GT-CD2の画像

1992年にYAMAHAから発売された GT-CD2   350,000円

 

この年の第8回FMfanダイナミック大賞で優秀賞に選出されています。ちなみに、この前のモデルGT-CD1は、大賞に選出されています。

 

GT-CD2は、ヤマハの木工技術を用いた60mm厚パーティクルボードのウッドベースと砲金鋳物製のドライブメカハウジングで構成されています。なので、とにかく重い・・・(^▽^;)

 

以前から気になっていて、是非とも入手したいと思っていましたが、そもそもヤフオクに出品されることが少なく、出品されてもすぐに高額になってしまい、手を出すことが出来ませんした。

 

そんな折、再生が出来なくなったとのことで、修理依頼がありました。CDをセットしてもディスクが高速回転してしまうようです。ピックアップか??

 

これが、GT-CD2の天板部。実にシンプル!!今はやりの言葉で言えば、エモい・・・ちょっと違うか(;^ω^)

 

このプレーヤーは、このウッド部分に一切ネジが見当たりません。どうやって開腹するのか???

 

安心してください。ひっくり返せばいいんです。

 

ということで、ひっくり返して、底板を外します。とにかく、ネジが多い!!( ;∀;)

しかも、インシュレーターも外さなければ、外れない・・・

 

まず最初にお目見えした基板は、電源部とオーディオ部です。GD-CD1もそうですが、とにかく、電源部が強力というのがこのプレーヤーの特徴。

 

さて、再生しない原因はというと・・・・

横から覗くと、なにやらベルトが外れています。これは、ピックアップを駆動しているベルトです。ってことは、ピックアップが動かないためにディスクが再生しなかったのでしょうか。CDプレーヤーの、ある意味故障の最大の原因であるベルトの劣化問題。特にYAMAHAの場合は、ゴムローラーの劣化問題もあり、ほとんどのトレイの開閉トラブルや再生トラブルは、このベルトとローラーの問題といってほぼ間違いありません。

 

電源基板を外して、ベルトを交換します。

デジタル部とコントロール部の基板がお目見え。ベルト自体は、簡単に交換できます。直径35㎜のものに交換。

 

せっかくなので、ピックアップレールを外して、ピックアップレールを磨きます。

かなりべたべたになっていて、ベルト駆動なので再生にはそれほど影響はないかと思いますが、これだけべたべたではベルト駆動といえども、負荷がかかりベルトの劣化の原因になってしまいます。ピカピカに磨いて、ミシンオイルを塗布し、スベスベに動くようにしました。

 

ちなみに、GT-CD1は、ピックアップを駆動しているギアが破損してしまう不具合が多いようで、そのギアを改善したのがGT-CD2のようです。

 

フィリップスやマランツのプレーヤーに多いギアの不具合と同じで、湿度による加水分解による原因なのか、ピックアップレールに塗布されてるグリスの硬化により、ピックアップの動きが悪くなることでギアに負担がかかり破損してしまうのか・・・

 

いずれにしても、ギア駆動のピックアップは、レールにはグリスよりもミシンオイルの方が最適かと思います。

 

これは、ピックアップのコネクター部。ピックアップの型番は、TAOHS-KP2。型番違いのTAOHS-KP1はまだ新品で入手はできますが、コネクタの向きが異なるだけで、基本的は互換性がありますので、ピックアップが劣化しても新品に交換はできます。

 

逆手順で組み戻して、動作確認!

 

無事、ディスクを読み込みできるようになり、再生も問題はありませんでした。スキップもサクサクです。

 

音は、まさにYAMAHAサウンドそのもの。電源部が強力だけに。押し出し感が半端ないですね。一つ一つの音が、しっかりはっきり表現されています。コンデンサーを交換したら、もっとクリアーになるでしょうね。やっぱり、欲しいプレーヤーの一台になりました。