1995年にDENONから発売されたDCD-1650AL  99,000円

 

前年に発売されたDCD-S10の洗練されたデザインをそのままに、内容もしっかりと継承しています。この年のFMfanダイナミック大賞で大賞に選ばれています。このシリーズは、この先大ヒットを続けます。

 

再生しないというジャンク品を入手。ピックアップはシャープ製のH8147AF。このシリーズで使用され続けますが、上位機種であるDCD-S10IIやDCD-S10IIIにも使用されています。ただ、耐久性があまりないようです。以前、1650AZを修理した時もそうでしたが、手に入るとはいえ決して優秀なピックアップではないようです。まだ、DCD-S10に搭載されていたソニー製のKSS-240Aの方がましかもしれません。

 

以前大量に購入したピックアップがありますので、とりあえず交換。

 

動作確認をしたところ、問題なく再生するようになりました。やはりピックアップの劣化が原因と思われます。一応、ピックアップにはレーザ出力を調整する半固定抵抗がついてますが、調整してもあまり意味がないようです。全く症状の変化は見られませんでした。劣化してしまうと交換以外は方法がないようです。

 

再生も問題なし!と思いきや・・・・音飛び発生・・・・(*´Д`)

 

この時代はデジタルサーボなので、サーボ調整することができません。音飛びが発生するともう手も足も出ません。

 

最初は、CDの傷が原因かもと思い、傷のないCDで動作確認をしましたが、やはり音飛び発生。

しかも、どのCDもほぼ同じ曲数のところで音飛びが発生します。

 

そうすると、レールの汚れやギアの動きが悪いなど、物理的な障害があるものと推測。ピックアップレールを磨いて注油しましたが変化なし。ギアの回転もスムーズなので問題はなさそうです。

 

何が原因????頭と抱えてしまいました。

 

で、今度はメカを取り外して、手動でギアを動かし、ピックアップの挙動を観察。すると、あるところでかくっとギアの回転が変化します。同時にその回転の変化によってピックアップがぎくしゃくする瞬間があります。CDのデーターは1.6μmの幅で記録されているので、目で見える回転の変化は致命傷です。

 

もう一度、ギアを観察します。

 

まじか!!ピックアップを送っているギアがぱっくり割れているではありませんか!!!

 

何をしたらこんな縦に裂けるように割れるのか・・・単に劣化でこういう現象が起きるのであれば、マランツのCD-34のトレイギアのように問題が多発しているはずです。

 

前のオーナーの使用環境がよほど劣悪だったのか・・・比較的、きれいな状態だっただけにそれも考えにくいのだが、このギアがこれほど脆弱であれば、おそらのこのモデルはギアの破損による音飛びが頻発しているはず。

 

非常にシビアな精度が求められるピックアップの駆動を制御しているギアですので、交換する以外に方法はありません。

 

幸い同じピックアップを使用しているプレーヤーはたくさんありますので、その中で一番安価に手に入るDCD-1550ARから移植を検討しています。

 

もしこのギアの破損が頻発しているようなら、金属ギアにした方が良いのではないでしょうかね。おそらく、DCD-S10IIやS10IIIにも起きている可能性は大なので、このギアを作れば売れるかもしれません。