【今週のHOTニュース From the USA】
自社の消費者意識調査結果を元に、自然派家庭用洗剤の新商品を発表!
「エコ=便利・簡単・そしてリーズナブル」がブランドの信条!?
【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!
米大手家庭用洗剤メーカであるSCジョンソン社が、99%自然成分由来の
家庭用洗剤の新ブランドを発表し、好調な販売となっている。
同社は、すでに「Windex」「Scrubbing Bubbles」などの定番かつ強い
人気を誇る家庭用洗剤を販売しているが、昨今の「エコブーム」を受け、
同社でも新たに「自然派ブランド」を発表したのだ。
今回SCジョンソン社では、新ブランド「Nature's Source」の発表・販売
開始にあたり、同社が行った「自然派の家庭用洗剤に対する消費者意識
調査」の結果を上手に利用した。
アンケートからは、自然派の家庭用洗剤に対する興味・関心は高いものの、
実際にそれを利用するには、「価格が高い」「買いにくい(購入できる
場所が少ない」「洗浄力が弱い」といったマイナス面(もしくはマイナス
イメージ)がネックとなっていることがうかがえた。
そこで同社では、これらの消費者の不満を払拭し要望にこたえる商品と
して、新ブランドを発表し売り込んだのである。
要は、「99%が自然由来成分の家庭用洗剤!なのに、安い。なのに
驚きの洗浄力。なのに、手に入りやすい!」このように訴えかけたのだ。
この戦略は功を奏し、同社の新ブランドの立ち上がりは好調。
SCジョンソン社では、さらに「ナチュラルな生活を送るためのサポート」
を続けていくとしている。
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【ニュースの裏側】
エコや環境保全に対し、まったくの興味関心を持たない人というのは
さすがにこのご時世限られてきている。
スーパーに行けば、ビニール袋を遠慮すればポイントが付き、いくつかの
小売店ではビニール袋が有料化されたところもある。
また、エコバッグやマイ箸・マイ水筒など、日常生活にファッションと
しての側面も持ちながら浸透してきたアイテムを見ても、その浸透度を
はかり知ることができる。
さて、消費・浪費大国アメリカでも、そんな「エコ」に対する人々の
関心はかなり高いレベルになってきている。
ある調査によると、多くの主婦たちは、「ナチュラルな家」をつくり
そこで環境にやさしい暮らしを送ることに興味を持っている。
しかしその一方で、「エコ」であること、「ナチュラル(自然派)」な生活を
送ることは、いかんせん「面倒くさい」「難しい」そして「コストがかかる」
と思われがちなのだそうだ。
このような調査結果を発表しながら、家庭用洗剤の新製品の販売をスタート
し、好調な企業がある。
SC Johnson社(以下:SCジョンソン社)がその企業である。
SCジョンソン社は、122年の歴史を持つ家庭用洗剤や日用品の生産・販売を
行う、業界でも著名な企業である。現在では、世界110カ国以上でその
製品は販売されており、12000人の従業員数を誇る。
日本ではあまりその洗剤などを目にすることはないかもしれないが、
保存用袋で有名な「ZIPLOC」も同社の製品であり、こちらは多くの人が
ご存じなのではないだろうか?
※SCJohnson Web Site:http://www.scjohnson.com/
さてそんなSCジョンソン社が、昨年に99%が自然成分由来の家庭用洗剤の
ラインナップを発表・販売をスタートさせた。
ブランド名は、「Nature's Source(以下:ネイチャーズソース)」。
下記の4種類が流通している。
<Nature's Source商品ラインナップ>
1:Nature's Source Natural Glass & Surface Cleaner By Windex
ガラス類、ステンレス用の洗剤。$3.69
2:Nature's Source Natural All-Purpose Cleaner By Scrubbing Bubbles
多用途家庭用洗剤。$3.49
3:Nature's Source Natural Bathroom Cleaner By Scrubbing Bubbles
バスルーム用洗剤。$3.49
4:Nature's Source Natural Toilet Bowl Cleaner By Scrubbling Bubbles
トイレ(便器等)用洗剤。$3.49
これらに共通する商品の特徴として、同社は下記の内容を消費者に訴えている。
<Nature's Source商品の特徴>
1:99%が自然(天然)成分由来の洗剤
2:リサイクル可能ボトルでの販売
3:成分はすべてボトル上に開示
4:代替エネルギーを用いて、商品を生産
5:ジョンソン社のグリーン基準に合致
6:EPA(Environmental Protection Agency)のお墨付き
7:$3.49~というリーズナブルな価格
8:大型量販店、スーパーなど気軽に手に入れられる
9:従来品に勝るとも劣らない洗浄能力
上記の特徴の中でも、特に7か9の3つの項目について、今回SCジョンソン社は
特に力を入れて商品をアピールしている。
そして、その戦略をとった陰には、同社が行った、消費者アンケートの
結果があるのである。そして、そのアンケート結果を、今回の新ブランドの
発表・販売開始時に合わせてリリースしている。
そうすることにより、新ブランドへの注目度と親和性を高めようとしたのである。
