◎「最初の相談相手」でありたい
本日は、少し不思議で、少しあたたかいご相談がありました。
河内長野市にある事務所に、高齢の女性がふらりと立ち寄られました。
九州から引っ越してこられたばかりで、まだこちらの土地にも、人にも、慣れないご様子でした。 少し緊張した面持ちで、「あの…お寺を探していまして」と切り出されたとき、私は最初、相続やお墓の相談かと思って身構えました。
ところが話をうかがうと、「九州でずっとお世話になっていた宗派と同じお寺を、河内長野で探している」とおっしゃるのです。
政治や行政の相談ではなく、「お寺探し」。 一見すると、議員の仕事からは少し離れているようにも感じられる内容です。
しかし、よく考えてみれば、見知らぬ土地で心の拠りどころを探すというのは、その方にとってはとても切実な問題です。
病院や役所と同じように、信頼できるお寺やお坊さんの存在が、「暮らしていける」と思える安心につながります。
宗派をお聞きし、頭の中で河内長野市内や周辺のお寺を思い浮かべながら、インターネットや資料も使って一緒に候補を探しました。
九州でのご縁の話をうかがいながら、「ああ、この方にとってお寺は、ただの宗教施設ではなく、人生の節目に寄り添ってきた場所なのだ」と感じました。
「こんな相談も、うちに来るのか」と内心で苦笑しつつも、最後には「ここなら、まず一度行ってみられてはどうでしょう」とお伝えできるお寺を見つけることができました。
お帰りの際、その女性は少しほっとした表情で、「議員さんのところに相談してよかった」と言ってくださいました。
大きな政策課題でもなく、予算委員会の議論にも出てこない、ニュースにもならない出来事です。
けれども、こうした小さな相談の積み重ねが、「この街で暮らしていても大丈夫だ」と思ってもらえる土台をつくっていくのだと思います。
議員の仕事は、条例づくりや予算審議だけではありません。 ときには、お寺を探したり、病院を紹介したり、バスの乗り方を一緒に考えたりすることもあります。
効率だけを考えれば、「それは行政の窓口で」とお返しした方が早いのかもしれません。
それでも、顔の見える関係の中で、不安を抱える誰かの「最初の相談相手」でありたい──そう思っています。
今日の一件は、「地域で生きる」ということ、「議員としてそこに立つ」ということを、あらためて考えさせてくれました。
九州から河内長野へと暮らしの舞台を移した一人の女性が、この街に新しいご縁を見つけられることを願いつつ、私もまた、この町の「相談窓口」であり続けたいと思います。