2日目、東京駅で
前日に会った恋愛コーチがひどすぎて、不倫についてすごくいろいろ言われて、気分が悪くなった。でも自分の心の内を感じてみたとき、、まったく不倫を悪いと思っていない自分がいた。今まで不倫なんて興味がなく、旦那さん一筋で、今でも旦那さんが大事な自分が、ここまでして会おうと思ったのだから、初対面の人に何を言われようと自分の行動を信頼したいと思った。既婚者マッチングアプリだったけど、本当に自分の直感だけを信じて選んだ。Dさんの写真だけが目に入ったし、メッセージのやりとりを続けたいと思った。恋愛コーチと話したおかげで、この出会いは私と旦那さんの今後の関係をよくするためにも自分のためにもとても重要なのだなと感じた。次の日もまた会って気持ちを確かめたいと思った。メッセージするか迷ったけど、軽い女と思われるかもと思ったけど、やっぱり話したい気持ちを抑えるのはやめようと、勇気を出して朝、今夜も会いませんか?とラインをした。すぐにいいよ!と返信が来て、なんていい人だ!とうれしかった。ちょっと下心があるのかな?と心配にもなったけど、自分の選択を信頼しようと思った。同期会でランチをしながら経営者の方の不倫の話になり、なんてタイミング!とドキドキする。でも私は旦那さんへの気持ちは本物だし、堂々としていようと思った。同期と話ながらもずっとDさんのことが頭から離れなかった。夜のパーティーは早めに抜けるかも!と同期に言ったら「デート?」と言われたので、わーバレてる?と焦ったけど「違うよ」と否定した。パーティーは立食で、大勢が苦手な私はすぐ疲れてしまった。パーティーには100人ぐらいいて、男性も多かった。何人か男性とも挨拶してお話ししたけど、いい人はいるけど、全然ときめかないなぁ~目に入ってくるオーラの人もいない。Dさんは話を聞いてくれる「優しい、いい人」なだけで終わらず、ときめいたのは何でだろう?と考える。相手が好意を見せてくれたから、ホレっぽい私はすぐコロッといってしまったのかもしれないとも思う。そういえば最近見返した冬のソナタで「好きになるのに理由はない」とユジンが言っていたなと思い出す。たぶん本当に理由なんかないのだと思う。嫌な相手なら、触れたら気持ち悪いから、今夜また確かめてみればいいやと思った。男性が今の私の人生において重要なテーマなので、パーティーにいる男性のことをじっと観察したけど、いい人、爽やかな人はいても「いいな」と思う人は(国境なき医師団の方は別)1人もいなかった。19時時過ぎに、出し物(ダンスと演劇)が始まってしまって、出るタイミングをどうしようと悩む。ステキな出し物だったけど、頭の中はいつ出られるかでいっぱいだった。8時少し前に、タイミングを見て同期に帰ると挨拶したら「どうして?」と不思議がられたけど、どうしても会いたいお客さんがいるので、と言ってさっさと会場を後にする。方向音痴の私は、グーグルマップを見ても、どこに丸ビルがあるのかさっぱり分からず、丸ビルを探すのにかなり苦労して、ああ、待たせちゃってるかも!と焦る。丸ビルに入るときに、ドキドキしながら「気持ちを確かめるために今日はハグまでする!」と決意する。4階のソファで待ってくれてたDさんを見て、自然と笑顔になった。早く話したい!と思う。カフェに入り「恋愛コーチ」の話をする。自分の気持ちをすべて言葉にしたとき、Dさんが「全部、言葉にしたね!」と言ったのが印象的だった。そんなふうに言ってくれた人は今までいなかったから、言語化する努力をしていて、言語化することが大変なことだと分かってる人なんだな、と驚くとともにうれしかった。そのとき、会ってまだ2日だけど、この人とならさらに深く分かり合えるかもと思った。10時ぐらいにカフェを出たとき少し名残惜しくて、上の夜景が見える会に行こうと誘われうれしかった。私は昨日みたいにさっそくくっつきたくなって、Dさんにくっついた。でもコートでもこもこだったので、少し薄着ならよかったかもと思った。Dさんは意外と積極的で、どこ触られたら嫌?と聞いてくるので、ちょっと反応に困ったけど、触りたいと思ってくれるのはうれしかった。筋肉を触って見る?と言われて、え?どうしようと思ったけど触って、その流れでハグをする。ハグをしてぎゅーっとしたとき何だか涙が出た。ああ、この人と「愛」とは何かを体験してみたいなと思った。ほっぺにチューしてみる?と、ほっぺにチューをする。嫌じゃない自分が不思議だった。勢いで唇にもキスをしちゃいそうだったけど、まだかなと思ってまた気持ちを抑えてしまった。帰りみち、駅の地下でまた本当に自然に腕を組みそうになっている自分に驚く。警戒心なさすぎ!私は一体どうしちゃったの??免疫がないせいか、心を許しすぎてしまったのか、と変化しすぎで、ビックリする。でも心をすぐ開けるのも私のいいところだし、止めるのはやめようと思った。その日は改札で別れ、秋葉原からタクシーに乗ってホテルへ帰る。ホテルで頑張って荷造りし、ベッドに入ったとき、このまま帰ったらすぐ忘れてしまうかも、今日キスまでちゃんとして、Dさんが私を忘れられないようにしておけばよかったと思いながら、眠りについた。