ある方からDENON DCD-S10の修理の依頼がありました。

 

症状は、トレイが勝手に閉まってしまうことと再生ができないということです。

 

トレイが勝手に閉まってしまうような開閉異常は、リミットスイッチの接触不良がほとんどです。早速開腹して、ピックアップメカを取り外します。

 

トレイをひっくり返しすと、メカの手前側にリミットスイッチの基盤があります。爪て止まっているだけなので簡単に取り外しができます。

 

基板を取り外すと、こんなスイッチが顔を出します。隙間に接点復活剤を塗布して、数回スイッチを動かします。

 

逆手順で組み戻して、動作確認をすると、しっかり開閉するようになりました。開き切るとスイッチが入って、モーターの動作を止めます。スイッチが利かなくなると、勝手に閉まってしまいます。このモデルには意外と多い症状です。

 

しかし、ピックアップメカがほこりだらけです・・・( 一一) どんな環境で使用しているのでしょうか・・・・多少トレイの蓋の周囲に隙間があるとはいえ、かなりほこりが積もっています・・・・スイッチがトラブルを起こすのも納得できますね。

 

さっそく、CDをセットして動作確認をします。

 

全く反応なし。。。。(^-^; ピックアップが死んでいる???

 

電源をONにしたときやトレイが閉まった時にあるはずのアクチュエーターの動きがありません。通常、CDの有無をチェックするためにピックアップレンズが2,3回上下運動しますが、それがありません。

 

電源か???

 

デジタル基板上の電圧をチェックしても問題はありません。電源は正常のようです。むむむ、何が原因か・・・・

しばし基板を眺めていると・・・・むむむっ!!!

 

ピックアップに接続されているフラットケーブルがかなり歪んでいます。もしかして、かなりの頻度で抜き差しをしている???

フラットケーブルをじっくり見ると、断線???

 

 

以前、ビクターのプレーヤーを修理した時に、ピックアップが全く反応せず、ピックアップが死んでいるものと思っていましたが、ピックアップに接続されているフラットケーブルを抜いたところ、フラットケーブルがめくれて剥がれいることを発見。その剥がれを修正したところ正常に機能したことがあるので、これももしかしたらフラットケーブルの問題かもしれません。

 

ケーブルの導通をチェックしたところ、案の定断線していました。

 

修理を依頼された方に状況を確認したところ、自分で修理を試みたようで、フラットケーブルを抜いた後に、どう接続されていたのか分からなくなってかなりの頻度抜き差しを繰り返したようです。基板上のコネクター部も歪んでいました。差してもスカスカな状態になっていたので、接触不良も起こしていたようです。

 

ケーブルの長さは270㎜ほど。12ピンでピッチは1㎜。いろいろ捜しましたが、ぴったりの長さのものがありません。秋葉のマルツパーツに12インチのものがありました。約300mmくらいですが、長い分には問題ないでしょうということで早速取り寄せることに。

 

数日して届いたフラットケーブルがこれです。

 

さっそくケーブルを交換して、動作確認をしたところ、しっかりとピックアップが上下運動をしてます。やはり、ケーブルの断線が原因だったようです。

 

CDをセットして動作確認。問題なく読み込み、再生することができました。

 

私がしっかり状況を聞かなかったことも悪かったのですが、せめて自分で修理を試みて、何をしたかくらいは初めに伝えてほしかったですね。まさか、弄り倒していると思わないので、余計なところを一生懸命チェックをして、かなり遠回りをしてしまいました・・・(;^ω^)

 

弄るときは、ケーブルを優しく扱いましょう・・・・