糖尿病と言われたら、どうやって受け入れましたか?
インスリン注射、いやじゃなかったですが?
今になって、今まで関わった患者様とお話ししたい気持ちです。
私は糖尿病の教育入院を内科で担当したことがあります。
毎日日替わりでスタッフが担当するのですが、看護師歴一年の新人の私もやりました。
もちろん勉強して、ですけど。
だからこそ糖尿病の怖さは知ってます。
神経症、網膜症、腎症…。
指の壊死、失明、透析…。
糖尿病のその行く先を現実に看ましたから。

私が糖尿病を受け入れたのは諦めと納得です。
仕方ない…もうこれに尽きます。
私は結構食生活が乱れてたんです、今まで。
好き勝手に好きなものを好きな時に食べて来ました。
でも40歳になって、病気が発覚して。
自分はいつまでも健康ではいられないとやっと気付きました。
こんな乱れた食生活とBMI25オーバーの身体では、将来脳梗塞などの病気もあり得ます。
現実に脂質代謝異常で検査に引っかかっているし、脂肪肝なんですから。
だから、これは警告だと思いました。
このまま行けば取り返しのつかない病気になるから節制した生活を送りなさいと。
私は病気を持っていても、せめて75歳までは健康的に生きたい!
子供が成人して、自分の子供が困った時に孫を預かれるように。
私の母がしてくれたように、子供が困った時には助けたい。
切に思います。
だから、一病息災。
あと35年は頑張ります。

でも実際、インスリン注射は苦痛です。
血糖測定は針刺す時に痛い!
インスリン注射も刺す部位が痛点だと痛い!
インスリンや測定器の持ち運びも面倒!
欠点ばかり多い糖尿病生活ですが、利点も多いので受け入れられるわけです。
一つは、血糖値を図れるから自分が何をどのくらい食べたらどれだけ血糖値が上がるか数値化できるのが一つ。
そして、いい血糖値だとテストで高得点取った時のような達成感。
今まで買い物も車で行ってしまっていたんですが、今では血糖値が下がるから往復一時間の道を歩いて行くようになりました。
インスリンの利点は、打てば血糖値が下がること。
打たなければ多分平気で200台とか超えるだろう血糖値は、大体110前後で落ち着いてます。
食べ放題だってたまには行けます。
ケーキだってチョコレートだって食後のデザートとして食べられます。
炭水化物や糖質のほとんど無いものなら、間食として少し食べても大丈夫グッド!
私の場合はこの利点があるから、糖尿病のコントロールを頑張ろう、と思えるんです。
やらなければ転げ落ちるだけ。
でも支えてくれものが、医療の発展した現在では沢山あります。
また、医療はこれからもものすごい勢いで進歩していきます。
針を刺すことがなく、糖尿病インスリン治療ができるようになる事を祈るばかりです。

私は漠然と、手術前から膵臓を切除することにより、糖尿病になるかもな…と予感がありました。
漠然とした予感が現実になって来たのは、術後数日後。
術直後から血糖値は高くて時間ごとに血糖測定をしてインスリンを打っていたのですが、術後というのは身体侵襲が大きくて、しかも膵臓切除したので上がることは覚悟していたので仕方ないと思ってました。
けれど、日数が経過しても思うように血糖値は下がりませんでした。
食事が始まったら、さらに血糖は上昇し、スケール対応といって血糖の値によりインスリンの注射の量を決めていたのですが、それがほぼ引っかかる。
インスリンを打たないのは前の食事前にインスリンを打った時のみで、打ってないと平気で300代まで上昇してました。
数口しか食べていないのに関わらず。
そして術後一週間半位で糖尿病内科へ依頼が行き、検査が入れられました。
24時間蓄尿と採血。
蓄尿は文字通り、24時間尿を貯めます。
これでわかるのはインスリンが一日でどのくらい出てるのか。
インスリン注射の影響を受けないので、自己分泌がどのくらいあるのか知れます。
採血は朝一番の空腹時のインスリン量。
結果を言いますと、私の場合、インスリン分泌は保たれていたんですが、恐らく肥満もありインスリンの効きが悪かったのではないかな、と思われます。
元々なりやすいベースはあったんです。
肥満ですし、妊娠糖尿病疑いでしたし。
そしてスケール対応➡︎インスリン自己注射開始となりました。
食直前に定時打ち。
正直かなりのショックを受けました。
だって、手術を受けたら、元の生活に戻れると思っていたんですから。
予感はあくまでも予感で、かなり楽観視してたんです。
いつか血糖は落ち着くはず。
まだ術後日が浅いし。
自分の中で抵抗を続けていました。
でも、炎症反応など術後採血結果が落ち着いて来ても、血糖は下がりませんでした。
病院食を半分程しか食べてないのに関わらず…。
結果、二度目の受診で、正式に糖尿病が告知されました。
先生が遠慮がちに 糖尿病です と告げたあの瞬間は忘れられません。
糖尿病は一度診断を受けたら、改善しても完治はありません。
一生糖尿病です。
先生曰く、膵尾部にインスリンを出す細胞が多く存在するけれど、そこを切除したので分泌が低下したこと。
5人に1人くらいは半年くらいで症状が改善する場合もあること。
もう少し術後の値が落ち着く頃には血糖値はもう少し下がること。
それを教えてくれました。
失意と共に希望も与えてくれたのは感謝しています。
そして私は地元の糖尿病内科への紹介状をもらって退院となりました。

