以前、DCD-1650ALのピックアップを駆動しているギアの破損について記事を書きましたが、その時は、DCD-1550ARからピックアップメカを移植して、事なきを得ました。

 

その時の破損したギアの写真は下記に掲載しています。

その時は、かなり衝撃的で、こんなところが破損するとは!!と、途方に暮れましたが、修理の基本は、同じ時期に発売されたモデルからの部品調達ですので、下位モデルからの移植で修理完了となりました。

 

これで懲りていれば、二度とDCD-1650ALに手を出すことはないのですが、性懲りもなくまたジャンク品を入手してしまいました。

 

再生しないというジャンク品。少し前に大量に仕入れたH8147AFというピックアップがあり、それを早く消費したくてまた入手してしまいました。

 

動作確認をすると、完全にピックアップが死んでいる様子。ピックアップを交換して、なんなく再生するようになりました。

 

で、交換している最中にまた発見してしまいました!(*´Д`)

ギアの割れ・・・・・・( ;∀;)

 

これって、確実に1650ALで起こる現象なのでしょうか・・・・2台手に入れて、2台ともギアが割れていた・・・・(-_-;)

 

同じピックアップメカを使っているARやAZ、それからS10IIやS10IIIなども同じ現象が起きているはず!!と、いろいろ調べてみましたが、どうもこのギアの割れはALだけの特別な現象であることがわかりました。

 

上の写真は、1650ARのメカですが、ギアが異なることがわかります。ALは中心に金属の支柱があり、ARにはありません。その代わりALはギアの肉厚が薄く、ARは肉厚になっています。

 

つまり、ALはギアの中心に金属の支柱を挿入するためにギア本体を肉薄にし金属の支柱で回転の精度を上げようとしたのでしょう。そのためにギア本体の耐久性が低くなり、経年劣化でギアが割れるという現象を引き起こしたのだと思われます。それに気づいたメーカーは金属の支柱を除き、その代わりギア本体を肉厚にして耐久性を持たせたのでしょう。

 

なので、AR以降はギアの破損というトラブルはないのかもしれません。

 

ALのギアの修理のために、1550ARを1台犠牲にするのはあまりにももったいないので、いろいろと試行錯誤した挙句、ギアを修理することにしました。

 

メカを取り出して、破損したギアを取り外します。

取り外したギアです。以前と同じように、亀裂が入っています。何故このような亀裂が入るのか不明ですが、ARなどと比較すると明らかにギア自身の耐久性が低いのがわかります。

 

で、どうやって修理するかですが、この破損したギアの部分を切り取って、金属性のギアを取り付けることにしました。

まず、ギアの部分を切り取ります。

 

これが切り取った状態。中心に穴が開いていますので、そこに軸を差し、その軸に金属のギアを取り付けることにします。

 

いろいろ試行錯誤して、ギアはモジュール0.3のものをチョイス。オリジナルのギアは歯数が17枚でしたが、金属製のものは歯数20が丁度良いようです。

 

実際に取り付けたのがこれ。意外とぴったりとしっくり決まっています。

 

ただ、ギアを取り付ける軸は精密に垂直を取る必要があります。ずれると当然ですが回転がぶれます。ぶれればピックアップの移動が不安定になります。

 

それから、このピックアックはギアの部分が二重構造になっていて、上記の写真で見ると、ギアの内側にスプリングが装着されていますが、そのスプリングを外すと上の部分のギアが外れます。下の部分のギアは本体と一体になっていますので、下の部分のギアがあれば問題はありません。上の部分のギアは何のためにあるかわかりませんが、想像ですがモーターなどから伝わる微細な振動を吸収するために取り付けられているのだと思われます。なので、この上部のギアを外すことは、衝撃に弱くなることを意味していて、音飛びなどの発生しやすくなるかもしれません。ちょっとためらいがありましたが、金属のギアの回転に多少ムラがあるために、却ってこの衝撃吸収用のスプリングが敏感に反応して、逆に音飛びの原因になることを懸念して、最終的には上部のギアを外した状態で取り付けることにしました。

 

軸を正確に垂直が出せればこのようなことはせずに済むかもしれませんが、今回はこの上部のギアを外した方がベターなようです。

 

ピックアップは、新品なので読み込み再生自体は全く問題はなりません。金属のぎあにしたことで、ギアの破損は半永久に心配することはないでしょう。

 

これから様子を見て、ギアの回転の精度を上げていきたいと思います。