ワンレングスアイアンをアメリカで売っているというニュースに衝撃を受け、使うことになったのですが、やはり一長一短あるのは間違いありません。
おそらくMOIを合わせた長さの違うアイアンの方が何かといいとは思いますが、ワンレングスについてはクラブセッティングの基礎となるべき要素がたっぷり詰まっています。
ワンレングスのいいところは、
(1)全番手同じ長さなので振り心地は同じ、シャフトのしなり具合も同じ
(2)全番手同じ長さなので全番手同じ構えで打てる、ボールとの間合いも同じ
(3)5番6番がやや短いので、ミート率がアップする?
逆に悪いところは
(4)5番6番で最大飛距離が抑えられてしまう(ミスが多い人は問題なし)
(5)5番6番ではHSが落ちランが余分に出るのでグリーンオンさせるのは難しい
(6)ロフトを立てすぎると結果が出ないらしい(Tom Wishonでは5番23度が最低ロフト)
(7)SWの飛距離が伸びる(5-10y?)のでコントロールショットの割合が増える
(8)SWのヘッドが軽くなるので、バンカーショットの力加減が変わる?
(9)SWのシャフトが1.5インチ長くなるので、アプローチのミスが増える?
クラブMOIマッチング(私のはもどきなのでMOI合わせ)のいいところは、
(1)ロングアイアンのスライス、ショートアイアンの引っ掛けが減る
(2)全番手同じ感覚で何も考えずに振れる
(3)飛距離の感覚は従来とほぼ同じ
(4)既存のアイアンをちょっと加工するくらいで調整できる
逆に悪いところは
(5)ショートアイアンは軽く、ロングアイアンはしっかり打ちたい人には向かない
(6)私の調整が悪いのか、ロングアイアンは頑張って振りたくなる???
(7)シャフトのフレックスの微調整に課題が残る(1本取りシャフトなら解決?)
(8)長い番手と短い番手、構えに違いが出るがそれは誤差範囲か?ライ角は果たして0.5度刻みでいいのか?という疑問が残る
(9)どの番手に合わせて調整したらいいか、プロのノウハウが必要
ゴルフ黎明期はおそらくクラブ1本でラウンドしていたでしょう。しかし距離を打ち分けるには打ち方を変えるよりクラブを替える方がいいという結論になり、ロフトや長さを変化させたりして、今のようになったと考えられます。
ワンレングスアイアンの考え方はロフトを変化させるだけと至ってシンプルです。それに比べると他の方法(現状市販されているバランス一定のアイアン、MOIを合わせたアイアン)は応用編です。
ゴルフクラブに限らずですが、「何かを得ると何かを失う」という法則が働いていることが多いです。ロフトを変えるだけでも何かを失いそうなのに、さらに長さまで同時に変えてしまうとわけがわからなくなります。そしてうまく打てない時に何が原因なのかわからなくなるかもしれません。
応用編を知るうえで基礎がわかっていた方がいいと思い、欠点はいろいろあるもののワンレングスアイアンを使っています。まだまだラウンド1回だけなので、これからもう少し見えてくるものがあるかもしれません。