『あたしは明日も仕事に行ってくる。
フランスまで行ってくる。
ただな。
橘に言っとけ。
ダサいからなお前の喋り。』

『わたしもそう思う。』

アイ
『お前ら人の喋りかたばかり批判すんな。
俺たちは訛ってんだ。
年寄りだからな。』

すず
『あいつらは自分の訛りがわかってないんだね。』

『時代を感じますね。
いつまでも変わらない喋りかたに馬鹿に出来ないですけども。
ええ。
へへ。』

『そうなのであ〜る。』

アイ
『そうであるよ。』

『たまには俺にも書かせてよ。
アイは黙れよ。』

『わたしだって喋りたいし、お前が黙れよ。』

『俺はスーパーに行きたい。
漫画読んでたら、ポテチがうまそうだったから買ってくる。
コンソメ・パンチ。』

『ナウいですね。
コンソメ・パンチ。』

三奈子
『ところで伸子さんはどこにいる?』

『あっちで勉強してんでしょう。』

三奈子
『勉強のし過ぎで馬鹿になりそうだな。』

『真面目一筋。』

道代
『お前ら遊び過ぎ。
あたしも遊びたい。
子供の面倒は楽しいけどほんとに疲れがたまってきたよ。』

『あたしゃね。
いい加減に大概にあいつの如何様の芸能に飽き飽きしとるからね。
金で買った芸能。』

多田
『それな。
俺も探ってる。』

『ボタン押すだけだろ。
今の芸能は。』

『葵はもうしないけどね。
人を操るのはね。』

『今は色んな漫画があるよな。
ワンピースは大昔の物語だからな。
俺の能力は?』

『ルフィか。
サボか。
ベラミーか。
シャンクスか。』

アイ
『そのへんね。』

『風と火と水ね。』

裕思
『俺とお前は似てるのか?』

『そのようだな。』

アイ
『馬鹿なところがな。』

『あいつは呼ぶな。
雄二君は荒らすからな。
バカスカラス。』

彌生
『彌生ちゃんだーい。
あたしはまだ許してないからね。
雄二君を。』

『なんでじゃ?』

彌生
『二年間にもおよぶ二人の関係に最後のメールのあの「死ねや!!死ねや!!死ねや!!」の四百通以上にもおよぶメールの最後のさよならからから十六年の歳月の哀しみ。
あいつは謝るどころか三年前に「訴えますよ。」ってメールをさらに、馬鹿にしないでよ。
あたしにはあいつに五千円の貸しがある。
ホテル代。
あたしが全部払っていた。
マルグリット・デュラスの愛人、ラマンの小説のように燃えあがった欲望の夜のトキメキ。
あいつの本好きは秋吉久美子さんと中田彩さんたちからであたしはダーティーな本が好きなんだけども「悪魔祓い」を勧めたが読んでいない模様。
五木寛之さんの「風の王国」は読んでくれた模様。
あいつは秋吉久美子さんばかりのマニアであいかわらず七十も過ぎた女優を好きだなんて、、。』

『あいつとは?』

彌生
『雄二君のことです。
あの当時は雄二君と呼びたいのだが雄二さんと馬鹿にして、調教しといたのです。
敬語を使いなさいと。』

『雄二君は敬語なんて使わなかったよな。
三十になるまで。』

『やつは893みたいな人たちと1人でいたり。
橘ちゃんたちも馬鹿みたいに賭博をして、八つ当たりして、雄二君に借金を返させたり。
雄二君はお洒落でアクセサリーをジャラジャラつけてんだけど、女もんのやつね。
それをやばい薬中の顔してるから893みたいに勘違いされて、人が遠ざかっていったよな。』

『あの頃はっ!』

『おう、橘。
やっときたか。
とうとうやつの仕業ってわかったからな。
お前のデモ曲をただで聴いてる輩が自分で書いたと言って売ってる。
そいつは香堂だからな。
香堂は自分で作らないで雄二に作らせてたけど、今度は橘か。』

雄二
『僕の不正がバレましたか。
香堂さんには奇声だけあげてればいいよって言ったのは。』

香堂
『あいーん。』

裕思
『俺たちは如何様だからな。
やつらと同じ?』

『でもほんとに演奏しとるからのう。
世界の街にも行っとる。
危険な旅だからね。
昔は五十三人で旅してたっけな。』

里思
『俺はもう行かないよ。
つまらない時代になってしまったからな。』

雄二
『ドラゴン・ボールのトランクスみたいになってる多田は未来に帰れねえか。』

多田
『帰れない。』

彌生
『やっぱ、多田は彌生からしたらピョン吉のヒロシとあしたのジョーの矢吹丈とドラゴン・ボールのトランクスとるろうに剣心の相楽左之助だね。』

雄二
『ゆうじいもそう思うじょ。』

『熈はゆうじいは岬太郎に赤髪のシャンクスにトニートニー・チョッパーにニコ・ロビンに緋村剣心に佐野万次郎にフシにうちはサスケだと確信しとる。
儂は漫画大賞の漫談大将たい。』

『彌生がやっと本音を吐いたようだね。
お前ら四百通以上のメールしてたのか?
雄二の写真は何枚持っとる?』

彌生
『三十五枚。
盗撮した。
動画は三回。』

『それな。
俺にもくれ。
こいつはもう若くない。』

雄二
『若くないのは当り前。
あなたはいつまでも若くありたまえ。
阿片の呪いは死ぬ迄消えない。』

『いつまでもチャットしとると疲れんな。』

涼宮葵
『俺が来たぜ。
やっと仕事が終わった。
今日は日曜かと思ったぜ。
人が多かったからな。』

アイ
『だって、ゴールデン・ウィークじゃん。
あんた馬鹿じゃん。』

涼宮葵
『あん?』

多田
『じゃあ、今日は終わるか?』

映里
『だね。』

アイ
『俺の蹴りを葵に。』

涼宮葵
『あん。
効かねえ。
はい。
それじゃあ、またね。』