「当初の予測通りには、進んでない…」ペプシコが目標に対する現状を公開し、消費者の信頼を獲得!! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

※こちらは、スーパー広報術に寄稿した記事
となります。
┌─┬───────────────────────────────── |05│林竜三の「気になるPRはアメリカに学べ!」…ペプシコの途中経過広報 └─┴─────────────────────────────────
 ■「子供たちの健康」に対しての国家的な取り組みが活発化(1/2)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ペプシ(コーラ)や、トロピカーナ(果汁飲料)など世界的に流通する数多く  の飲料ブランドや、スナックブランドのフリトレーなどを有するPEPSICOは、 先日、ある取り組みに対する発表を行いました。  ※PEPSICO Website  http://www.pepsico.com/Index.html
【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-PepsiCo Home  それは、  「Business whose future profit and growth is driven by   healthier products" by 2020.」  つまりは、「2020年までには健康的な商品によって事業の成長と利益を生み出  す」という経営戦略に基づいて定めた、27の戦略的な目標に対しての取り組み  経過でした。  ちなみに今回の経過発表は、その進捗状況があまりにも好調であるため、それ  を企業価値としてPRしたり、また株価を引き上げる要素として利用するために  行われたのではありません。実はその進捗状況はあまり芳しくないものだった  のです。  さて、ペプシコーラや、ポテトチップスなどのスナック菓子と言えば、お世辞  にも「健康的」とは言えず、どちらかと言えばジャンクフードなイメージ…。

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【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-pepsico logo  一方、ここ数年欧米では、とりわけ「子供たちの健康」に対しての国家的な危  惧が高まり、肥満対策への取り組みや条例制定などが活発化しています。  例えば、イギリスなどでは英国情報通信庁から通達された「栄養価モデル」が  あったり、またアメリカなどでも週によっては、子供のランチボックスや給食  として提供される食事内容に基準や条例を設けているところもあるそうです。  つまりは、ペプシコ社にとっては、このままでは決して将来的な企業の成長や  利益の増大は見込めなくなってきているということなのです。そこで、同社で  は先述の戦略を定め、各ブランド・部門でその目標達成に取り組み始めたので  した。
 ■マイナス情報も公開する(2/2)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  では、具体的にはどのような取り組みを行ってきており、今回の途中経過では  どのような発表がなされたのかを見てみましょう。  1)子供の栄養価モデルにマッチしたランチボックスの販売増   →2010年までに達成するはずだった数値(売り上げ50%UP)を、     2011年の上半期で達成。
【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-hl-hb-HealthyLunchbox  2)Walker’s Baked Crisps(同社のヘルシーな商品)の販売店舗増   →2012年までに、同商品の取り扱い店舗数を25%増とするとしていた目標 に対し、2008年の実績から現在10%ダウン。  3)映画館、テーマパーク、パブでのノンシュガー飲料の販売拡大    →「いささかの進展がある」としながらも「さらなる取り組みを要する」     と追加コメント。実績としては、2008年と比較し、ノンシュガーペプシ     並びにセブンアップの売り上げは14%増加。
【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-nonsugar pepsi  といった報告内容で、その実、今回の途中経過の時点では、  「当初の予測通りにはまったく進んでいない」というのが現状だったのです。  しかしながらこうした厳しい現状もきちんと明らかにしながら、最終的な目標  達成に向けた意思を変わらず示すことを、ペプシコ社は選択したのでした。  今回の取り組みのようにそのゴールが2020年と、長期間にわたる継続的な活動  がゆえ、その経過をきっちりと情報公開したこと。
 また、常に、ステイクホル ダーや消費者の理解を得ようという姿勢が誠実だ  として評価を受けているそうです。確かに誠実な企業というイメージが持て、  好感度があがりそうです…。  企業としてはこうした発表を行うことで、メディアやステークホルダーからの  反応や評価を得ることができ、それらを活かすことで、戦略を修正したり  追加の目標を掲げることで更に企業価値を高めることが可能となりそうです。
☆──[ここがポイント]────────────────────┐ │ │ │ 1.マイナス情報を上手に公開する │ │ 2.中長期の取組みはプロセスを定期的に公表する │ │ 3.世論・ステークホルダーの反応・評価を戦略に活かす │ │ │ └───────────────────────────────☆   【林竜三・記】