SL-P990の画像

Technics  SL-P990 

1988年に発売されたCDプレーヤー。下位モデルのSL-P770は、この年のFMfan ダイナミック大賞に選出されています。

 

このプレーヤーも良く修理をします。ヤフオクでもよくジャンク品が出品されていますが、再生しないというジャンクは、ほとんどの場合、BSLモーターの故障です。Technicsは、電解コンデンサーが劣化しやすいことで有名なので、このBSLモーターの故障も電解コンデンサーの容量抜けによる故障です。

 

中身はこんな感じ。SONYなんかと比べると、いたって簡素な作りですが、下位モデルがFMfan ダイナミック大賞に選ばれているだけあって、その上位モデルであるSL-P990は評判通りとてもダイナミックレンジの広い、鮮やかな音を奏でます。作りは簡素ですが、音は一級品です。今だマニアの多いプレーヤーですね。

 

このBSLモーターさえしっかりしていれば・・・・と悔やまれる一台です。

 

早速修理に取り掛かります。

 

メカと取り外して裏返すと、BSLモーターの基板が見えます。ネジ2本で固定されているので取り外します。

 

コイルの周りに、25V47㎌のバイポーラコンデンサーが3個、25V33㎌と50V1㎌のリチップ型の電解コンデンサー(写真はすでに取り外した状態なのでありません。)が1個ずつあります。

 

液漏れを起こしているのはチップ型の電解コンデンサーです。

 

チップ電解コンデンサーの取り外し方は、アルミの部分を根元からニッパでカットします。プラスティックの台座が露出しますので、マイナスドライバーなどで除去します。写真のように足が2本残りますが、半田で熱すると直ぐに取れます。

 

チップ型電解コンデンサーは持ち合わせていないので、いつも使っているリード型の電解コンデンサーを寝かして取り付けます。

 

こんな感じで取り付けます。

 

あとは、逆手順で組み戻して、完了。

 

交換するときに注意が必要なのは、チップ型の電解コンデンサーを取り外すときに無理やり取ろうとすると、簡単に基板のパターンが剥がれてしまいます。剥がれてしまったらアウトです。修正することは不可能ですので、残念ですが修理は諦めましょう。

 

無事再生することができました。

 

このプレーヤーは、ピックアップが不良になることは少ないので、BSLモーターさえ直れば、何事もなかったかのように俊敏に読み込み、サーチも俊敏で、正常に再生するようになります。

 

電解コンデンサーが弱いプレーヤーなので、時間があるときに他のコンデンサーも交換する予定です。