■インパクトのあるベーコンづくしメニューで話題づくり(1/2)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「Denny’s(デニーズ)」と言えば、日本でもお馴染みの年中無休営業のファ ミリーレストランチェーン。全米でも最大規模で、全世界では2500を超える店 舗を展開しています。
▽http://www.dennys.com/
ご存知の通り、朝食、ランチ、ディナーから各種デザートまで様々な食べ物を 提供していますが、話題性の高い新メニューの開発やキャンペーンの実施は、 来店客数の増加、また来店頻度の増加のために欠かせない取り組みです。 そんな中、同社が展開したのが、「Baconalia!」という名のキャンペーン。 これは、アメリカ人が大好きな食材である「ベーコン」を祝おうというもの。
『Baconaliaは古くは旧石器時代から存在するものの、近年ではベーコンはす っかり付け合わせのサイドディッシュとなってしまい、ベーコンという名称も 米国俳優としてしばしば話題になるだけになってしまいました。~略~ デニーズはこの「ベーコン祭」の歴史に新しいページを開くべく、これから 数か月間、ベーコンを主菜とした新しいメニューを提供させていただきます』 といったユニークな内容をホームページ上で謳いキャンペーンを実施中です。 そして日本人とは比較にならない位ベーコン好きのアメリカ人に向けたベーコ ンづくしのフェアが開催され、そのメニューの顔ぶれが話題となっています。 キャンペーン期間中、同社では「ベーコン」を用いた7つの新商品を発表。 「ベーコンミートローフ」や“ベーコン3倍”を謳う「BBBLTサンドイッチ」な どそのラインナップはなかなかユニークなもの。 その中でも今回の目玉として注目を集めているのが「メープルベーコンサンデ ー」。なんじゃそりゃ?という感じですが、バニラアイスに熱々のメープルシ ロップ、そしてカリカリのベーコン!の組合せというかなりの変わり種となっ ています。
今回の「Bacolina」キャンペーンのPRとして、有名ブロガーやメディアを集め たお披露目会を開催。その場では「メープルベーコンサンデー」もふるまわれ 狙い通り話題を集めました。ちなみにお味の評価も上々だったようです…。
デニーズ社はこのレセプションに、サウスカロライナ州の本社までの旅費を負 担してブロガーやライターを招待しました。彼らに様々なレビューを発信して もらうことで、事前に話題性を高め、口コミを広げようという試みでした。 ※記事掲載例 ▽http://tinyurl.com/5rolqsf ■米・外食産業全体で競い合う「ベーコン」ヒストリー(2/2)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ このようにベーコン好きが多いアメリカでは「ベーコン」をテーマにした外食 産業界の取り組みは、今回のデニーズに始まったことではありません。 その始まりは、1963年「A&W Burger chain 」という、カナダ発のハンバーガ ーチェーン店が、初めて「ベーコンチーズバーガー」を世に出したことに始ま るのだそうです。
▽http://www.aw.ca/
同社では、当時「Family Burger」というキャンペーンを展開していました。 「Papa Burger」「Mama Burger」「Teen Burger 」「BabyBurger」と名付けら れたそれぞれに異なる具材を用いたハンバーガーラインナップが準備されたの ですが、そのうちの「Teen Burger」は、チーズと2枚のベーコンスライスが挟 んでありました。 その後とりわけ2000年代以降、外食業界では「ベーコン」を用いたメニューが 急増し、2003年から2008年の間に、その取扱量は33%も増加。2009年の調査で は、全米のトップ500のレストランのメニューで、2467回「ベーコン」が登場 したと発表されています。 更にエスカレートする中、2004年には「Hardee’s 」というハンバーガーチェ ーンが、3枚のスライスチーズに2枚のビーフパテ、さらに4枚のベーコンを挟 んだ「Monster Thickburger」を販売して話題となりました。
▽http://www.hardees.com/ さらに2007年には、「Wendy’s」が、なんと6枚!のベーコンを挟み込んだ 「Baconator」という商品を販売。当時6800万個をという驚異的な売り上げを 達成した大ヒット商品となりました。
▽http://www.wendys.com/ ちなみに「Denny’s」では、ベーコンにフィーチャーした朝食メニューは、実 は1977年に既に登場しています。「Grand Slam Breakfast」では、当時2枚の ベーコンスライスでスタート。その後2006年には3枚目が加わり、今回の 「Ultimate Bacon Breakfast」では6枚に。 多ければ良いというものでもないような気もしますが、アメリカ国民の大好き な「ベーコン」に徹底的にフォーカスした今回のキャンペーン、首尾は上々の ようです。 米国ほどベーコン文化がない日本では同じメニューを展開しても同様な盛上り はあまり期待できないと思いますが、話題性のあるメニュー開発、業界全体で 競い合うことで注目度を高めるという動きは参考になりそうです。 日本で業界を巻込んで実施するとなるとどんな食材にフィーチャーすればいい のでしょうかね? それはそれとして、甘党の私は、このベーコンサンデーはちょっと食べてみたい気がしま す。塩キャラメルっぽい味なのかな。。 ☆──[ここがポイント]────────────────────┐ │ │ │ 1.極端な商品・意外な組合せの商品を開発する │ │ 2.メディア(ブロガー)向けPRイベントを開催する │ │ 3.自社だけでなく業界全体のトレンドを盛り込む │ │ │ └───────────────────────────────☆