「女中がいた昭和」読んでみた。
昭和時代前期(第二次大戦前)まで、女中は女性の一大職業だった。
とくに裕福でない家庭でも、住み込みの女中がいることは珍しいことではなかった。
人材斡旋会社・役所・知り合いのツテなどを通して、「家計を助けるため」「口へらし」といった切羽詰まった理由がなくても、花嫁修業として、多くの女性が他人の家庭に住み込みで働いた。
早朝~就寝時まで洗濯、そうじ、炊事、子守などをこなした。
戦後、電気化による家事労働の軽減、女性の学歴の向上や職業の選択肢が増えたことにより女中志望者は激減し、1965年以降、女中はほぼいなくなった。
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現代女性は一日中家事にしばられることもないし、学ぶ機会やさまざまな職業選択の自由もある。
でも、必ずしも現代女性が昔の「女中」さん達より幸せと決めつけられない、と思う。
現代女性は自由な選択肢が多いからこそ、プレッシャーを感じてあせったり悩むことも多い。
勉強しなきゃ。
よい仕事につかなきゃ。
よい恋愛しなきゃ。
よい結婚しなきゃ。
子ども産まなきゃ。
いつまでも女性としてきれいで輝いてなくちゃ(美魔女的な(笑))。
それはマスコミや商業主義に洗脳された実現不能な女性のイメージだったり。
SNSで虚飾されたイメージを比較しあってあせったり。
虚構に踊らされることも多いと思う。
昔は、職業選択肢は少なかったり、若いころに決められた人と見合い結婚も多かったけれど、満ち足りた現実的な幸せを感じてた女性も多かったのかも。主婦も、家事・育児・介護をワンオペで担わなかった。
若い女性が他人の家で住み込みで働く不自由や問題点も多く、だからこそ女中志望者が激減したのだろうけど。
ほんの60年くらい前までは、「女中がいた昭和」の暮らしがあった。


