スイカちゃんに出会う前よりも
大魔王が生まれる前よりも
旦那と出会う前よりも
ずっと長く一緒に生きてきた爺さまクリン、15歳半。
昨年11月、腎不全の初期症状を指摘され、
現在、腎不全初期~中期に突入。
それから始まった不安と検索の嵐。
腎不全って何?
ステージって何?
血液検査の数値は?
クレアチニン?尿素窒素?
リン、カリウム、ナトリウム、タンパク制限?
ネフガード、カリナール…どれがいいの?
尿毒症の症状は?
末期はどうなる?
余命は?
そしてイラ立ち、不満。
「旦那、なんで今すぐ散歩に行ってくれないの?」
(我が家の犬たちは室内でトイレしないので台風の日も極寒の日も毎日3回散歩しなければならないのです。)
「クリン、なんで食べてくれないの?
あれもダメ、これもダメ、安くない療法食にどれだけお金かかんのよ。」
「時間ないのに、寒いのに、早くオシッコしてよ。」
「時間のかかる朝晩のトイレと食事のために
以前より寝るのが1時間遅くなり、1時間早く起きなきゃいけないし。」
「息子、ママは忙しいんだから手をやかせないで。」
先週明け、
食欲が落ち、数日ぶりに夜中やっとまともな量を食べた!
と喜んだその翌日午後、全部嘔吐。
急きょ病院へ行くと、数値が先月の2倍以上悪化。
うろたえる私を見て獣医さんいわく、
「数値なんてほんの目安でしかありません。
こまめに数字を追いかけても
その時の調子によって上下するもんです。
検査結果の数字よりも大事なのは、
クリンちゃんが少しでも食べられるよう、楽になれるよう、
その都度必要なことをしてあげるだけですよ。」
3月6日、その日から週3日の皮下輸液が始まりました。
私の誕生日でした。
診察が終わり会計待ちに旦那が
「すごい誕生日やな。」
「そやな。」と答えながら、
腎不全について検索しまくっていた自分の姿、
イラ立ちを家族に向けていた自分の姿、
ご飯の準備し始めたら食べたくて近寄るのに
お皿を匂うと顔を反らせ、ベッドに戻るクリンの後ろ姿、
寒い中、トボトボ後ろからついて歩いてオシッコする姿、
散歩から帰って震えるクリンを毛布でくるんで温める旦那の姿、
ここ数カ月のことが一瞬で客観的にフラッシュバックして、
老犬だから残された寿命を覚悟していたはずやったのに、
実は全然受け入れられていなかったんだ、
と気づきました。
猫好きさんなら良く知っている腎不全。
我が家の3ニャンの中でも一番危険性があるのはスイカちゃん。
クリンは、1~2年前から胆泥症(肝臓)だったけど、それが回復した代わりに
腎不全になってしまったのも、何だか意味があるような気がします。
その日から、
早朝にセットしたアラームより前に目が覚めるようになり、
クリンのゆっくりペースで歩いて朝のオシッコができるようになりました。
寝る前のオシッコも、3時に起きてオシッコ連れて出る時も苦じゃない。
ご飯も食べられない時は、4種類、5種類たくさん試す。
試しても朝食べられなかったら、お昼、夕方、夜中に試せばいい。
毎日いろいろ準備しても食べずに捨てるフードが増えたけど無駄とは思わなくなった。
腎不全のおかげで、私の狭かった許容範囲が少し広がった。
もしかして、クリンからのプレゼント?
あと半年?1年?1年半生きられる?
できるだけ苦痛はやわらげてあげたいけど
無理やり手術して長生きさせようとは思わない。
ただ、限られた残りの時間を悔いのないように、
今まで以上に幸せだと感じて空の世界に戻ってくれたら十分。
それと、週末お昼寝できたら嬉しいかな。
あ~~~~~~~~~、今日も眠~~~い!!
でも不満はない。
お世話できる幸せを感じる。
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