公式サイトでもトップに表示される水玉の衣装。かなり奇抜な色使いで目立ちますね。始まってすぐの第一ブロックは3曲による構成。1曲目「ホッテストサマータイム!!!!!!」は純粋にスピード感を感じる曲。グループ名の「疾走」にぴったりな印象を受けます。2曲目「シークレットハート」は曲の最初にサビを持ってくる作り。ストレートな結論を先にすることで1曲目とはまた違ったスピード感があります。3曲目「Lucky Drops」は歌詞を詰め詰めにしているのが特徴的。例えばサビの「隠さずありのままで大丈夫僕は分かってる」の部分、頭の「隠さず」は無くても意味は通じると思いますが、そこをあえてすることでまた違ったスピード感を生んでいるのだと思います。前半3曲はグループ名に則したらしさ溢れる、しかもそれを異なる方法で表現した曲がずらり並んだ印象です。

 

3曲が終わるとMC、自己紹介が入ります。ここではグループのコンセプトもしっかり説明し、淀みのない完成された進行に思いました。この後MCは本編だけで3回入りますが、いずれもあまりダラダラしておらず、ライブのテンポを乱すということはありませんでした。このあたりにはライブ、特に定期公演を数多くこなしてきた経験を感じますね。続く4曲目は「イチ推しの肉!」。疾走クレヨンは「大阪焼肉・ホルモンふたご」というお店の公式アンバサダーを務めており、こちらはそのタイアップ曲。コミックソングに近い感じですが、疾走クレヨンの楽曲自体も明るめな曲が多いのであまり違和感は感じませんでした。5曲目「ビビディバビ!」は一転して落ち着いた雰囲気の格好いい感じの曲。「イチ推しの肉!」の次ということで方向性の差が際立っており、セットリストに組み込むならここしか無いという曲順で、4曲目5曲目が両方活きる良い構成だったと思います。サビの振り付けはシンプルかつ、全身を使って下から上へすくい上げるような振りもあり、キャッチーさをかなり狙っているような感じ。この辺りはキャッチーなダンスでファンの心をつかんだTask have Fun「3WD」をもう一度といったところでしょうか。このブロック最後6曲目「パラレルワールド」は5曲目からの流れで一緒にダンスというより、とにかく体を動かして楽しもうという趣向が強いかなと思いました。

 

再度MCを挟んで7曲目「フラミンゴ OLE!」8曲目「マーメイドのANSWER」はファンお待ちかねの撮影可タイム。皆さん思い思いにシャッターを切られていました。撮影する以外にも「フラミンゴ OLE!」では間奏にアクロバティックなダンスがあったり、ステージの奥行一杯を使ったフォーメーションで大変見ごたえがありました。ここで一旦MCが入り撮影可タイムが終了、9曲目「colorful」10曲目は「Look at me」と続きますが、実質的にはこの4曲が第3ブロックだったかなと思います。この後のMCでいよいよこの日の観客数が発表となったのですが、結果は216人ということで「でんでん⭐︎まいうぇい」の披露はならずとなりました。動員数300人を目指しフライヤーを15,000枚配布し、SNSでの告知もかなり頑張っていたのですが、とても残念な結果となりメンバーもショックを受けていました。ただこの後の告知により8/14に2周年ライブが決定、さらに追加企画として6/8にフリーライブがあり、それまでに300枚のカタツムリ写真を集めるとのこと。見事集まれば新曲披露となるのですが、これはもう結果が出ておりまして、無事初披露と相成りました。

 

300人動員は失敗となりましたが、気分を変えて一気にエンディングへと向かっていきます。本編最後のブロックは11曲目「夢見たアルカディア」、12曲目が「RUN!」、13曲目が「Hotchocolate」、14曲目が「あいしてクレヨン」と4曲連続。勢いを強く感じたエンディングでした。一旦20:10で本編は終了、この後はもちろんアンコールがあります。本編終了約8分後にメンバーは再登場、アンコールとなります。アンコール後は上をTシャツに着替えての登場。アンコール1曲目は「あいしてクレヨン」、続いて「ホッテストサマータイム!!!!!!」を歌ってMCへ。簡単な感想と写真撮影が行われ、もう1曲あるのかなと思ったのですがここで終了。ライブは20:30まででした。

 

5/24 疾走クレヨン ワンマンライブ「300人のカタツムリ まだまだこれから!」

@Veats Shibuya セットリスト

01.ホッテストサマータイム!!!!!!

02.シークレットハート

03.Lucky Drops

MC

04.イチ推しの肉!

05.ビビディバビ!

06.パラレルワールド

MC

07.フラミンゴ OLE!

