米国発。ごみのポイ捨てをやめよう!シカゴを愛する若者や団体によるビーチのクリーンアップ大作戦 | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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■今号のスゴい★PR事例■

 


米国発。ごみのポイ捨てをやめよう!
シカゴを愛する若者や団体による
ビーチ&パークのクリーンアップ大作戦
|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》●

 



 
  



読者の皆様、こんにちは。

 


 

海水浴やハイキングに出かけたとき、心無い人によってポイ捨てされて放置されているごみを見てがっかりしたことはありませんか?


 

ごみ箱を設置してくれている公園や観光スポットもあれば、最近ではごみの持ち帰りをお願いしている場所も増えていますよね。


いずれの場合でも、出したごみは当人が責任をもって片付けるのが常識というものですが、なかなか思うように実現していないのもまた事実です。




 


 
Picture:Screeen shot from azfoo.net



 


"Please Do Not Litter (ごみを捨てないでください)"



と表記された看板を、アメリカでもフリーウェイ沿いや公園、ビーチなどいたるところで見かけますが、サインにどれだけの効果があるのかと感じてしまうこともあります。



 


さて今回は、こんな状況をどうにかしたい!と、今夏アメリカはイリノイ州シカゴのレイクフロントエリアで仕掛けられたある取り組みをご紹介したいと思います。



 

 
Picture:Screeen shot from Cicago Tribune



 

メモリアルデー後のシカゴビーチにごみが散乱した惨状を目の当たりにして、ある試みを企画・実行したのは、アメリカ第二の独立系広告代理店Cramer-Krasselt (C-K) でインターンシップをしていた4人の若者たちでした。

Cramer-Krasselt社は、Fred "Cody" Cramer氏とWilliam Krasselt氏が1898年にミルウォーキーで設立した広告代理店。その後本拠地をイリノイ州シカゴへと移し事業を拡大。米国内ではコロナビールやポルシェ、パネラブレッドのCMを担当していることで知られています。


 

シカゴのレイクフロントエリアの公園やビーチは、ホリデーイベントが開催された時や行楽のシーズンだけでなく、普段か利用者のごみのポイ捨て問題に悩まされています。

しかしその惨状がとりわけひどかったのが、今年のメモリアルデー。翌日には、大人数の清掃隊を派遣して散乱した空き缶、プラカップ、ペットボトルなどのごみを拾い集めなくてはならなかったほどのひどさで、ニュースでも報道されました。

 

 
Picture:Screeen shot from abc7



 


実は、こちらのエリアには普段からごみ箱が設置されているのです。それにも関わらず、人々はごみをごみ箱に捨てることなく、そこら中に散らかしたまま去っていってしまったようです。

 



 

そこで、どうすればごみのポイ捨てをやめてもらえるのか。またせっかく設置されているごみ箱を使ってもらえるようになり、シカゴのレイクフロントが美しい姿を取り戻せるのかと思案したインターンシップの4人の若者たち。

考えた結果、彼らが思いついたのがこちら。


 


 
Picture:Screeen shot from abc7



 

バスケットボールのゴールのバックボードを既存のごみ箱の背面にちょこんととり付けたこちら。



 

その狙いは、ごみをごみ箱に、あたかもダンクシュートやスリーポイントシュートをするように楽しんで捨ててもらえれば、より多くの人(特に若い世代)がごみ箱を利用してくれるだろうというものでした。


ボードの背面には、ごみをきちんと捨ててリサイクルすることで社会がどう変わるか、どんな貢献ができるのかを人々に伝える内容が記載されています。全部で12個用意されたバスケットボールのゴール仕様のごみ箱とともに、インターンシップの学生4人も実際にビーチへ赴き、実際に人々にシカゴのごみ問題について理解を求める語りかけも行ったのだそうです。

 




 

さて、シカゴのレイクフロントエリアで展開されているごみのポイ捨て撲滅の動きこれだけではありません。



Alliance for the Great Lakesという市民環境団体は、ちょっとユニークなたばこの吸い殻用ごみ箱を設置しています。それがこちら。


 

 


 
Picture:Screeen shot from Alliance for the Great Lakes Official Facebook Page

 


"Ballot Bins (もしくはVoting Ashtrays)"



 

「投票式ごみ箱(灰皿)」と呼ばれるこちらの灰皿は、もともとはイギリスロンドンのストリートからたばこの吸い殻のポイ捨てをなくそうと考え出されたもの。イギリスでは投票内容が、「世界で最も偉大なサッカープレーヤーは、ロナウドがメッシか?」というもので、世間の注目をかなり集めていたようです。


シカゴでも、写真のように「トイレットペーパーは上向き、下向き?」という問い、「ネッシーとビッグフット(どちらも未確認動物(怪獣・巨人))のどちらと戦うか?」という問いが書かれた投票できる灰皿などが設置されています。

 


集められた吸い殻は、パートナーシップを結ぶ大学にまずは送られ、その収集数を明らかにしたうえで、投票式灰皿の有効性を検証するのだそうです。その後は、施設に送られてリサイクルされることになっています。



 

 

 


※Cramer-Krasselt Official Website
http://c-k.com/

※Alliance for the Great Lakes Official Website
https://www.greatlakes.org/

 




 


※ニュースソース

※Cicago Tribune
http://www.chicagotribune.com/news/ct-north-avenue-beach-trash-cans-met-20160808-story.html

※Cramer-Krasselt Official Website News Release
http://c-k.com/news/anti-littering-campaign-aims-to-be-a-slam-dunk-at-chicago-beach/

※NAIJAKNOW
http://naijaknow.com/anti-littering-campaign-strives-to-be-a-slam-dunk-in-chicago-after-beach

※ecosphere
https://eecosphere.com/articles/chicago-is-using-voting-to-get-cigarette-butts-off-beaches/

 

 


 


■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。


 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。



 


ごみのポイ捨ては、日本でもアメリカでもなかなか解決しない問題ですよね。



 

ごみ箱を設置しておくことが(犯罪に使われて)危険だ、または家庭ごみを大量に捨てられてしまうという理由や、自分の出したごみは自分で処理するべきだという観点から、あえてごみ箱を設置しない場所や施設もあります。

そんな場合には余計に、まあ一つくらいいいかという軽い気持ちでごみを放置してしまうことも増えてしまうのでしょうか・・・。



 

 

ごみや吸い殻のポイ捨てだけでなく、公共交通機関の利用マナー、携帯電話の利用、車の運転や駐停車、列に並んだとき、混雑した場所での振る舞い、公共の場でのマナーや常識が問われる場面は多々あります。




 

今夏さまざまな場所へレジャーで出かける方も多いかと思います。

私自身も、出かけた先で、そして普段から、常識ある行動、マナーをわきまえた振る舞いを心がけたいと思います。



 

 

 

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