DCD-S10IIの画像

1997年にDENONから発売されたDCD-S10II   190,000円

 

この年の第13回FMfanダイナミック大賞で優秀賞に選ばれています。S10から3年後の発売で、DACなど基本的な構成は変わりありませんが、ピックアップがソニーのKSS-240AからシャープのH8147AFに変更されています。

 

このピックアップは1650シリーズにも投入されていて、1650AL、AR、AZに使用され、S10III,S10IILにも使用されています。まだ新品が手に入りますので、ピックアップが劣化しても安心です。

 

KSS-240Aに比べると耐久性に劣り、劣化して再生できなくなっているものが多いようです。なので、ピックアップの需要があるせいか、ヤフオクやヤフーショッピングなどで簡単に手に入ります。

 

ただ、中国製の廉価版があり、場合によっては交換しても再生できないことが多いので、ピックアップを購入するときは、出来るだけオリジナルと同じものを購入することをお勧めします。

 

さて、今回、再生しないというDCD-S10IIを入手。初めて手に入れるので、中身の構成などがどのようになっているか楽しみです。

ケースを外すとこんな感じ。銅製のピックアップカバーが目につきます。オーディオ基板の構成は、S10とほぼ同じようです。10μFのコンデンサがありません。出力段にあった2.2μFのコンデンサもありません。シンプルになっています。その代わり、470μFが倍増しています。

 

DACも同じものを使用しているので、3年経った割にはあまり進化が感じられません。音もそんなに変わらないのかもですね・・・・

 

さっそく、再生しない原因を調査。

はい、でました。シャープのピックアップになってからお決まりの故障です。ターンテーブルの脱落。19万のプレーヤーにしては、こういうところがチープです。見かけはゴージャスですが、メカは下位モデルと同じものを使用しています。故障した時に、移植しやすいので便利といえば便利ですが・・・

 

それから、トレイに塗ってある塗料が加水分解して、べとべとです。これもお決まりですね。

 

ターンテーブルをアロンアルファで固定して、逆手順で組み戻して動作確認。何事もなく正常に再生してくれています。まだ、ピックアップは元気のようです。

 

さてさてアンプにつないで、音を拝聴します・・・・・

 

れれれ・・・・(^▽^;)

音が出ません・・・・・(*´Д`)

 

全くうんともすんといいません。電源部かと、レギュレターとコンデンサーを交換。変わりなし・・・・(^-^;

 

デジタルは生きているかと、確認しましたがデジタルも音が出力されていません・・・・( 一一)

 

そういえば、リレーが全く反応していないので、信号がどこかで止まっているよう。

 

CDの再生機能自身は全く正常です。

 

そういえば、このプレーヤーはディスプレイの表示がおかしかったのですが、電源を入れても、”--”と表示されるだけで、曲数も時間も表示されていません。

 

いろいろ調査しましたが、デジタル基板やコントロール基板は問題はなさそうです。

 

で、表示パネルの基板を確認したところ、赤丸の部分が接触していましたので、もしかしたらFL管がショートしていたのかもしれません。

 

後日、もう一台DCD-S10IIを入手して、正常に表示されているFL管に入れ替えたところ、リレーも正常に機能し、正常に音が出力されるようになりました。この故障していると思われるFL管を新たに入手したS10IIに接続したところやはり表示は”--”のみで、音も出ませんでした。

 

音が出力されない原因は、FL管のショート?であることが確実です。半田修正なども行いましたが、変化なしで、FL管自身の故障であることがほぼ確実です。

 

電源は入りますという説明だったので、あまり注意深くディスプレイの表示については気にかけませんでしたが、確かに電源は入りましたので、うその説明ではありません。ただ、十分な説明でないことは間違いなく、オークションの難しさを改めて感じさせられました。

 

FL管は、1650シリーズと同じものを使用しているので、後日ジャンク品の1650を入手して移植することにします。