インド発。あの007をパロディ化した"ダブル悪臭セブン"で男性向け制汗剤をPR | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

 

インド発。

あの007をパロディ化した"ダブル悪臭セブン"で

男性向け制汗剤をPR

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》●

 

 

 

 

 

 


読者の皆様、こんにちは。

 

 

 


" Old Spice "

 

" AXE "

 

 

 

これらはいずれも、アメリカでは定番のデオドラント(制汗剤)ブランドです。

 

 

AXEは日本のマーケットでも展開を始めていますので、店頭などでご覧になったという方、使ってみたという方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 

 

AXEは、世界中の男性を魅力的にするというブランド使命を負っているだけあって、どちらかというと素敵な香りで異性にアピールするというテイストの広告アプローチが多くみられます。

 

一方でOld Spiceはというと、筋肉ムキムキ男性の見るだけで暑苦しさを感じるハイテンションなCMシリーズでもおなじみですが、広告塔として登場する男性は" Old Spice Guy "と呼ばれとても人気(知名度)があります。

 

 

 


いずれにしても、なかなか際立ったクリエイティブで注目を集めるメンズデオドラント業界の広告ですが、新たにインドからそんなムーブメントに乗ったキャンペーンがお目見えしていますのでご紹介したいと思います。

 

 

 


今回、コミカル路線のコマーシャルでインドの男性に商品をPRしようと試みたのは、Old SpiceやAXEと並び、アメリカでもメンズデオドラント市場を牽引しているブランドのひとつである、

 

 


" NIVEA FOR MEN "

 

 

 

です。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from NIVEA NZ

 

 

 

 

今回NIVEA FOR MENがターゲットとしたインドでは、男性に体臭について関心を問うと、' Not my ploblem/僕の問題じゃないな 'という反応が主流なのだそうです。

 

そのため、このままでは市場に商品がなかなか受け入れられないことは火を見るより明らかだったのです。そこでインド人男性に、' Not for me/僕に向けてじゃない 'と思わせることなくブランドからの「体臭は重要な関心事だ」というメッセージを届けたいと、今回のキャンペーン" #CoveringUpFails "の実施とユニークなCM制作にたどり着いたのだそうです。

 

 

 

そして出来上がったCMというのがこちらです。

 

 

 

 

" Nivea Men #CoveringUpFails – An Epic Undercover Fail  "

 

 



https://youtu.be/KfUMuI-ZEOg
 

 

 

 


そう、一目瞭然。今回のCMでは、世界的に有名な" 007/Double-O-Seven "を題材にして、コミカルなアプローチを採用したのです。その名も、

 

 

 

" Double Odour Seven "

 

 

 

' Odour 'とは、英語で「悪臭」を意味します。

 

 

 


動画の中で、エージェントは犯罪者の'Don John'と二度顔を合わせています。一度目にエージェントに捕まった時に嗅いだ体臭が、二回目に変装して現れたエージェントの正体を見抜く決め手となったのです。そう、二度の悪臭で、ミッションは失敗に終わってしまったのですね。

 

 

 

 

 

今回の取り組みは、ユニークなアプローチと高い評価もある一方で、実際に商品のセールス増に結び付くか否かは懐疑的だとする見方もあるようです。

 

 

 


Picture:Screen shot from afaqs!

 

 

 

 

たとえば、商品の機能面での優位性・差別化のメッセージが十分に伝わらないというのです。

 

 


動画内ではエージェントがシャツの上からフレグランスを吹きかけていましたが、そうするだけでは体臭の元には何も対処できていません。ニベアのデオドラントの他フレグランスとの違いは、匂いの根本に働きかけて問題を解決するところにあるのです。

 

 

こうした商品の機能性は、動画終盤で正体を見破られたエージェントに、犯罪者が見破れた理由を説明しながらデオドラントスプレーを腋の下に吹きかける流れで表現されてはいますが、それまでのドタバタコメディの印象のほうが強すぎるため、メッセージが飲み込まれてしまっているとの指摘がでています。

 

 

 

 

コメディタッチでメンズデオドラントの商品PRを企んだNIVEA FOR MEN。

 

話題性はあったようですが、体臭というセンシティブな問題だけに、笑いとばしてしまってよいのか、皮肉っぽさとドタバタコメディの間で宙ぶらりんになってしまったようです。

 

 

 

 

 

 

※ニュースソース

 

※exchange 4 media
http://www.exchange4media.com/advertising/nivea-men-kicks-off-new-campaign-coveringupfails_66827.html

※Campaign India
http://www.campaignindia.in/video/nivea-men-says-coveringupfails-with-comic-double-o-seven-plot/431957

※afaqs!
http://www.afaqs.com/news/story/49490_Why-does-Agent-Double-Odour-Seven-fail

※MXM India
http://www.mxmindia.com/2016/11/digitaslbi-unveils-latest-campaign-for-nivea-men/

 

 

 

 

 

■編集後記■

 

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

 


制汗剤(デオドラント)は使用されていますか?

 

 

アメリカでは、もともと体臭の強い人も多いためか、デオドラントの需要はとても高く、スーパーやドラッグストアでもかなりのスペースをとって陳列されています。

 

 

特に、女性向けよりも男性向けのラインナップ、競争が激しいように感じます。

 

また、日本と異なる点としては、スプレータイプよりも地肌に塗るスティックタイプが主流です。

そして、香りがきつめのものが多いかなと。。。

 

 

 

日本に来た(住む)アメリカの人から、「日本のものでは役不足だ!本国のデオドラントが欲しい!」という声を聞いたりしたこともありましたが、AXEも進出しましたし今ではそんな事態も解消されたのでしょうかね。。。

 

 

 

 

 

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