DCD-1650GLの画像

1991年にDENONから発売されたDCD-1650GL  99,000円。

 

DCD-1650Gをリファインして開発されたスペシャルリミテッドモデルのCDプレイヤーで、DACには、DENON向特別選別品(AD1862N-Zバージョン)を採用しています。また、コンデンサや抵抗、基板の材料を厳選し、高品質化を図っているようです。

 

それ以外に1650Gとの大きな違いは、DCD-3500RGなどに装備していたバランス出力端子を搭載しているということ。バランスケーブルを使わない私にとっては無用の長物ですが、なんといってもLimitedバージョンですので装備は豪華です。

 

何台か修理したことはありますが、DENONの故障はどれもそうですがトレイの開閉不良。つまりベルトの劣化が原因の軽微な故障がのほとんど。以前、普通バージョンの1650Gを修理した時は、コントロール基板の故障を思われる機種がありました。とても珍しい故障ですが、こうなると手も足も出ませんので部品取りにとして保管することにしたことがあります。

 

あとは、まだこの時期はアナログサーボなので、読み込み不良や音飛びなどは調整が可能です。

 

今回入手した機種は、読み込み不良とのこと。

 

さっそく動作確認。ピックアップの汚れという単純な原因もありますので、事前に綿花にて掃除しておきます。

 

あれれ。。。正常に読み込みます。。。(^-^;

単純なレンズの汚れだったのでしょうか???

 

再生ボタンを押します・・・・むむむ・・・・・再生しません。

 

キュルキュルと音がするだけで、再生する気配ありません。カウンターは一ミリも動きません。

 

再度、動作確認・・・・読み込みはサクッと完了しますが、再生ができない状態は変わりません。

 

サーボかな???でも、何だか違うような気がする・・・・

 

とりえあえず、メカを取り外します。

 

メカをひっくり返すしてびっくり!!(◎_◎;)

 

ピックアップを駆動しているギアが外れています・・・・(^-^;

 

軸が根元からぽっきり折れています。ギアはレバーで押さえられて、抜け落ちない構造になっていますので、とりあえず、固定されていましたが、ぐらぐら状態で全くギアとしての機能をしていませんでした。ピックアップという軽い部品を駆動するのですから、そんなに力が加わるはずがありません。余程強い力でピックアップを動かさない限り、折れることはないでしょう。

 

となると、前のオーナーが、読み込みが悪いので上から無理やりピックアップを動かしたりして、ギアに負担をかけたのかもしれません。

 

このギアが機能していなければ、モーターは正常に回っていてもピックアップは動くはずがありません。当然、再生することもできません。

 

綺麗に根元から折れているので、とりあえずアロンアルファで固定。

 

接着するまで数分待って動作確認。

 

読み込みは先ほどより俊敏になりました。再生も何事もなかったように正常に機能しています。トラック再生も俊敏です。それほど強い力で駆動されているわけではないので、アロンアルファの接着で問題はないでしょう。

 

流石、Limitedバージョンだけあって、音は1650Gよりもメリハリがあり、迫力があります。

 

ヤフオクのジャンク品には手を出すな!というのが世間一般の常識のようですが、確かに、どんな原因で故障しているか分からないので、素人にはハードルが高いかもしれません。とはいえ、故障には、必ず原因がありますので、それを突き止めること自体が楽しみでもあります。そういう意味で、私にとってヤフオクは楽しみを提供してくれる貴重な場所なのです。