記念すべきお料理一品目は
「ご飯の上手な炊き方」でした。
なかなか総菜十二ヶ月には行けません。
『ご飯は私たちの主食としてなくてはならないものですで、主婦として常に心掛けて、出来るだけ上手に炊く事を研究しなければなりません』
職業婦人という言葉が定着した時期とはいえ、既婚女性の主流は主婦の時代です。
いつも同じようなご飯を炊くための心掛けとして「従来しきたりの目分量、手加減をやめて計量主義により、お米と水の分量、火加減、むらし方などを規則正しく行うこと」と書かれています。
また、「この頃婦女界社代理部でお取次ぎをしている『合理器』」も紹介されていました。
柄の両端にバネと留め具が付いていて、釜の蓋が吹きこぼれで浮かないように上から抑え込むもののようです。
これで栄養が失われずに、ご飯の量が増えたり、燃料が半減すると謳っているのは正直どうかな…と思いますが、これで少しでも圧力がかかるのならアリかもしれません。
そういえば炊飯器も蓋がぴったりと閉まる仕様なので、炊飯器の祖と言えない事はない…けど、やっぱり言えないですかね。
お釜に対するお米の量は「八掛」…つまり一升(10合)炊きなら8合が最も良いそうです。
洗い方は、力を入れてゴシゴシと研ぐと米が砕けて、一番栄養のある「胚芽」がなくなってしまうので、ヌカ、搗粉、埃を洗い流す程度にしておくこと、とあります。
①水を十分に入れて軽くかき回し、静かに水を流す
②①を二度くらい繰り返す
③水を大量に入れて洗い流し、透明になるまで水を数回替える
④ザルに上げて水を切る
…意外と現在と同じでびっくりしました。
搗粉(つきこ)は、精米の能率を上げるために使われていたもので、主原料は軽石だったようです。
水加減は2割増しが標準ですが、好みや米の品質、粒等の条件によって変わると書かれています。新米は干し方が足りないから水分は控えめにするのも、現代と同じです。
お米を釜に入れたらしゃもじでお釜の底から2~3回かき混ぜてから慣らして、中央に穴が出来るように米をかき上げると書かれていました。
『中央に凹を作るのは真ん中が熱を受ける事が少ないので、熱の回りをよくするため』だそうです。
家のご飯は金属の鍋で炊いているので試してみましたが、2合程度で凹はできませんでした。
炊き方は、どんな燃料でも火の回りが片寄らないように注意する事と書かれています。
①沸騰するまでは強火で一気に炊き上げる。火が弱いと水っぽくなる
②沸騰したら火力を弱めて『おネバ』をこぼさないように注意する
③蒸らす時に蓋を取ると熱が発散して出来が悪くなるから決して取らない事
「おネバ」の破壊力がすごい…。
無精者の私はは掃除が厄介だから吹きこぼれないように気をつけていますが(そして失敗しています)、本書では栄養価値が高い重湯をこぼしてしまったご飯は、栄養分を捨てた残りカスも同然と書かれていました。
…気を付けなきゃ…耳が痛いです。
この後、水炊き法、湯炊き法の紹介、玄米飯、半搗米飯、麦飯、重湯、玄米重湯、粥と、バラエティに富んだご飯の炊き方が続きます。
この辺りは水加減と時間の説明なので、割愛します。
総菜料理までの道は、まだまだ遠いです。