08.マーメイドのANSWER

MC

09.colorful

10.Look at me

MC

11.夢見たアルカディア

12.RUN!

13.Hotchocolate

14.あいしてクレヨン

アンコール

en1.あいしてクレヨン

en2.ホッテストサマータイム!!!!!!

 

○まとめの感想

19:00スタートの20:30終了なので、きっちり1時間30分、全16曲の構成でした。現時点での疾走クレヨンの持ち歌すべてが披露された、いわゆる全曲ライブでした。パフォーマンス的にも持てる全てを出し切った、そんな印象を受けました。ダンスは非常に揃っていますし、可愛らしさやセクシーさなど曲ごとに雰囲気をがらっと変えられるあたり表現力の高さを感じました。大人っぽさや格好良さなど、いずれか一つを突き詰めて凄いと思わせるグループはありますが、そのどちらも高い次元でこなせるグループは私自身数えるほどしか知りません。疾走クレヨンはその稀有なグループの一つです。歌唱面も水野七葉ちゃんを中心に全メンバーにしっかりとした実力が備わっていることを感じますが、高い声が少し苦手かなと思いました。前半でいえば「シークレットハート」や「Lucky Drops」など、音程を外すことは無いにしてもあまり余裕はない感じがしました。後半ですと「マーメイドのANSWER」、「colorful」など可愛らしい曲でも突き抜けていくような感じはなく、決して悪くはないのですが、強く印象に残るまではいかないかなといった感じ。その点一番あっているなと思ったのが「ビビディバビ!」ですね。無理なく自然に良い声だなと思いました。

 

構成も上に書いた通り、とても見事だったと思います。それぞれの曲の特徴を活かし、組み合わされたセットリストは後でこう見直してみても、ああなるほどと思うものばかり。実際その場にいても流れは自然で、あっという間の1時間半な気がする一方で、とても濃密な1時間半だった気がします。ただちょこちょこ、これはどうかなという場面もありました。一つは撮影可能となっていた「フラミンゴ OLE!」。最後に5人が集合して、ポージングをしますが暗転。常にそうしているのでしょうし、それが曲世界を表現する上で正解なのかもしれませんが、撮影可能ということでそこをシャッターチャンスと狙っていた人もいたのではないかなと思います。であれば普段は暗転させていたとしても、ここだけは照明をつけたままにするか、もしくは違う曲を撮影可能とするべきだったのではないかなと思います。「ビビディバビ!」の落ちサビも担当する水野七葉ちゃんに照明が当たっていなかったりと何とももったいない感じがしました。

 

と色々あったのですが、一番驚いたのはアンコール1曲目に「あいしてクレヨン」を持ってきた点です。上のセットリストを見ていただければ分かると思いますが、この曲は本編ラストの曲でもあります。つい8分前に聞いた曲をもう一度というのは、持ち歌がまだ2~3曲しかないというグループ以外、見たことががないですね。本編のラスト、アンコールの1曲目というのはその日の流れの中でも重要なポイントになろうかと思うのですが、意外性はあるものの本当にこれが正解だったのか疑問です。なぜこのようなセットリストになったのか、踏み込んで推察すれば「でんでん⭐︎まいうぇい」が披露できなかった結果だと思うのですが、未達だった場合のいわゆるプランBを考えていなかったのかなと思います。そして一番これがどうかなと思った部分なのですが、目標が未達で新曲が披露されないにしても、今回来たからこそ得られた何か、ああ来て良かったなと思わせる何かが用意されているとは思えなかった点です。私は疾走クレヨンのライブをまだ数えるくらいしか見たことがないですし、全曲ライブが見れて十分満足でしたが、仮に足しげく通う常連だったら2周年か今回、どちらかで良かったかなと感想を抱いたと思います。これが例えば「でんでん⭐︎まいうぇい」は披露できなくとも実はもう1曲用意しており、振り入れも音源も出来ていないがアカペラで歌います、次披露するのは完全に出来上がった1~2か月先です、となれば未完成でもレアなものが見れたと、未達でもこれはこれで良かったと思ったはずです。例えば限定のステッカーを配布する、などでも良かったかと思います。どちらも手間はかかるでしょうし、コストも馬鹿にならないことと思いますが、プランBが無かったであろうことも含め、ここという場面での勝負のかけ方、ひいては物語の見せ方が少し弱い気がしますね。

 

というちょっとどうかなという部分はあったのですが、実力派揃いでしかも可愛いメンバーがこんなにいて、曲もノリが良く、パフォーマンス自体は300人以上を集めてなんら不思議のないものだと思います。8月の2周年ワンマンライブもきっと素晴らしいものになると思いますので、気になった方はぜひお出かけされてみてはと思います。以上です。