ドラッグクイーンが米フィラデルフィア市の観光客誘致CMの主役!?とんでもPR! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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■今号のスゴい★PR事例■

●ドラッグクイーンが市の観光客誘致CMの主役に!ゲイ(LGBT)フレンドリー都市フィラデルフィアの観光PRがスゴい!●


読者の皆様、こんにちは。


「フィラデルフィア」


と言えば、皆様何を思い浮かべますか?


北米有数の世界的ビッグ都市の一つでもあるフィラデルフィアは、アメリカ
北東部に位置するペンシルバニア州最大の都市です。

MLBの「フィラデルフィア・フィリーズ」や、NFLの「フィラデルフィア・
イーグルス」、NBAの「フィラデルフィア・セブンティシクサーズ」など、
各種プロスポーツチームの本拠地でもあります。

 

歴史的には、イギリスからのアメリカ独立戦争時、州議事堂(現在の独立記念館)
で大陸会議や独立宣言の起草が行われたり、1790年にアメリカ合衆国の首都が
ニューヨーク市からフィラデルフィアに移ってくると、新都となるワシントン
特別区の建設が一段落する1800年までの10年間合衆国連邦政府の首都だったり
と、重要な位置を占めていました。


 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com


 

著名な観光地として、「独立記念館」や「自由の鐘」があり、全米きっての
「Land Of The Free(自由の地)」を代表する都市でもあります。

 

そんな「自由」の都市、フィラデルフィアは、全米で、あるユニークな
観光戦略で注目を集めています。


「Get Your History Straight And Your Nightlife Gay」


という名前の、ゲイフレンドリー都市としてのフィラデルフィアPR
キャンペーンがスタートしたのは、なんと10年前の2003年のこと。


昨今、アメリカではいくつかの州が同性婚を合法化するなど、ゲイまたは
LGBTの人々に対する関心と理解が高まってきていますが、10年前というと
まだそれほどではなかっただろうと思います。


そんな折に、なんと「市の観光協会」が「ゲイの皆さん大歓迎!」と
大きくうたい、テレビコマーシャルも制作したのです。


※2003年のテレビコマーシャル
http://youtu.be/1WxTkIc7gVc


18世紀の紳士が、フィラデルフィアで意中の人との逢瀬を計画している
このCM。

その約束の場に現れたのは、素敵な夫人ではなく、かっこいい紳士という
筋立てです。

 

さて、当時こうした「ゲイフレンドリー」な観光客誘致のキャンペーンや
CMを行う自治体はなく、このCMはアメリカでも初の「市の観光協会」に
よる公式CMでした。

そんな画期的なCMとキャンペーンが10周年を迎えた今年。先日、10年の
歳月を経て、フィラデルフィアは新たな「ゲイフレンドリー」CMを世に
送り出し、再び話題になっています。


それが、こちら。


※2013年のテレビコマーシャル
http://youtu.be/LxLoYBMWu3o


今回のCMでは、世界的に有名なドラッグクイーン「Miss Richfield 1981」
を起用。

彼女(いや、彼?!)は、アメリカではTVショーや新聞、雑誌など各
メディアに登場する有名人なのです。



 
※Picture:Screenshot of Huffington Post


※Miss Richfield 1981のオフィシャルブログはこちら
http://missrichfield.wordpress.com/

 


今回、フィラデルフィア市の観光協会は、この10年間のゲイフレンドリーな
都市としてPRし続けてきた取り組みを祝い、この新しいCMを発表したのです。


ちなみに、こうした市(自治体)公式の観光客誘致のためのCMを、「ゲイ
フレンドリー」な観点で作成したのは、今回のものでたった3作目なの
だそうです。



さて、インターネット上では、いかにフィラデルフィアが「ゲイフレンドリー」
であるかを、「Visit Philly.com」という、観光協会のオフィシャルサイトで
面白く紹介してくれています。


※Visit Philly.Com
http://www.visitphilly.com/c/gay/



 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com

 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com


「Neighborhood」ならぬ「Gayborhood」と称して、「ゲイフレンドリー」な
飲食店やスポットを紹介するマップを提供したり、、、


 
 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com


 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com




様々なLGBTイベントの予定や、ナイトライフを楽しむ情報などが提供され、
メールでのニュースレターを受信することもできます。



ちなみに、来月10月11日は、


「National Coming Out Day」


という、アメリカのLGBTコミュニティにとっては大切な記念日。それを
祝い、フィラデルフィアでは、「Philadelphia Outfest」というイベント
が開催されますが、こちらは、アメリカで最も大きな同記念日に関連した
ストリートイベントなのだそうです。


