わが家から車で15分くらいの所に、亡くなった母のいとこであるMおばさんが住んでいます。
母の生前はあまりお話ししたことがなかったのですが、母が亡くなってから話す機会が増えました。
母とMおばさんは昔から深い関わりがありました。
母のお母さんと、Mおばさんの父親が兄妹で、商売を成功させていた妹家族を頼りにMおばさん家族が宮城県から北海道の倶知安町に来たと聞いています。
一人暮らしをしていた母が高齢になってからは母の一つ違いのMおばさんには本当にお世話になっていました。
ずうっと倶知安で暮らしてきたMおばさんでしたが、80歳も過ぎた頃に事情があり、札幌に中古の家を購入し、夫婦で引っ越して来ました。
その数年後に母は亡くなっています。
おばさんも一昨年夫を亡くし今は一人で暮らしています。
近年は気になりつつもなかなか会いに行けずにいました。
今日は買い物の帰りにふと会いに行きたくなり、夫に頼んで車で連れて行ってもらいました。
おばさんの家に着くと家の前には可愛らしい花が植えられています。
「おばさん、いるかな…」とドアホンを押すとおばさんが出て来ました。
三年以上ぶりです。
「あら、やっちゃん!どうしたの、入りなさい」と言ってくれましたが、外で立ち話をすることにしました。
おばさんは変わらず元気そうで、顔を見ると泣けてきました。
すると、私を見て「あんた、ちゃんと食べてるかい?食べなきゃだめだよ」とそっと触れてくれました。
なんだか、お母さんに言われているような気がしてきて、また泣けてきました。
「今日は倶知安の知り合いからも電話がきたし、やっちゃんも来てくれたし、いい一日だったわー」
おばさんのことを思っている人はたくさんいるんだよ。
ほんの数分だったけれど、おばさんの顔が見られてうれしかった。
元気そうでうれしかった。
「今度はゆっくりしていくんだよ」
また訪ねる約束をして車から手を振りました。
おばさんも車が見えなくなるまでずっと手を振ってくれていました。
外は冷たい風が吹いていたけれど、大丈夫だったかな。
また会おうね。おばさん。