Facebookファン442%増!ノルウェー在英大使館のソーシャルメディア活用のPR戦略とは? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴいPR事例■


「ノルウェー王国」


こう聞いて、読者の皆さんはどのようなことを思い浮かべるだろうか?


「首都オスロ」
「フィヨルド」
「北欧」
「ノルウェーサーモン」


スカンディナビア半島の西側に位置する、人口約480万人の北欧の王国。
日本では、まだまだ馴染みが薄い国の一つと言っても過言ではない。


【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

2007年頃には、日本では「第二期北欧ブーム」が到来し、特にインテリア
や生活小物等を中心に、スウェーデン発のブランドやアーティストが
一気に注目を集めていた。その後も、爆発的ではないが、静かにかつ顕著に
そのトレンドは流れており、現在ではブームというよりも既に定着した
感がある。


このように「北欧」と一まとめにされることも多いノルウェーだが、同国は
漁業(捕鯨も行う)、海底油田等の資源にも恵まれた国家で、他の3国
(スウェーデン、フィンランド、デンマーク)ともそれぞれ異なった
特性を持っている。


だが、遠く距離の離れた日本ならいざ知らず、比較的距離の近いヨーロッパ
の国の人々にとってみても、


「なんとなく印象の薄い、退屈な国」


というイメージがまだまだ強いのである。



そのような状況を憂慮したのが、イギリスのノルウェー大使館だった。
イギリスとノルウェーは、地図上でもわかる通り、比較的地理的にも
距離が近く、ちょっとした旅行やバケーションに気軽に行ける目的地と
なりうる存在だ。


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※Norwegian Embassy in London Website
http://norway.embassyhomepage.com/



しかしながら、イギリス国民のとりわけ若い世代のノルウェーに対する
評価は、「つまらない。退屈。」「あまり接点がない」といったもの
が大半だった。


そこで、同大使館では、自国の文化にもっと触れてもらい、理解してもらう
ために、従来のPR手段ではなく、ソーシャルメディアを用いて、若い世代にも
リーチし、そのハートに届くようなコミュニケーションを確立しようと、
今回の取り組みにいたった。


在英ノルウェー大使館は、イギリスのPR会社「komodo」の協力を得て、
まずは、facebookページを開設。さらにtwitterフィードも連携し、
それによって、イギリス国民から広く、ノルウェーに対する意見、興味
関心や、大使館が催すイベントや企画への率直な反応を汲み取り、
そしてそれを今後の戦略にも活かしていこうとしたのだ。


※Komodo PR Website
http://www.komodopr.com/


現在、同大使館のFacebookファンの数はおよそ6200人余り。大使館側からは、
音楽やアート、ファッション(特に音楽ビデオが多い)などの最新情報が
更新されている。


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※Norwegian Embassy in London Facebook page
http://www.facebook.com/NorwegianEmbassyUK



また、同ファンページのこれまでの投稿ややり取りを見ていると、ファンからの
質問や要望に、きちんと大使館側がコメントを返し、コミュニケーションを
とっていることが伺える。


中でもユニークだったのは、イギリスBBC(TV局)のあるコメディドラマ番組
のプロデューサーが、同大使館に、ドラマのノルウェー人のエキストラ出演者
を集めたいと相談している書き込み。これに対し大使館側も、呼びかけに協力
する旨の返信を返している。


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また、今回のソーシャルメディアの活用に対し、Komodo社とノルウェー大使館
では、いくつかの方針を策定している。


1)情報の公開はなるべくexclusive(排他的・メンバーのみ公開)に

2)経済や政治のトピックスではなく、文化(アート、音楽、ファッション、
  インテリア、イベント)関連のトピックスを公開する

3)使用する言葉は、「若者風。今風」を心がける



当初からターゲットとしていた、若い世代のハートをつかむためには、
「やわらかめのトピックス」を中心に、そして、同Facebookページへの
アクセスや参加を継続的に発生させるためには、情報公開や参加権限を
特定のソーシャルネットワーク内のみに制限することが肝要だと
考えたのである。


現時点でも(10月14日時点)、Facebook上ではノルウェーのミュージシャン
のライブチケットを5組に進呈するという企画を展開しており、希望者は
同投稿に対して、そのミュージシャンの楽曲から自分の好きな曲を選んで
答えることが参加資格になっている。


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他にも、イギリスの人気番組、「Britain's Next Top Model」の選考過程
の中での撮影を、雪降るノルウェーの町に誘致。さらに、その模様や、選考
過程に対しての質問を、番組放映中に同番組のセレブスタイリストである
Grace Woodward氏に対して行うことができる権限を、大使館のFacebook
ファンとTwitterフォロワーに対して提供。これにより、ユーザーの関心が
一気に高まったという。

