お腹が痛い時、足をぶつけた時など、耐えがたい痛みを感じた時に、お腹を抱えていたり足を抱えてもがいたり、痛い部分を抑えたりねじったりして痛みをこらえますが、実は、そのような行動をすることで、痛みは和らぐようです。
ドイツのハイデルベルク大学で行われたマウス実験では、脳の運動中枢から伸びる2本の神経回路が、運動の信号を痛みを緩和する信号へと変換している様子が明らかになりました。(2022年のScience誌に掲載)
つまり、ゴロゴロと転がってもがいたりねじったりという運動が、痛みの神経情報をブロックするのですね。
これは、人には激しい痛みを感じたときに体や筋肉を積極的に動かして、少しでも痛みを紛らわせようとする本能があるからのようです。
医学の分野でも運動と痛みの関係は利用されていて、通常の鎮痛薬が効かない人でも、脳内の体の動きを司る運動野を電気や磁気で刺激すると、痛みが大きく緩和されることが知られているとのこと。
先のハイデルベルグ大学での研究結果によると、運動による痛みの緩和は専門の神経回路を介して行われるものであり、単なる感覚の上書きや相殺とは違う現象であることを示唆しているようです。
つまり、直接的に痛みを緩和させているということなので、その神経回路を刺激することで、痛みを和らげることが出来るので、その神経を刺激する薬が開発されることで、新しい鎮痛薬が出来ることが期待されているようです。
鍼灸治療も痛みの症状にはとても効果があるので、もしかしたら鍼の刺激もこの神経回路を刺激しているかもしれません。