英チョコレートブランドが、80年代の同社ヒット商品の復活劇を見事に演出!? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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【今週のHOTニュース From "the UK"】


英チョコレートブランドが、80年代の同社ヒット商品の復活劇を見事に演出。
商品やブランドのコアなファン(消費者)が持つ、市場への影響力を
意識したその演出とは?
 



【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!


イギリスの「キャドバリー」は英国王室御用達チョコレートブランドとして
知られ、その歴史は150年以上、現在は世界各国160カ国以上で販売されている。


昨年末、この英キャドバリー社がユニークなキャンペーンを展開した。


それは、同社のかつての看板商品であった、「ウィスパ」というチョコレート
バーの正式再販スタートに合わせたものである。「ウィスパ」は1980年代に
大ヒットした商品であるが、その後売上が落ち込み、2003年に製造・販売を
いったん中止したという過去を持っている。


しかし、2003年の製造中止以降も、ウィスパの復活を望む消費者は多く
存在していたのである。そんな消費者達が、FacebookなどのSNSサイトで
結集し、再販の請願をオンライン上で行ったのである。



そこでキャドバリー社では、そんな消費者の声にこたえる形で、2007年に
期間限定での再販を行い、その販売実績の良さから、2008年の正式再販の
運びとなったのである。


今回の再販に先駆けて、キャドバリー社はウィスパの完全復活を成功させる
ために、マクドナルド社とJVを行った。同社はマクドナルド社と協力し、
「ウィスパ・マックフルーリー」を販売したのである。そう、ウィスパという
商品を再度多くの人々に認知させ、その再登場に対する期待値を、前もって
上げておこうとしていたのである。


そうして人々に「ウィスパ」を再度認知ささせるという仕込み期間の後、
昨年末のクリスマスシーズン前に、ユニークなCMと特設ウェブサイトを中心
にした、「For the Love of Wispa」というキャンペーンを2か月にわたり
展開した。


その結果、キャンペーン期間(8週間)を通し、ウィスパは、6秒間に
1本売れた計算になっており、累計販売本数は3000万本に及ぶ。また、
復活のきっかけとなったSNS、Facebook上のファンクラブのメンバー数も
21万6680人(2009年1月6日現在)となり、いまだ拡大を続けている。


ちなみに、この売上スピードは、キャドベリーブランドの過去
4年間の販売実績の中で最速・最大のものなのである。そして、
このウィスパの売り上げが、同社の4半期売上11%アップを
強力にバックアップしたのである。


 
     ↓↓↓さらに詳しいニュースの裏側はコチラ↓↓↓

     



【ニュースの裏側】


今回は、いつものアメリカから少し離れて、イギリスの商品PRの事例を
紹介したい。



「キャドバリー社(Cadbury)」をご存じだろうか?


「キャドバリー」は英国王室御用達チョコレートブランドとして知られ、
その歴史は150年以上、現在は世界各国160カ国以上で販売されている。


※キャドバリー社 Website :http://www.cadbury.co.uk/


いくつかの看板商品を持っているが、チョコレートの中で代表的なものは、
1905年に誕生した「デイリーミルク」であり、紫色のパッケージに記載
されていた「チョコレート0.5ポンドにつきグラス1.5杯分の生乳」
というキャッチコピーは、イギリスの広告史上に残る名作と
言われているそうだ。


日本にも、キャドバリージャパン株式会社があり、多くのチョコレート、
キャンディなどを販売している。代表的な商品ブランドは、ガムなら
「クロレッツ」「バブリシャス」、キャンディであれば「ホールズ」
「メントス」、チョコレートは先にあげた「キャドバリー」ブランドの
各商品が展開されている。


さて、そんな英キャドバリー社が、昨年末からユニークな
キャンペーンを展開した。


チョコレートブランド「キャドバリー」には、「デイリーミルク」
以外にも多くの商品ラインナップが存在する。そんな中で今回の
キャンペーンの対象となったのは「Wispa(ウィスパ)」という
チョコレートバーである。


この「ウィスパ」…、実は80年代に特に人気を誇ったチョコレート
バーである。1981年に誕生ウィスパは当初の地域限定販売から、
1983年には英全国で販売をスタートし、その後2000年までに、
「ウィスパゴールド(キャラメルフィリング入り)」「ウィスパバイト
(キャラメル&ビスケット入り)」「ウィスプチーノ(コーヒー味)」
「ウィスパミント(ミント味)」などの派生商品も生まれた。
しかし、その人気は徐々に下火となり、2003年には一度製造中止に
なった経緯を持っている。


その後、2007年に期間限定で再販された。このきっかけが面白い。

2003年の製造中止以降も、ウィスパの復活を望む消費者は多く
存在していたのである。そんな消費者達が、FacebookやBeboなどの
SNSサイトで結集し、再販の請願をオンライン上で行ったのである。
そこでキャドバリー社では、そんな消費者の声にこたえる形で、
期間限定での再販に踏み切ったのである。


さてそんなウィスパであるが、2007年の当時の売り上げが好調だったため
(7週間で2000万本)、昨年2008年に全国でのオリジナルウィスパの
通常販売を再開したのである。そう、80年代のアイコンチョコレート
バーの見事な復活劇となったのである。


しかし、キャドバリー社は単に2007年の好調な販売結果を受けて、
2008年に販売を再開したのではない。ウィスパの完全復活を演出するために、
同社では商品の再販に先駆けて、マクドナルド社とJVを行った。

同社ではマクドナルド社と協力し、再販に先駆けて「ウィスパ・
マックフルーリー」を販売したのである。そう、ウィスパという
商品を再度多くの人々に認知させ、その再登場に対する期待値を上げようと
していたのである。


