リフォーム工事業者の正しい選び方 | 水道屋パパのブログ

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和歌山市で株式会社近畿住設という小さな水道屋を経営しており、二人の子供のパパとして子育てにも奮闘中です!
パパとしての日常の出来事や、水道屋としての仕事での出来事など色々綴っています。

6月に入り梅雨入りも間近、ジメジメの嫌な季節になりましたね。雨

梅雨といえば、雨漏りのご相談が増えるのも丁度この季節です。

皆様、対策は十分ですか?

 

雨漏り修理を含め、ご自宅をリフォームされる場合の業者選びは非常に重要です。

今日は「リフォーム工事業者の正しい選び方」についてお話したいと思います。ニコニコ

 

Point1.リフォーム工事は「商品ではなく、作品である。」

 ◆リフォーム工事業者を正しく選ぶ前に、「リフォーム工事とは一体何か?」という事について考える必要があります。

 昨今、インターネットの普及や規制緩和等により、何でもインターネットで商品が買える時代になりました。
ごく最近では「リフォーム工事」までもがあたかも商品の様にネットで売られていますが、果たして本当にそれで良いのでしょうか?

 便器や水栓類、給湯器、照明器具等「形のある物」は商品として売られるのは理解できますが、「リフォーム工事」というのは決して「形のある物ではない」のにそれをあたかも商品の様に売買する事に関しては、非常に疑問が残ります。

 リフォーム工事というのは、これから造り出すもので、完成してこそ初めて形を成すものであって、また世界で二つとない「唯一無二の作品」ですので、それがネットで商品として簡単に手に入ると思うのは大きな勘違いだと思います。

 

Point2.見積り金額よりも、どの様な作品を造るかが大事

 例えば、あなたが二人の画家に「木の絵を描いて欲しい」と見積もりを依頼したとします。
 すると、画家Aは「1万円で描きます」
 画家Bは「10万円掛かる」と見積書を持って来ました。

 何故その様な事が起こるのでしょうか?

 画家Aは、あなたから「木の絵を描いて欲しい」と頼まれただけなので、単に鉛筆書きで木の絵を描くつもりでした。
 画家Bは、あなたから「木の絵を描いて欲しい」と頼まれた時点で、額の大きさや、視点、筆の種類等・・・事細かくあなたの希望を聞いていました。 なので、二人の画家の見積金額には大きな差が出ました。

  もし、あなたがその違いを確かめずに、画家Aと契約し仕事を依頼したとします。 当然、出来上がった絵は「鉛筆書きの木の絵」です。
 その鉛筆書きの絵があなたの理想と食い違っていても、画家Aはあなたからの依頼を忠実に守っていますので、当然対価を支払う必要があります。

 どうですか?結局不満しか残りませんよね?

 リフォーム工事もそれと全く同じなのです。

 例えば「和式のトイレを洋式のトイレにリフォームして欲しい」とあなたが依頼します。
  絵の場合ですと、依頼する方も一般的な知識として「額の大きさや、視点、イメージ、筆の種類等・・・」こちらから細かく要望を出すことができますが、建築工事となるとそうはいきません。

 ある程度要望は出せますが、現況に応じた工法、工種、仕上げ。予算に応じた工法、工種、仕上げ。お施主様の家族構成や身体状況等に応じた工法、工種、仕上げ等・・・全てを考慮して、ベストなプランを見つけ出す必要があります。

 そのベストなプランをお施主様が見つけ出すのは不可能なので、施工者側のプロがアドバイスまたはご提案する必要があります。

 もし、その施工者側が「画家A」の様な業者ならどうでしょう? 

  見積金額は確かに安いかも知れませんが、完成後の仕上がりは不満しか残りません。
 絵の場合は描き直してもらうこともできますが、建築工事の場合はそういう訳にはいきません。

 重要なのは「見積金額ではなく、どういう作品を造ってくれるかが大事」なのです。

 

Point3.見積り金額だけで判断できる?

 先程の話の続きですが、例えば画家Aと画家Bの違いでしたら、両極端の二人で金額も大幅に違うので、単に見積金額だけを比べて「画家Aは安いけど本当に大丈夫?」と、そこで間違いに気づく可能性がありますが、その他に画家Cや画家Dにも見積りをとって、提出された見積金額が拮抗している場合、単に見積り金額だけでは判断が付かなくなります。

 実際にリフォーム工事を依頼する際に悩むとすれば、そうした拮抗した状況で悩む事が多いと思います。

 結論から申し上げますと、
 「見積り金額だけで業者選びをするのは不可能です。」

 なぜなら、見積り書に書かれている内容というのは、単に工事全体の概要の部分のみを明細として表現しているに過ぎず、金額が拮抗しているという事は、おそらく明細自体にもほとんど差がないと思われるからです。
 結果、業者を絞り出す為には、「それ以外の差を見つけ出す」必要があります。
 

Point4.それ以外の差はどこにある?

