こんにちは!館ぴろしきです。

今回は、先週見た映画について話していこうと思います。

その映画とは〜〜〜、

ジャン!


CURE
基本情報はこんな感じ↓
監督・脚本 黒沢清
出演 役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈、桐口依子、戸田昌宏、春木みさよ、でんでん、蛍雪次朗、大鷹明良、大杉漣、河東燈士

あらすじはこんな感じ↓
東京近郊にて、娼婦が胸部をX字状に切りつけられて惨殺される事件が起こり、刑事・高部(役所広司)は容疑者を逮捕する。しかし容疑者の男は、明確な動機を持っていなかった。実はここ最近、同様に胸元をX字に切りつけて殺害するという事件が多発しており、その容疑者たちは揃って明確な動機を持っていなかったのだ。理由なき殺人の奇妙な連鎖に、高部は不審感を抱く。一方、千葉県沿岸地域を彷徨っていた記憶喪失の男・間宮(萩原聖人)は地元に住む小学校教師の男に助けられる。

予告編はこちらからご覧いただけます
https://youtu.be/vnP71l5vSSY?si=nbsNOr-nOBjDKy7g

本作の監督、脚本を担当している黒沢清監督は、『回路』でカンヌ国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を、『スパイの妻』でヴェネチア国際映画祭の銀獅子賞を受賞するなど様々な実績を持つ実力派。映画ファンなら誰でも一度は作品を観たことがあるのではないでしょうか。
私はですね、黒沢清作品を観るのは本作が初なんです。一体どんな作品なんだろう?とドキドキしながらの鑑賞だったのですが……

結論。

怖過ぎます!!

とにかく怖い作品でした。それ以外に言葉が見つからないくらいです。
いや、別に怖いと言っても、いわゆる「ホラー的な怖さ」ではなくて。
突然大きな音が!とか、殺人鬼が襲いかかってくる!とか、そういう即物的な恐怖じゃないんですよ。もっと根源的で、抽象的で……
なんていうのかな、こう、普段は他人からも自分からも見えていないような人間の奥深い部分、そこを無理やりこじ開けて掌握される、みたいな怖さ。誰もがみんな深層心理に抱えているものが浮かび上がってくるような怖さ。とでもいいますか……ウーン、説明が難しいんですけども。
んでもって、どれくらい怖いかというと。
この映画には数々の印象的な場面があるのですが、たとえば「ライターで火をつける」「水滴がポタポタと音を立てて滴る」「洗濯機が大きな音を立てて稼働する」という非常に日常的な、何気ない動作が、そういう場面の至る所に結びついていて。その行為が、この作品では恐怖の入り口になってるんですよ。
で。
私は鑑賞後、食事を作るために水を軽量カップに注いでたんです。そして、ウッカリそれをこぼしてしまったんですね。
その瞬間!!  映画のワンシーンが脳裏をよぎり、すごい恐怖感を抱いたんです!! 
たとえるなら、内臓に保冷剤をあてがわれたような、心臓がキュッてなるような恐怖。それが背筋を這い上がってくるような感覚に襲われたんです。
鑑賞後1週間は、これと似たような現象に襲われました。ほんとに怖かった。洗濯機の音が家のどこかから聞こえてくるだけで怖い、風が吹いて低く唸るように響くだけで怖い、クリーニング店に干されている衣服を見るだけで怖い、レストランでウェイトレスさんが傍らを横切るだけで怖い。
未鑑賞の人は「何言ってんだコイツ 」みたいに思われるかもしれないんですけど、たぶん鑑賞した人ならわかってくれるはず。
つまり、恐怖が映画内で完結してくれないんですよね。ただのホラー映画の場合、映画が終ってしまえばどんな怖いシーンがあっても結局そこまでで、「あー、怖かった」で済むと思うんですよ。
でもこの作品は違う。観たあとも、その恐怖感が現実に持ち越されていつまでもいつまでもついてくる。
引きずり込まれそうになる。
というかそもそも、この作品はホラー映画というわけでもないんですよ。どちらかというと、ミステリーとか、サスペンスとかの方がジャンルとしては合ってる。でも怖いんです。
さて、ここまで散々怖い怖い言ってきたワケですが、怖いだけじゃなくて面白い作品なので、興味のある方は是非、ご鑑賞ください!
では、またね!