サンスイのCDプレーヤーの中で最も高額であるCD-α917XR。

当時、定価が160,000円と、その作り込みに比べるとありえないほどリーズナブルな価格で、当時でさえ30万円のプレーヤーと互角な贅を尽くした内容でした。

 

今でも超人気のプレーヤーの一つです。たまにヤフオクに出品されますが、あっという間に高額になり、とても手が出ません。

 

サンスイのプレーヤーは、トレイの開閉トラブルが頻発します。ベルトの交換だけでなく、トレイの開閉を検知しているセンサーの接点の劣化もあります。ピックアップメカの脱落も頻発しますので、しっかり固定されているかのチェックも必須です。

 

さて、今回は、CD-α917XRの再生トラブルの改善を実施しました。

 

このプレーヤーは、KSS-152Aというソニー製のピックアップが搭載されています。ソニーには珍しく、他社専用のピックアップらしく、自社には搭載していないようです。

 

再生しない場合は、まずサーボ調整をしますが、CD-α917XRの場合は、サーボ基板には、トラッキングとフォーカスのオフセットの半固定抵抗しかありません。ゲインなどは自動で調整しているのでしょうか。

 

なので、CDが読み込まないという症状の場合、いきなりピックアップのレザー出力の調整から入ります、

 

ピックアップには、後方にレザー出力の調整用の半固定抵抗があります。時計回りに回すと、出力が上がります。

 

TOCが読めるように適当に調整します。これで、大抵は再生もできるようになりますが、劣化が進んでいると、サーボの調整も必要になります。

 

上の写真のように、トラッキングとフォーカスのオフセット調整用の半固定抵抗があります。この2カ所にしか調整用の抵抗はありません。

 

TOCは表示されるけれども、再生ができないという症状です。

 

917XRの場合、トラッキングの調整で、正常に再生できるようになります。

 

まず、抵抗のダイヤルを12時の方向にいったん戻します。丁度、抵抗値が中央値になる位置ですが、この状態では、当然ですが全く再生はしません。TOCも読み込まなくなります。

 

その状態から、反時計周りに1度ずつくらい少しずつ動かしては、読み込ませて動作確認に調整してきます。

 

大抵、11時くらいになると、TOCが読み込めるようになり、それから2,3度さらに回すと、再生するようになります。非常にシビアですので、繰り返し繰り返しベストポジションを探っていきます。

 

トラック再生がサクッと出来れば、OKです。

 

フォーカスオフセットは、基本的に調整はしません。あまり意味がない?ようです。

 

これでも再生をしないようでしたら、ピックアップの寿命で、交換以外では直りません。

 

KSS-152Aは、サンスイの717や617にも搭載されているので、比較的容易に移植ができます。また、オンキョーのC-701XやC-501X、DENON DCD-1400 DCD-800などにも搭載されていますので、まだ入手しやすいでしょう。とはいえ、みな古い機種ですので、状態が良いものは少ないでしょうが・・・・