┌─┬─────────────────────────────────
|05│林竜三の「気になるPRはアメリカに学べ!」……SNS×OOH活用型CSR
└─┴─────────────────────────────────
■企業のCSR活動は、その実態・成果を認知させてこそ価値がある(1/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
企業はそのブランド力また、企業価値を高めるために様々な活動を行っていま
す。慈善団体、環境保護団体への寄付や、地域コミュニティ活動への支援・参
加、また独自のチャリティイベントの開催など、数を上げればきりがありませ
ん。
しかしながら意外とそういった活動があまり認知されない状況にあるのもまた
事実。そうした企業の取り組みや姿勢を、消費者、社員、株主などのステーク
ホルダーにきっちりと認知、理解してもらうことがなにより重要ですよね。
そこで最近企業が多く活用しているのが、そのCSR活動の過程に、そもそも消
費者を巻き込んでしまうというやり方。そこには、企業と消費者がそれぞれに
情報を発信、共有、コミュニケーションをすることが容易となった、Twitter
や「Facebookなどのソーシャルメディアの存在が大きいと言えます。
今回その事例として紹介するのは、イギリスのデンタルケア商品メーカーであ
るColgate社の取り組みです。
※Colgate Website
http://www.colgate.com/app/Colgate/US/HomePage.cvsp
コルゲート社が今回取り組んだのは、Barnardo’sという子供のためのチャリ
ティ活動に対する支援。
普通なら、企業活動の収益の一部を寄付したり、また商品を提供したり、社員
が同団体でのボランティア活動を行ったりするところなのですが、同社は
Facebookのユーザーを巻き込んでその支援を展開しました。
※Barnardo Website
http://www.barnardos.org.uk/
■OOHMとSNSの活用で、あらゆる場所で消費者にリーチ(2/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
具体的には、同社のファンページに、今回のチャリティの主旨に賛同してくれ
るFacebookユーザーから、写真の投稿を募るというもの。
写真は「smile(笑顔)」 であることが条件となっています。
「白い歯、良い笑顔」ではないが、デンタルケア商品メーカーとしての意思が
そこには垣間見られ、今回の取り組みを告知する広告物でも、白い歯が印象的
な笑顔の男女が、うまくアイキャッチになっています。
世界中にその利用者とある意味中毒者(?)を増やしているFacebookとは言え
企業のファンページにそこまで多くのユーザーからの投稿や、プライベート写
真の投稿が簡単に集まるわけではありません。
そこで同社では、ユーザーの少し「目立ちたい」「話題になりたい」心をくす
ぐる仕掛けを合わせて盛り込むことでその参加モチベーションを高めました。
具体的には、Facebookユーザーから投稿された「笑顔の写真」を、ランダムに
屋外の大型ビジョンなどのメディア(OOHM(アウト・オブ・ホーム・メディア)
で、同社のCM枠の中で紹介するというもの。
確かに、これなら、「ちょっと有名になってみたい!」と思っている消費者の
心をうまくくすぐり、また、「私があの看板に出るかもしれないの!」と友人
や家族に伝える人も出てきたりと、その口コミ効果が拡大する期待できそうで
す!
そして同社では、今回こうして集めた「笑顔の写真」が100万人分に達した
ら、10万ポンドを寄付することにしています。
日本でも新宿のアルタや、渋谷のハチ公交差点、品川駅の連絡通路など、様々
なところに、屋外電子看板(デジタルサイネージ)がありますが、その利点は
表示する情報を場所によって変え、また即時に更新できること。
今回のSNS×OOHMや、SNS×携帯電話×OOHMというメディアミックスは、今後よ
り多くの活用が期待できそうですね。
☆──[ここがポイント]────────────────────┐
│ │
│ 1.CSR活動は、その実態・成果を認知させてこそ価値がある │
│ 2.CSR活動の過程に消費者を巻込む │
│ 3.SNS×OOH │
│ │
└───────────────────────────────☆