前回に引き続き、松平郷のスケッチ。

松平東照宮の歩道脇に一本の「笠掛けかえで」の木がある。

その昔、流浪僧「徳阿弥(とくあみ)」が高月院を訪ねてこの地を訪れ、

このかえでの木に笠を掛けて一休みしていた。

そこへ当時の当主在原家の次女「水姫(すいひめ)」が井戸の水を汲み、

アヤメの花を一輪添えて徳阿弥に差し出したのが二人の出会い。

やがて二人は結ばれ、徳阿弥は、この地の初代松平家当主

「松平親氏(ちかうじ)」となったとのこと。

以後、この井戸のご縁によって多くの男女が結ばれたと伝えられているらしい。

この井戸は昭和7年の水害により土砂に埋もれてしまったものを、

松平東照宮の氏子たちの力により復元されたもの。

 

ワーグマン水彩紙厚口F6細目

 

6月中旬、愛知県豊田市にある松平郷に行ってきた。

松平郷は、豊田市街から東に10㎞、国道301号線沿いの山村にあり、

徳川三百年のもととなった松平氏発祥の地である。

今からおよそ六百年前この地に発祥した松平氏は、

三河を平定し天下泰平の礎とした。

松平東照宮から高月院にかけての250mの遊歩道沿いには、

「室町塀」と呼ばれる土塀が作られ、室町期の歴史景観を醸し出している。

自然保全にも配慮され、様々な山野草を見ることもできる。

訪れた時は、ちょうどアジサイの花の時期を迎え、

室町塀の上にも花があふれていた。

 

ワーグマン水彩紙厚口F6中目

7月初めのスケッチ会は、名古屋市昭和区にある鶴舞公園内の

茶席「鶴々亭」に集合し、お庭等を描くことになった。

「鶴々亭」は、昭和3年に昭和天皇即位を祝す「御大典奉祝名古屋博覧会」が

鶴舞公園で行われた際、名古屋材木商工同業組合によって、

茶席の参考館として建築されたものだそう。

今まで外からスケッチしたことはあったが、今回スケッチ会の代表者が

利用できるように予約をしてくれて、初めて茶席内に入り、

建物内や庭を見学することが出来た。

利用にあたっては、室内を汚したり、お庭の苔を傷めたりしないように

細心の注意を払った。

スケッチは、鶴々亭のお庭内に併設された茶室「百華庵」の軒下から

通路を眺めて描いたもの。

茶室の主人が、これから来る客を待っている心情とでも言いましょうか。

 

ワーグマン水彩紙厚口F6中目

6月最後のスケッチ会は、名古屋市千種区にある東山動植物園内の

日本庭園に集合し、周辺を自由に描くことになった。

この日も高齢者には危険な暑さが予想されたため、

とにかく、大きな屋根のある所で描こうと、

植物園内のお花畑の休憩所へ移動した。

お花畑は、今年の2月にリニューアルオープンしたもので、

東山動植物園の公式キャラクターで、東山の森に住む妖精

ズーボのおうちや、芝生が広がるピクニックエリアである雲の広場、

名古屋市内を見渡せる眺望デッキ等がある。

休憩所の屋根の下から、お花畑を見上げると、

小さなカワイイ園芸種のヒマワリの黄色い花が満開でこちらを向いていた。

その鮮やかな黄色に魅了されて描いてみた。

 

ワーグマン水彩紙厚口F6細目

 

 

 

6月初旬、静岡県掛川市にある日蓮宗の寺院、本勝寺に行ってきた。

貞和元年(1345年)創建といわれる古刹で、

5月から6月にかけて、アジサイが咲き誇る花の寺として有名らしい。

境内には、70種1万株のアジサイが植えられているとのこと。

 

ワーグマン水彩紙厚口F6細目