宮本佳美 初個展 | ”ピースの讃歌”

”ピースの讃歌”

毎日が写真展、世界はギャラリー!

このたび新宿高島屋では、 初個展となる宮本佳美 展 「Inheritance of life」 を開催いたしま

す。

2019年春、 スペイン・マドリードにある Marlborough ギャラリーを訪ねた宮本佳美氏は、

そこで目にしたリアリズム絵画の巨匠 アントニオ・ロペス・ガルシアの作品より想を得て、

命の輝きを表現するモチーフとして花を選びました。

帰国後はまず花を育てることから始めました。 そしてゼラニウムの花を描き見えてきたの

は、 「炎のような生命感やきらめく月のような光であった」と宮本氏は語ります。

花と向き合いながら描かれた、 不変的な生命の美を是非ご高覧賜りますようご案内申しあ

ます。

新宿高島屋美術画廊
2019年の春、私はマドリードにある Marlborough ギャラリーを訪ねた。

目的はアントニオ・ロペス・ガルシアの所蔵作品を見せてもらう事だった。

光を探求するうちに、色の情報を排除したモノトーンの絵を描いて来たが、目に飛び込んでくる花物の 中に私は何を見ているのか自問自答繰り返し、 あるいはカメラのレンズから読み取れる光や情報を表現する 中で、 私は一度写実的に描く意義を考えたいと思って

写実画を描く画家の中でも私はアントニオ・ロペス・ガルシアの作品にひかれた。 彼の絵の何にひかれて居 るのか知りたい。

自分の目で確かめたいと所蔵場所の一つである長崎県美術館や精通されている方から情報を得た末のマド

リード行きだった。

Marlborough ギャラリーでその時見ることができたのは、ロペスの若い頃の作品一点のみ。 女性が椅子に 腰掛けた様子を描いたその絵は写実的に描かれた印象は無い、 どこか物思いにふける印象を持つ絵で有った。

命の輝きを表現する場面で私は花を度々モチーフとして選んできた。 マドリードで恐らく最も多く見たゼ ラニウムの造形に心をひかれ、日本に戻り花を育てる所から制作を始めた。

鉢植えから伸びる花を描くのは初めてであった。 これまでは、モチーフとして生命を失った花に光をあて る事が出来る表現がしたくて、 押し花やプリザーブドフラワーを使用して来た。 それに反して、鉢植えの花 は日々形を変え大きくなり、花は咲いては枯れを繰り返し、作品につながるまでのフォルムとしてとらえる 事に困難を感じた。 しかし、 ゼラニウムを描いていて見えてきたのは立ち上がる炎の様な生命感やきらめく 月光りの様な光りであった。

現実を見つめながら意識はモチーフの花が持つ普遍的な生命をつないで来た歴史を想像している。 そして ロペスの何処か物思いにふける印象の女性の絵をしばし思い出している。

宮本 佳美

宮本佳美 (みやもと よしみ)

1981年福岡県生まれ

2008年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了

2014年第25回 五島記念文化賞美術新人賞

主な個展

2010年 「immortal plant」 イムラアートギャラリー(京都)

2014年 「Canon」 イムラアートギャラリー (東京)

2016年 「宮本佳美個展」 イムラアートギャラリー(京都)

2018年 「消滅からの形成」 ポーラアミュージアムアネックス (東京)

主なグループ展

2012年 「現代美術の展望 VOCA展 2012- 新しい平面の作家たち-」

上野の森美術館 東京)

2013年 「水彩画 みづゑの魅力ー明治から現代まで-」

平塚市美術館 神奈川

2017年 「ニッポンの写実 そっくりの魔力」

北海道立函館美術館 (北海道) 豊橋市美術博物館 (愛知)

奈良県立美術館奈良)

2019年 「教育景/NEW VIEW 日本を継ぐ現代アートのいま」

阪急うめだ本店 (大阪)

2020年 「数奇景 / NEW VIEW 日本を継ぐ現代アートのいま」

三菱地所アルティアム (福岡福岡三越 福岡) 日本橋三越本店 (東京)