さて、そんな2008年の記念すべき再販開始に合わせて、キャドバリー社
ではあるキャンペーンを展開した。その中心は、チアリーダー、男性の
聖歌隊、ラガーマン、パンダコスチュームの男性による2分間の
「ウィスパ応援&ありがとうCM」である。


このCMの制作にあたり、同社では一般から広く出演者を募った。

まず、300人のメインキャストを選考会で選んだ。ちなみに、4482人の
チアリーダーからの応募が、また1325人のラガーマンの応募もあったと
いうのだから、その注目度たるやものすごい。さらに制作に伴い必要な
多くのボランティアを、「チョコレートバー」の支給を条件に2281人の
希望者から選んだのである。


こうして作成された2分間のCMであるが、英TV上でオンエアされたのは
たった一度だけ。イギリスITV(Independent Television)で、
昨年12月20日の土曜日のクリスマス目前の好タイミングに放映されたの
である。


しかし、ウィスパファンのために開設されたウェブサイト上で、この
CMやそのメイキング、また作成の舞台裏をだれでも見ることができる
ようになっている。

そして、今回のキャンペーンの展開・CM制作に際し協力した一人一人の

名前が記載されており、参加者はそこに刻まれた自分の名前を見て、

再度楽しむことができるのである。

さらに同サイトでは「ウィスパファン」としての新規登録も受け付けており、

そこには、「同社ではさらに大きな仕掛けをする用意があること」を

ほのめかし、ファンの心を惹き付けている。


※キャンペーンWebsite:http://www.fortheloveofwispa.com/


さてこのCMを軸にしたウィスパ復活キャンペーン、その成果は大変
大きなものだったと、同社は公式に発表した。



キャンペーン期間(8週間)を通し、ウィスパは、6秒間に1本売れた
計算になっており、累計販売本数は3000万本に及ぶ。また、復活の
きっかけとなったSNS、Facebook上のファンクラブのメンバー数も
21万6680人(2009年1月6日現在)となり、いまだ拡大を続けている。

ちなみに、この売上スピードは、キャドベリーブランドの過去
4年間の販売実績の中で最速・最大のものなのである。そして、
このウィスパの売り上げが、同社の4半期売上11%アップを
強力にバックアップしたのである。
さらに、ウィスパの話題性と販売好調な実績から、スーパー
マーケットの陳列棚におけるキャドバリー社のシェアが高まった
そうである。こうして、キャドバリー社はウィスパのみならず、
他のキャドバリーブランドのチョコレートのための販売スペースをも
獲得したのである。



また、上記の「公式」な発表とは別に、下記のようなユニークな
寄付(及びボランティア希望)が、全英のウィスパファンから
寄せられたそうだ。


・エセックス州の50人のチアリーディンググループ
・ウィスパという名前の犬
・騎士
・30人の女性ラグビープレーヤー
・3頭のポニーを所有するある家族
・バーミングハムのバールルームダンスチームに所属する夫婦
・イギリストップのフリーランナー(フィジカルアーティスト)
・インド人のR&Bバンド
・ワイト島のサンババンド
・ノッティングハムのドラムバンド



今回のキャドバリー社の事例では、「消費者のWANTSやNEEDS」が、
市場において商品の勝敗を左右する要因であることを今一度強く
認識し、その声を的確にくみ取り対処することが大切であり、
また商品ブランディングの成功を導くことを示唆している。


売れ行き鈍化により、製造・販売を中止した商品ではあったが、
そのコアなファンが中心となり新たなファンを増やし、結果として
商品の再販を望む声が高まったのである。同社は、SNSサイトから
発信され始めたそれらの声をウォッチした上で、再販すべきタイ
ミングを見極め、今回の復活劇を成し遂げたのである。


しかし、重要なのはそれだけではない。同社がマクドナルド社との
JVによって「ウィスパ」という商品をを再度消費者に対しアピール
するという、正式再販に先駆けた下ごしらえこそがウィスパの
見事な復活劇を導いたのである。


 

【PRの切り口】


今回のキャドバリー社の事例は、消費者や商品(ブランド)のファンが
持つ、大きな市場影響力が示された形となっている。


また、多くのSNSサイトではその中に同じ志向や興味・関心を持った
人が集うグループやコミュニティが発生している。そういった場を通じ、
彼らは様々な意見や情報をくったくなく交換また、公開・発信している。


無論、そういった有象無象の情報であるがゆえに、注意深くウォッチする
必要はあるが、そういった意見を無視することはできないのである。
また、幸運にもそのようなサイトを通し発信されている、消費者のニーズや
ウオンツをアイディアに、商品のブランディングや販売・広告戦略を
考えていくことが大切なのである。


また、同社がマクドナルド社とのJVを利用して事前に商品認知を進めて
いたように、お膳立てを整えておくこともまた重要である。


 

【今週の目ウロコ度】


 3ウロコ
  
  「待てば海路の日和あり」科目


  辛抱強く待っていれば、必ず航海に良い天候になる。
  辛い状況も、我慢して乗り切れば良い機会が訪れるという意。 
 
 

【編集後記】
 

【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


 一つのSNSサイトのグループが、ある商品の再販のきっかけとなったとは…。
もしかすると、キャドバリー社がことさらにその部分を大きく発信していた
のかもしれませんが、そうであればその戦略も含めて、今回の再販成功は
見事だと思いました。


 キャドバリー社のチョコレートは、日本ではあまりお目にかかることが
ありませんが、かなり美味しいですので、輸入食品を取り扱うスーパーなど
でぜひお試しください。看板商品の「デイリーミルク」は、今回のパンダの
気ぐるみの男が踊るCMとは全く経路の違う顔をした商品です(笑)。 



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