ありがとう、花さん♪ |  すぐすぐの実 -Ameba ver.-

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今日は初七日。

兄宅で飼っていた猫ちゃん。
アメリカンショートヘア―の美猫。
花千世ちゃんが天国へ旅立ってから七日が経ちました。

体調が悪くなってから、
一時は緊急入院をした花さん。
でも、原因がわからなくて、
ただただ呼吸器系の病気でした。

入院してからというもの、
日に日に弱っていって、
気力がなくなってしまった花さん。

お医者さんからも「今日が峠です」と宣告までされたのに、
それから頑張って、頑張って、
飼い主である兄夫妻にきちんとお別れする時間を作ってくれました。


そんな花さんに、
私は亡くなる五日前に会いました。

一目見るなり、顔がおかしかった。
朦朧としているというか、
心ここにあらずというか、
苦しそうに、
焦点が定まっていなくて、
虚ろな表情。

久しぶりに会ったのに、
猫の表情なんてどれも一緒と思っていたのに、
明らかに違った表情でした。


お医者さんに、
「このままいても衰弱するだけだから、
 家に帰った方がいいと思います」
と言われて、退院したのだけど、
花さんは病院で数日過ごしていた時に、
兄夫妻に会うと興奮するからという理由で会わせてもらえなくて、
そのせいで「捨てられたんだ…」と思い込んだようでした。

だから、あんなに大好きだったお嫁ちゃんに会っても、
名前を呼ばれても、
猜疑心の塊。
人間不信。


「捨てたのになんでなの…?」


そう思っているのが、
会った瞬間に強い衝撃で伝わってきました。


兄夫妻は会社勤めだったので、
その日は私がお留守番したのだけど、
その間に、何度も何度も丁寧に、
「みんな、花の事が大好きだよ。
 花の事が大切だよ。
 花と一緒に遊びたいって思ってるんだよ。
 愛してるよ」
と、根気よく心を伝えました。

するとようやくわかってくれたのか、
花さんはそれまで飲まず食わずだったのに、
呼吸すらしんどい小さな体で、
頑張って食事をしてくれました。

「生きよう」

そう思ってくれたのだと思います。

酸素濃度を高くした部屋の中から出られなかったけど、
花さんは何度も何度も、
休み休みご飯を食べてくれました。

名前を読んだら反応してくれるようになりました。
大好きなブラッシングをしてあげたら、
しきりに顔を寄せて、甘えてくれました。


「今も愛されている。変わらず愛されている」


そう思ってくれたようでした。

でも、日に日に弱くなる花さん。
体力がなさすぎて詳しい検査が出来ないまま。
そして、先週の土曜日。

連日の看病で疲れた兄夫妻は、
仮眠を取る事にしました。

その時、花さんに言ったのです。

「おはようって言わせてね」

そして仮眠し、起床。
兄夫妻は、花さんにご挨拶できました。

「おはよう」

何気ない約束だけど、
かけがえのない約束。

その約束を花さんはきちんと守ってくれました。
そして、挨拶してから5分も経たないうちに…旅立ったのでした。

最後の最後まで飼い主想いの猫ちゃんでした。
お嫁ちゃんの事が大好きで、
下の猫ちゃん達の面倒を見て、
下の猫ちゃん達からも慕われて、
兄夫妻の家族で、子供で、
かけがえのない存在で、
愛らし、そんな猫ちゃんでした。


亡くなって、葬儀に出される前の写真を見たら、
花さんはとても安らかでした。
すーっと眠るように、呼吸するように亡くなったようで、
あんなに苦しそうだったのに、
そんな想いは微塵にも感じさせない。
穏やかな顔をしていました。


「良かった。
 ちゃんと愛されていた。
 幸せだったな」


そんな気持ちが伝わるような顔でした。




HANACHIYO




猫の良さなんて知らなかった私に、
猫の可愛さを教えてくれた花さん。
ほわほわで、人懐っこくて、
アメショの美猫で、
食いしん坊で、
写真を撮らせてくれたし、
抱っこだってさせてくれた花さん。

今まで本当にありがとう♪
私も兄も、幽霊の気配を感じるから、
時々は天国から遊びに降りてきてね♪
またみんなで遊ぼうね。

その時は、大好きだったカリカリを用意しておくね♡