①施工体制の違いによる施工品質を予測する
 実際の施工品質は、工事を依頼して工事が完成しないと判断出来ませんが、施工体制の違いによって、事前にある程度予測する事は可能です。

 業者間で最も大きな差が出るとすれば、施工体制が「各専門職の単能工による施工」となるのか、「多能工による一括施工」となるのかで大きく異なってきます。

 「各専門職の単能工による施工」とは、「大工工事は大工職人、水道工事は配管工、電気工事は電気工事士、内装工事は内装職人、左官工事は左官職人・・・等」各それぞれ専門職の職人達による施工の事を言います。

 「多能工による一括施工」とは、例えば元々は大工職人で、その大工職人が配管工事や電気工事、内装工事、左官工事等・・・」全て一括、または一部一括にて施工する事を言います。


 この時点で施工品質を予測すると、当然「各専門職の単能工による施工体制の方がより品質が高い事が予測されます。」(あくまでも予測です。専門職でも下手な職人ばかりだと意味が無いですからね・・・。)


②スピードの違い
 スピードとは、例えば見積もり段階の今に至るまでの対応の速さであったり、回答を求めた時の返答のスピードであったり、工事が着工できるまでの期間であったり、工期の長さ等を指します。

 対応や返答が早いという事は、それだけ「誠意がある」という事にも繋がりますし、「組織力がある」という事にも繋がります。

 工期の長さで言うと、品質という意味では一抹の不安が残りますが「多能工による一括施工の方がより工期を短くできる」事が考えられますので、工期の長さを重視される方は、「多能工による一括施工体制」が業者選びの重要採択事項となります。


③安心の違い
 安心とは、例えば「建設業の許可を保有しているか?」とか、「工事中の万が一の対人対物事故への備えがあるか?」とか、「リフォーム工事瑕疵担保責任保険の登録事業者であるか?」とか、「アフターサービスへの対応や体制はどうか?」等の事を指します。

 これらの情報は直接業者に問い合わせるか、業者のホームページ等でチェックする事ができると思いますので、必ずチェックする様にしましょう。

 但し、上記の様な備えを維持する為には当然それなりの経費(利益)が必要になりますので、備えが無い業者に比べるとその分見積金額が高くなると思いますが、安心を重視するのであればやむを得ません。

 

 

 

まとめ

 ここまで色々リフォーム工事業者の選び方について解説してきましたが、私が一番重視しなければならないと思っている点は実は、「提案力」でもなく、「見積り金額」でもなく、「技術力」、「スピード」、「安心」でもありません。

一番重要なのは「心」だと思っています。

 リフォーム工事というのは、新築工事の様に単に「住み家を持ちたい」という単純な動機ではなく、お施主様の様々な複雑な事情が動機になっております。

 その動機はそれぞれのご家庭において様々で、単に「トイレのリフォーム」、「キッチンのリフォーム」「お風呂のリフォーム」・・・等という言葉でひとまとめにする事はできません。

 ご提案の際には、そのお施主様の悩みや複雑な事情をきっちり汲み取って、ご提案する必要がありますし、汲み取るためには言葉だけのやり取りでは不十分で、お施主様と「心を通わさなければ、きっちり汲み取る事ができません。」

 また、工事が始まってからも、リフォーム工事は新築工事とは違い、お施主様が生活をされている中で工事を進めなくてはなりません。
その為、工事中の音や埃に対する養生は勿論の事、お施主様のプライバシーが侵害される様な事があってはなりませんし、工事中でも極力お施主様にご不便をお掛けせずに、普段通りの生活が送れる様に配慮する必要があります。

 技術的な事に関してもそうです。
 現場で不測の事態が発生したり、打ち合わせでは「~する」となっていても、工事を進めていく中で「こうした方が後々良いのではないか?」「こうした方が安心ではないか?」「こうした方がお施主様が喜ぶのではないか?」と、「常にお施主様の事を思いやりながら工事を進めていくことが肝心です。」

こういう「心遣いや、気配り、思いやり」がリフォーム工事にとって一番重要だと考えます。
 

いかがでしたか?

まぁ、これはあくまでも私個人の意見ですが、ご参考になれば幸いです。ニコニコ