3回目の内科受診は、生検の結果と今後の転科についての確認、みたいな感じでした。

本来の診察日ではなく臨時の診察だったので、別の科の診察室へ移動してお話をしました。

生検の結果はすでに出ているので、この日にやっと正確な診断名がわかります。

腫瘍が見つかった一週間くらいはお腹の中に何か恐ろしいものがある、と怖かったのですが、二週間もたつとなんとなく自分の中の一部として受け入れられます。

誰にも今まで知られずに私のお腹の中で成長してきた腫瘍。

私の体は腫瘍が五センチにもなるのにどこにも転移しないでいてくれた。

自分の体に本当に感謝して、結果を受け入れようと思いました。

私の中で今一番怖いのは手術ができないこと。

手術で腫瘍をとれなければ先が見えません。

色々不安を抱えた状態で先生と対面しました。

椅子に座って一番最初に告げられたのは、生検の結果がでました、ということでした。

そこで告げられた病名は膵SPN。

 

あ、やっぱり?

 

私の密かなる予想は当たってたのです。

NETが悪いわけではないのですが、膵SPNは低悪性度腫瘍ということで、私の中ではこっちの病気の方がよかったんです、なぜか。

私の結果は良性で、進行も非常にゆっくり大きくなる性質の腫瘍。

生検といっても一部しかとっていないので、もしかしたら悪性の部分もあるかもしれませんが、と前置きされたうえで、今後の話に移りました。

内科の先生から、他の病院に転院しますか?と確認がありました。
こちらとしてはこの病院にお世話になろうと思っていたので、正直かなり動揺しました。
この病院は膵頭十二指腸切除できない?!…と。
近くに市大もありますし、がんセンターへの転院希望あれば紹介状書きますよと言われました。
 
「あの、この病院は正直PD(膵頭十二指腸切除術)経験は少ないんですか」
 
と、馬鹿正直に聞いてみたところ、先生曰く、大学病院などに比べ技術が劣ってるという事はないし、部長が執刀するだろうけれど、人数がそちらに比べるとすくないから、時間が大学病院に比べたら数時間多くかかるだろうとのことでした。
人によっては大学病院などの手術を希望する場合もあるために、念のための確認をしただけだったようです。
また、先生は私が看護師という事を最初に伝えましたので、あなたも知ってるだろうけど、大学病院も言い方は悪いけど全ての先生が手術が上手い、という訳ではないでしょう?
どの先生に当たるかはわからないし、転院したら手術まで時間がかかる。
あなたの腫瘍は大きいし、それを抱えたまま手術の日程が伸びるのは負担になりませんか?とおっしゃってくれました。
もともと手術予定で、内科の先生は手術ありきで動いてくれていたので、この病院では12月には手術できる予定でした。
転院はPDなら、手術件数の多い病院で行った方がより安全ではあるので少し迷いましたが、私の運を信じて、外科もこの病院にお世話になる事に決めました。
 
外科はそれから一週間後、初めての受診でした。
病室に入ってみた先生は40代くらいの清潔感あふれる先生で、眼鏡を掛けて、フレグランスの香り漂うお方でした。
先生は紙に絵を描いて、腫瘍と血管の位置関係を丁寧に説明してくれました。
私の腫瘍は門脈と脾動脈に接しているうえに、門脈が少し潰れてるから、血管を巻き込んだり癒着が酷い場合は手術ができるのか外科の先生でないとわからない、と内科の先生から事前に伝えられてました。
でしたので、手術ができることや、腫瘍は膵頭部に限りなく近い膵体部なので、もしかしたら膵体尾部切除術ができるかもしれないと言われた時、また一つ前進した、と感じました。
そして腫瘍が血管と癒着などしてなければ、脾臓も残せます、と。
手術の侵襲の大きさは膵体尾部切除術のほうが少ないので、できるならそちらの方がいいです。
ただ、こちらの場合膵臓の半分以上切除するので、糖尿病のリスクは高くなるだろうな、と感じてました。
そして、なんとなく予感があったんですよね。
私は多分糖尿病になるんじゃないか、と。
 
手術の予定は娘の誕生日当日までギリギリ伸ばしてもらいました。
入院は早くて二週間、長くて一月と言われていましたので、年末にがっつりかかるのは避けたかったんです。
 
こうして12月に手術の予定が組まれました。
また、脾臓を取ったとき、肺炎球菌にかかると重篤化する可能性もある為、肺炎球菌の予防接種を受けました。
ちなみにこの注射は脾臓を取った場合、五年に一度打つ必要があるそうです。
 
 
この後は特に何もなかったので、次回は手術の為の入院の事を書きます。