先日、読者の方からDCD-1650AZの修理依頼がありました。

 

症状は、CDを読み込みしないということですが、ご自分でピックアップを取り寄せ交換したようですが、症状が改善しなかったとのこと。

 

この1650AZは、以前のブログにも書きましたが、新品のピックアップに交換しても読み込み不良が改善しないことが多いので、ピックアップの劣化の問題ではなく、サーボ部の上に取り付けられている基板の問題であると指摘しましたが、この基板はDCD-S10IIIにも搭載されていて、S10IIIでも同じ症状が起きているようです。

 

 

いろいろとネットの修理情報を調べたところ、この基板のICの故障であることが判明しました。そのICは下記の写真の赤丸の4個。

 

 

このICはオペアンプで、型番がOP262。

 

そもそもこの基板は何のための基板かというと、ピックアップからの光信号を増幅させて、その信号の精度を高めることによって、エラーの少ない信号に整える機能があるようです。

 

DENONでの正式名称は知りませんが、一般的にはフォトダイオードアンプ回路と言われているようですが、この前のモデルであるARには搭載されてません。

 

おそらくこの回路が、ある意味AZの売りなのかもしれませんが、その売りのはずの回路が問題で故障することが頻発してしまっては、元も子もありません。

 

で、この基板に搭載されているOP262の何が問題かというと、このオペアンプの仕様が実際の用途よりも定格が低めであったために、負荷がかかりすぎるあまり故障しやすかったようです。

 

途中からマイナーチェンジされて、定格の高いものに回路が設計変更されています。シリアルナンバーが、9から始まるものは、設計が変更された基板が搭載されているので、このような故障は起きにくいようですが、シリアルナンバーが0や1から始まるものは、初期の回路設計なので、故障しやすい基板が搭載されています。

 

当然ですが、修理依頼のあったAZは、1から始まるシリアルナンバーでした。

 

修理方法は、2つ。このオペアンプをマイナーチェンジ後に搭載されているAD8058という型番のものに交換するか、9から始まるシリアルナンバーのもの(もちろんジャンク品)からこの基板を移植するかになります。

 

今回の修理では、9から始まるシリアルナンバーのジャンク品を入手して、交換しましたが、表面実装タイプのICの交換に自信のある人は、このオペアンプを交換すると良いかもしれません。

 

それから、ジャンクで入手した1650AZは、このままでは使用できず、捨ててしまうのももったいないので、ちょっと改造してみました。

 

その内容は、続きをご覧ください。