 
※Picture:Screenshot of Visit Philly.com


※Philadelphia Outfest
http://www.phillypride.org/outfest.php


 


ところで、気になるのは、実際にどれだけの観光PR効果があったのかという
ところですよね。



「Community Marketing」による最近の「17th Annual Gay and Lesbian
Tourism調査」によると、フィラデルフィアは、ゲイの旅行者が訪れる
全米の都市ランキングのトップ10内にランクインしたのだそうです。


先述のキャンペーンをスタートさせた2003年以前は、トップ20にも
入れなかったというくらいですから、ここ10年間で着実に「フィラデルフィア」の
「ゲイフレンドリー」な都市としての地位は向上したようです。


 

 

※ニュースソース

※Reuters
http://www.reuters.com/article/2013/08/23/pa-gptmc-10yrsofgay-idUSnPNPH68482+1e0+PRN20130823


※Examiner
http://www.examiner.com/article/philadelphia-wants-to-remind-gay-travelers-they-are-welcome-to-visit


※Visit Philly.com
http://press.visitphilly.com/releases/philadelphia-marks-10-years-of-gay-marketing-with-new-tv-commercial#


※Huffington Post
http://www.huffingtonpost.com/jim-werner/gay-travel-advertising_b_3787694.html



 


■編集後記■

 
 メルマガ読者の皆様、こんにちは。スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。


  
  2020年、東京でのオリンピック開催が決定しましたね!!!


 私は、アメリカにおり、その熱狂ぶり、歓喜にあふれるお祭り騒ぎを体感
 はできなかったのですが、それでもやはり決定の知らせを聞いた時には、
 ちょっとぞくぞくしました。


 これからの準備期間、どのようにまた街が変貌していくのか、そして様々な
 企業やブランドによるキャンペーン、イベントなどが開催されるのかが楽し
 みです。
 


 さて、私事ですが、先日アメリカから日本へのフライトでいくつかの空港を
 通過しました。


 そんな中で素敵な空港だったのが、カナダのバンクーバー国際空港。


 開放的な光あふれる空間に、観葉植物(偽ですが)が配置され、清々しい
 雰囲気。

 また、簡単に接続できる無料wifiに、無料電源など、待ち時間も快適に
 過ごせました。



 アメリカで私がよく利用するノースカロライナ州のCharlotte(シャーロット)
 空港も白を基調にしたなかなかおしゃれな空港なのですが、それよりも
 一段と良かったです。


 逆にワシントンやサンフランシスコは、施設自体が古いということもある
 のでしょうが、なんとなく暗くてどんよりした雰囲気を感じるのですよね。

 
 ちなみに今回は、なんと乗り継ぎの1つ目の空港までしか受託手荷物が
 配送されないというとんでもないハプニング付きでした。


 飛行機2度乗り継いで到着したサンフランシスコ空港で、荷物を待てども
 待てども出てこない・・・。

 そして、乗客の皆さんは次々といなくなり。。。


 何せ、今回はそこからさらに、カナダ、成田と飛行しなくてはならず、また
 乗継時間も少ない中での、バッゲージクレームだったため、かなり焦り
 ました。


 しかし、さすが「適当」というか「おおざっぱ」なアメリカ(苦笑)。


 私以外の誰も乗客がいなくなったにもかかわらず、荷物が吐き出される
 ベルトコンベア上では、10以上もの荷物がいまだに引き取り手の無いまま
 まわっていました。


 ということは、全米のどこかの空港で、私と同じように荷物が行方不明に
 なって涙している人たちがたくさんいるということ。


 まあ、こんなもんなんだなあ、サービスのレベルは・・・と諦めと苦笑が
 もれました。

 


 日本は、サービスのクオリティ(とりわけ、スピードや正確さ)では世界に
 誇れるものがあるのではないでしょうか?


 こうした細やかなサービスや行き届いたケアは、2020年の東京オリンピック
 でも世界各国の選手、関係者、ツアー客を魅了することと思います。

 



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