前回のお話はこちら
私の周りの席は、
いつもお世話が必要な子ばかり座っていました。
席替えは、
先生が決めます。
片付けができない子。
教科書を机の上に出せない子。
だから、私は忙しかった。
後ろを向いて、声をかけたり、
教えてあげたりすることが多くなります。
「サンゴちゃん(私のこと)のように、するんだよ。」
先生は、そう言います。
だから、私は
いつもみんなのお手本にならなくてはいけないと
思っていました。
私の隣の席は、
空いていることがほとんどでした。
それは、特別支援教室から、お友達が座るからです。
実は、わたくし、
いつもクラスが一緒のお友達よりも、
特別支援教室から来てくれるヒロくんの方が好きでした。
というか、ホッとしていました。
ヒロくんは、お話をあまりしない子です。
優しい目でじっと見つめてくれる子でした。
ヒロくんといる時は、無理をしなくていい気がしました。
頑張ったり、いい子したりしなくてもいいような気持ちがしました。
手を繋いで、並んでいるだけで、
なぜだか、思いやりを受け取っているような感じがしたんです。
いい子でいることに、疲れていたのだと思います。
______続く。