アンケートの内容は下記のようなものである(抜粋)。
<Nature's Source Natural Living Survey>
※アンケートの実施概要:
2008年の11月14日~18日にかけてオンライン上で実施
回答者は全米の18歳以上の2518人(内657人が18歳以下の子供を持つ)
・62%
→家族の健康のために、自然派のクリーナを使用すること、また商品に
興味がある
→とりわけ、ある特定のライフステージにおいてその関心度が高い。
赤ちゃんができたとき、赤ちゃんが家ではいはいを始めたとき。
・44%
→自然成分由来のクリーナーには、従来品程の洗浄力がない
→単純に自然成分だからではなく、従来品の「Windex」「Scrubbing Bubbles」
の洗浄力の高さを信頼しているから。
※ちなみにWindexは1933年に発明されたアメリカで広く浸透している洗浄剤
であり、オリジナルブランドのみならず、多くの同用途の製品がこの「Windex」
をラベルに用いている。SCジョンソン社はオリジナルの生産・販売を1993年から
手がけている。Scrubbing Bubblesも、SCジョンソン社の人気の既存商品である。
・44%
→自然環境に配慮した、やさしい暮らしができている
・63%
→自然環境に配慮したエコ意識の高い生活をしたいが、実行は難しい
※理由
54%:コストが高い
20%:どのような商品を選び、どのような行動をとることが適切なのかがわからない
17%:適切な商品や道具を購入することができない(なかなか売っていないため)
上記のような調査結果から、SCジョンソン社では自社の新エコブランドの発表戦略を
定めたのである。
消費者のこれまでの不満を解決し、エコ商品を購入し利用することへの障壁を
低くした商品であることを前面に押し出したのである。
価格は、先述の通り抑えることで、消費者の第一の懸念事項ともなっていた、
「コストがかかるから…」という理由を払拭した。そして、販売をスーパーマーケット
や量販店等で広く行うことにより、「手に入れにくい。購入できる場所が限られる」
というマイナス面を排除した。
さらに、「従来品よりも性能が劣るのでは」という懸念に対しては、先述の4つの
商品名にもある通り、自社の既存の人気商品の名前を出すことにより、それと同等
の性能が望めることを示唆しているのである。
SCジョンソン社はこのようにコメントしている。
「Nature's Sourceは、手に入れやすく安価で機能性の高い自然派の商品を
求める消費者への、私たちの回答なのです。」
さらに1点、SCジョンソン社はあえて調査結果の中で、「ある特定のライフステージの
人は特に自然成分のクリーナーに対する興味関心が高い」と出すことで、この対象
となる人々に対し、「あなた方に必要なんですよ」と訴えているのである。
また、今回の新ブランドの立ち上げに合わせて、Nature's Sourceのブランドサイト
を立ち上げている。(因みに同社では、Windex、Scrubbing Bubblesなどそれぞれの
ブランド(商品)サイトを運営している。)
同サイトでは、SCジョンソン社の環境保護への取り組みの歴史、環境に配慮した商品
開発、そうした生活を推奨する取り組みなどを紹介している。
さらに2月からは、同サイトを通じて、家庭での「ナチュラルな生活」の実践を
サポートする、様々な情報提供を展開するそうである。
【PRの切り口】
消費者アンケートの声を上手に利用した商品(ブランド)お披露目である。
ただ単に、商品の特性(安い・高機能・手に入れやすい)を消費者に伝えるのでは
なく、これらの商品の特性は、「あなた方(消費者)の声にこたえた、これまでの
不満を解決する商品なんですよ。」と訴えている。
そうすることにより、商品(ブランド)のありがたみは一層高まったのである。
また、商品のネーミングに際しては、すでに認知度が高く抜群の信頼度を誇る
同社の既存商品の力を借り、新商品の価値を高めている。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「彼を知り己を知らば百戦するも危うからず」科目
敵のことも味方の事もよく知っていれば何回戦っても負けることはないの意
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
今回は発行が木曜日となってしまいました。楽しみに待っていてくださった
皆様、大変申し訳ありませんでした。次回からはまた水曜日に発行してまい
りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
さて、「良い点」だけを伝えられてもその「良さ」がぴんとこない…なんと
なくある話ですよね。それが、「悪い点」と比較して、「改善点」「これまで
と違う(良い)点」として伝えられると、同じ内容でもその「良さ」の価値
がぐっとあがる。今回は、そんな心理をついていた戦略だと感じました。
寒い日が続きますが、インフルエンザにお気を付けくださいませ。
※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/
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・ <編集者>秦泉寺 明佳 Jinsenji Sayaka ・
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