DCD-1650SRの画像

2002年にDENONから発売された DCD-1650SR   120,000円

 

バーブラウンのPCM1704を4基も搭載している非常にCPの優れたプレーヤーです。あまりにもCPが高すぎて、今でも人気のある機種。

 

当時、売れたのでしょうか、ヤフオクでは頻繁に出品されています。ただ、人気故、ジャンク品でもそれなりの金額になってしまいます。

 

このモデルは、過去に何台か修理したことがありますが、ピックアップがSANYOのSF-P101Nという、今までの1650シリーズに搭載されていたSHARP製とは異なります。まだ、新品が入手できるので、再生しなくなった時は交換できます。

 

このプレーヤーの最大のネックは、ピックアップの問題でもトレイのべた付きでもトレイベルトでもありません。再生できますという機種ほど要注意です。

 

何故か・・・・

 

今回、久々にこのプレーヤーを入手しましたが、再生出来て、音出しも確認しています!という説明だったので、安心して入手しましたが、案の定、ジャンク品でした・・・・( ̄▽ ̄)

 

どういうジャンク品かというと、トレイの開閉も正常、CDの認識再生も正常。音出しも一見正常???

 

確かに音は出ていますが、左チャンネルが出ていません・・・(^-^; どんな確認してんねん!!( `ー´)ノ ヤフオクあるあるなので、特に業者系の出品者の動作確認はそもそも信用していません。それを前提で入手しているので、別にイイんですけどね・・・

 

このプレーヤーの最大も問題は、再生は正常だけれども左チャンネルからの音が出ていないものが多い!!ということなのです。

 

過去にこの問題に直面して、あれこれと原因を突き止めようとするも、結局分からずに何台闇に葬ったか・・・・(*´Д`)

 

で、結果的に、DACであるPCM1704が不具合を起こしているという結論に至りました。

 

同じDACを搭載しているDCD-S10IIIやDCDS10IIIL、それからDCD-1650AZも同じ問題が発生している場合があります。

 

最近、ネットで調べたところ、どうもこのPCM1704は熱に弱いらしく、というかあまりにも高性能ゆえに熱が発生しやすい??ようで、上手に冷却してあげないと劣化して徐々に出力が弱くなり、最後には機能しなくなってしまうようです。

 

では、どうして左チャンネルなのかというと、左チャンネルは、右チャンネルに比べて背面パネルから離れていて、ほぼ本体の中央に位置しているところに取り付けられている関係で、熱が発生した時に上手く冷却が出来ずに熱がこもりやすいようで、右チャンネルに比べると熱による損失が大きくなるようです。

 

どのプレーヤーも、ほぼ左チャンネル側は、右チャンネルに比べて本体の中央部に回路が設計されていることがほとんどで、気の利いているメーカーは、そのことを考慮して、DACにヒートシンクなどを取り付けて熱が上手く放散するようにケア(SONYやPioneerなどはそのようにケアをしているプレーヤーが多いような気がします)が、ハイエイド以外のプレーヤーでは、ほとんどそういうケアは見かけません。

 

で、今回、本当にDACが不具合を起こしているかどうかを確かめるために、左チャンネルのDACを交換してみました。

 

これは、左チャンネルから音が出なくなっていた1650SRの基板で、部品取り用として保管していたものです。右チャンネルは生きているので、右側のDACを取り外しました。

 

今回購入した1650SRの左側を外して、装着。老眼の私にとっては、この小さな足に半田をするのは至難の業ですが、拡大鏡を使ってどうにか半田付けをしました。

 

さて、動作確認・・・・

 

ヽ(^o^)丿

 

見事に左チャンネルから音が出るようになりました\(^o^)/

 

やっぱり、DACが不具合を起こしていたのですね~

 

DACが不具合を起こすと、突然音が出なくなるわけではないようで、最初は左チャンネルから音が右チャンネルに比べて小さいという現象から始まるようです。そう感じ始めたら、いよいよ左チャンネルのDACが弱り始めた兆候です。

 

症状がどんどん悪化してくると、最終的にある時突然音が出なくなっていくようです。

 

同じプレーヤーをお持ちの方は、左右の音の大きさを聴き比べて、左チャンネルからの音が小さくなっていないか確かめてください。もし小さくなっているようなら、確実にDACは弱っていますので、連続長時間の再生はあまりしない方が良いでしょう。