CDP-553ESDの画像

1985年にSONYから発売された CDP-553ESD   160,000円

 

この年から始まったFMfanダイナミック大賞のCDプレーヤー部門に選出されています。

DACは。PCM53JPで、80年代のソニーのプレーヤーは、555ESDを除いてハイエイド機にはバーブラウン製のDACを使用していました。555ESDは、フィリップス製。他はソニーオリジナルのDACを使用してます。

 

前年に発売されていたDACのDAS-702ESが同じPCM53JPを使用してました。評判が良かったのでしょうか。

 

私は、今までこのプレーヤーを手にしたことはなかったのですが、先日読者の方から修理の依頼がありました。

 

トレイの開閉異常とCDの読み込みが怪しくなってきたということで、ピックアップの交換を希望されていました。

 

奇跡的にピックアックはオリジナルの新品を持っていたようで、それに交換することになりました。

ほんまもんです。ピックアップASSYです。まだ、部品の入手が可能だった時に買ったのでしょうか。奇跡としか言いようがありません。私も見るのは初めてです。

 

さっそく開腹。

天板に放熱目的で開けられたスリットがあるので、内部は埃っぽいですが、

綺麗な状態を保っています。

 

ピックアップメカ自身は、後継機のCDP-555ESDと同じです。ピックアップの型番はBU-1Cです。555ESDは、BU-1Eになります。互換性がありそうですが、レーザー出力用のボリュームの位置が異なるので、おそらく互換性はないと思います。

 

さっそく、メカを取り外して、ベルト交換とプーリーのグリスアップをします。

555ESDと全く一緒です。トレイの上面の仕様が少し異なる以外は、基本的に同じです。

ピックアップのレーザー出力用のボリュームは、553ESDはピックアップに直接取り付けてあり、555ESDはメカ後部にある基板上に付いてます。

 

ピックアップASSYを取り外して、新しいASSYを取り付けます。

 

これが、新しいピックアップASSYです。

 

逆手順で組み戻して、さっそく動作確認。

 

めちゃくちゃさくっと読み込みます。まさに新品のときを彷彿とさせる俊敏さです。

 

音は、16ビットDACなので、情報量が少し少なめですが、バーブラウン製の明るいサウンドを聴かせてくれます。やや、デジタル臭く薄っぺらい感じはしますが、まだCDが発売されてから4年目のプレーヤーです。それにしても、4年でここまで仕上げるとは、流石SONYの技術力には脱帽です。

 

その後、オーナーさんから長時間聴いていると、急に再生が止まるなど異常動作をするとのことで、今回はコンデンサー類は一切交換していないので、コンデンサーの容量抜けやトランジスタの劣化が原因かもしれませんと、お伝えしました。

 

長時間使用しなければ、症状は出ないようなので、しばらく様子を見るとのことです。製造から36年も経っているプレーヤーなので、将来的にオーバーホールは必要でしょう。