SONY  CDP-555ESD

1986年第2回FMfan ダイナミック大賞に選ばれたCDプレーヤー。
過去に6台くらい修理したでしょうか。
今でも人気のあるプレーヤーの一つです。



内部レイアウトT


背面に突出したトランスが印象的ですが、この時代、トランスの電気的な影響を排除するために、背面に外付けする仕様がハイエイド機を中心に流行ってました。
パイオニアのPD-3000やデノンのDCD-3500GLなどがあります。


ジブラルタルシャーシT

そして、このプレーヤーの売りは、後にも先にもこのモデルのみに使用されたGシャーシ。
上記の写真がGシャーシですが、とにかく重い!!

制震性を追求したあまり、とにかく重いシャーシで支えよう!!という、
まあある意味単純は発想ですが、採算を度外視して作ったモデルだけに
さすがのソニーもやばいと思ったのでしょう、この後継機種であるCDP-557ESDから
このGシャーシは使わなくなりました。

なので、今となっては伝説的なCDプレーヤーとして、今でも人気があります。
完動品であれば、ヤフオクでも3万円以上で取引されています。
まだまだ、マニアがたくさんいる証拠です。

サウンド的には、90年代のカチッとしたソニーサウンドとは真逆のアナログチックなソフトな印象の音を奏でています。まあ、マルチビット時代なのでそうなのかもしれませんが、アナログを聴いていた私にとっては、とても聴きやすい音なので、大好きなプレーヤーの一つですね。

このモデルは、チャッキングアームを駆動しているギアとトレイを開閉しているプーリーのグリスが固着してしまい、トレイが開閉しなくなるという持病があります。

ヤフオクのジャンク品は大抵これが原因になっています。

グリスの固着を除去する方法は、ググればたくさん出てきますので、素人でも簡単にできます。それに伴って、トレイを駆動しているベルト2本が劣化しているので、ついでにベルトも新品に交換すると完璧ですね。

この時代は、とにかくばかっ早いトレイの開閉を売りにしていたので、グリスとベルトを整備するとめちゃくちゃ俊敏に開閉するようになります。

あとはまれにCDを認識しないという症状のものもありますが、大抵は基板上にある2個の半固定抵抗のうち、右側の半固定抵抗を時計回りに2~30度回転させると、認識するようになります。コンデンサーが劣化しているので、サーボが狂ってしまうのは致し方ないですね。

ジャンク品で気を付けなければいけないのは、ピックアップのレーザー出力を弄っているのがたまにあるので、それをやられているジャンク品は、ピックアップが壊れている可能性があります。それに当たったら残念ですが諦めるしかありません。

最近は、ジャンク品でも2万近くで取引されているので、なかなか手が出ないですね。私がジャンク品を落札していた数年前は、7~8000円くらいでしたので、最近のバブルぶりはどうしたのでしょうという感じですね。