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※Britain's Next Top Model Website
http://www.bntm.tv/



また、ノルウェーの著名なデザイナーである、Kristian Aadnevik氏も、
これらの大使館の動きに賛同。ロンドンでのファッションウィークの
1週前に、Facebook上でライブチャットに登場。ファンとのコミュニケーション
を行い、また同ショーへの特別招待券も進呈した。


さらに、1947年以来毎年恒例で行っている、ノルウェーオスロ市から
ロンドンスクエアへのクリスマスツリーの進呈についても、オスロ市での
ツリー伐採セレモニー、そしてロンドンでのツリー点灯式までの一連の
イベントの背景をFacebookで公開、またセレモニーにファンを招待
するといったイベントも実施予定となっている。

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

こうした一連のソーシャルメディアを利用したノルウェーPR戦略は、
成功をおさめ、スタート1か月でFacebookファンは以前の442%、4241人
に増加したと公式に発表されている(現時点では、冒頭の通り6200人
余りまでさらに増加)。


イギリスの若い世代とのコミュニケーションが多く図れ、また彼らの
ノルウェーに対する興味・関心の喚起、理解の促進が達成できたことも
さることながら、こうした大使館の積極的な動きに賛同し、ノルウェー
航空が無料航空券を進呈したり、オスロのコンフォートホテルエクスプレス
が宿泊券を提供するなど、民間企業もその影響力に注目し、協働し始める
という影響も出てきている。


ちなみに、去る10月10日に日本では観光庁が、「外国人観光客1万人に
日本への往復航空券を進呈」する方針を決め、その予算11億円の是非
が取り沙汰された。


※同報道があった読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111009-OYT1T00814.htm



この貴重なお金を、「生き金」とするためにも、日本の観光庁がどのような
PR戦略、ソーシャルメディアの活用戦略をとっていくのか、またその
効果と結果に注目したい。



■今号のPRの切り口■


1)
若い世代の取り込みには、ソーシャルメディアの活用が必要不可欠。
彼らの好む話題を選び、語り口調までの心遣いが肝心。


2)
「Exclusive(排他的)」であることで、リピート率(再訪率)を高める。


■今号の目ウロコ度■

 

  4ウロコ
  
  「What is done by night appears by day.」

 

  =隠すより現る


■More News and Trends/Editor's Eye■


・しゃべる果物が、次なるヒット映画に?Youtube初のユニークキャラクター
「The Annoying Orange」。必見です。
http://youtu.be/ZpKzTdMSaJs


・米大リーグ「タンパ・ベイ・レイズ」のワイルドカード取得を祝い、地元の
PR会社が、社員に「1時間遅い出勤」で地元の誇りを祝うことを奨励
http://www.prnewschannel.com/2011/10/03/pr-firm-offers-employees-option-of-coming-in-hour-later-tuesday-to-thank-tampa-bay-rays-buccaneers-for-bringing-positive -

publicity/


・英Facebookで最も人気のあるファンページは、「Burberry(バーバリー)」
http://www.utalkmarketing.com/pages/Article.aspx?ArticleID=22216&Title=Burberry_is_Facebook's_most_popular_UK_brand


■編集後記■

 
 メルマガ読者の皆様、こんにちは。編集担当の秦泉寺です。


 今回は、ノルウェー大使館のソーシャルメディア活用術をお伝えしました。

 私も、Facebookユーザーですが、改めてニュースフィードを眺めていると、
 最近のある特徴に気づき、また様々な取り組みに関心をもちました。


 1)穴埋め型投稿で、ファンの反応を見る


 例)Miller High Life(ビールブランド)
   「You know you're living the high life when ______?」


 例)Fage Total Greek Yogrt
   「Today I'm enjoying Fage Total and _______?」


 こうした答えの中から、次なるPRに使えるキャッチコピーやストーリー 
 などのヒントも得られそうですよね。


 2)新店オープン告知と採用募集


 例)Make uo forever USA

   LA、NYでの新店オープンに合わせ、スタッフ採用を告知。同店の
   Fanpageには「Career」タブがあり、そこから詳細閲覧、応募へ。


 3)Free Giveaway(無料配布)


 例)Jack in the box(米ファーストフードチェーン)

   100万人にハンバーガー無料プレゼントを展開



 米英では本当に、各社様々な方法でFacebookを活用しています。
 日本にいると、そうしたことに気付けども、応募資格がないので
 がっかりですが・・・。
 再渡米の際には、ぜひ色々とチャレンジしてみたいと思います。
 
 
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