CDP-XA5ESの画像

1994年にSONYから発売された CDP-XA5ES  98,000円

 

この年のFMfanダイナミック大賞のCDプレーヤー部門で大賞を受賞しています。光学系固定方式メカニズムを採用したESシリーズのCDプレイヤーで、光学ピックアップを強固なメカベース本体に固定し、ディスク面の振動は真鍮削り出しのスタビライザーで抑えることで、揺らぎの非常に少ないメカニズムを実現しているとのこと。


しかも、ディスクを回転させるスピンドルモーターにはコギングが少なく高精度・高静粛な回転性能が得られるBSLモーターを搭載しています。

 

原理的に、光学固定方式の方が信号読み取りのエラーが少ないので、CDの信号を忠実に再現することが出来、音質も向上すると言われています。

 

トレイが勝手に閉じてしまい、勝手に再生が始まってしまうという不具合が発生しているということで修理依頼がありました。

 

CDP-X5000やX3000も同じ光学固定方式を採用していますが、サーボ基板のICの故障が多いのが、この方式のプレーヤーの特徴かと思います。おそらくサーボ基板上のトラブルが発生しているものと思います。

 

開腹をすると、サーボ基板が直ぐに確認できます。そのサーボ基板を取り外すとピックアップメカがお目見え。ピックアップは、KSS-273Bを搭載。

 

 

これが問題のサーボ基板。キャパシタ周辺の色が変色しています。

 

 

ひっくり返して確認すると、液漏れでしょうか、基板が腐食しています。その上部にBA6297AFPというICがありますが、ピックアップのアクチュエーターの制御、フォーカスやトラッキングの制御、モーターの制御などを担っています。このICが破損していることがあるので、場合のよっては交換が必要になります。

 

とりあえず、キャバシタを交換、その周辺にある100μFの小型コンデンサーも交換。

 

トレイを取り出して、ベルトの状態を確認しましたが、特に伸びやへたりもなく、問題がなさそうだったので、交換はしませんでした。CDP-XA7ESのような平ベルトではなく、通常の角ベルトでした。

 

勝手に再生が始まってしまうのは、フロントパネルのタクトスイッチの劣化も考えられるので、よく使う再生と一時停止、停止ボタンのスイッチを交換しておきました。

 

組み戻して、トレイ開閉の状態を確認したところ、勝手に開閉することがなくなり、勝手に再生が始まることもなくなりました。

 

このシリーズのプレーヤーの売りは、なんといってもカレント・パルスD/Aコンバーター。原理的に可聴域でのノイズが激減しているとか。確かに、音は1ビット独特のすっきりして透明感が、さらに増した感じあります。以前、CDP-XA7ESも聴いたことがありますが、それに比べると情報量が少なく、奥行き感がないのは否めません。

 

とはいえ、CPの優れたプレーヤーだと思います。