「地域のマーケット」がポリシーの米スーパーマーケット。そのブランド戦略と新店PRとは? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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【今週のHOTニュース From the USA】


 「地域のマーケット」をポリシーとするスーパーマーケットチェーン。
  従業員を大切にすることによって作られるブランドと、新店オープン時の
  PRとして実施するCSR活動とは?



【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!



  「We’re a neighborhood market.」


  「私たちは、地域のマーケットです」



  こう自らの店舗を位置づけて米国、カリフォルニア州・ネヴァダ州・
 アリゾナ州でスーパーマーケットを展開している「Fresh & Easy」。

  2007年にアメリカでの店舗展開をスタートさせたばかりでの後発スーパー
 であるが、順調にその店舗数と業績を伸ばしてきている。今回、アリゾナ州
 フェニックスで2店舗を新たにオープンすることになったが、そのオープン
 告知の手法から、同社が、地域社会に受け入れられ、カスタマーを獲得し、
 順調に成長してきた要因が見えてくる。


  同社では、新店舗出店時には、該当エリアで活動する慈善活動団体・NPO
 から2団体を選出し、それぞれに1000ドルの寄付を行っている。この2つの
 団体を選ぶ方法は下記の通りである。
  
  1)地域住民による、事前活動団体の推薦(オンラインフォームから)
  2)新店舗の従業員による、推薦文レビュー及び、表彰団体への投票
  3)新店舗のグランドオープンセレモニーでの該当団体への表彰


  このようにして、地域社会・住民を上手く巻き込んでいくことで、
 新店舗自体の認知度を高め、地域の関心を集め、その結果として良質な
 カスタマーを獲得しようとしているのであり、またCSR活動をも合わせて
 行っているのである。


  また、同社の継続的なカスタマー獲得、コミュニティリレーションズ
(地域社会への対応)、及び中長期的なブランド力維持を成功させる施策として
 エンプロイーコミュニケーションに重きを置いている点があげられる。


  「Fresh&Easy」のような、地域密着・共生型の企業にとって、その従業員は
 単なる「従業員」ではない。彼らは、地域社会に属する大切な「カスタマー」
 でもあり、また、周囲の地域住民に影響を与える「インフルエンサー」
 「オピニオンリーダー」となりうる存在でもあるのだ。


  「Fresh&Easy」ではその重要性を認識したうえで、従業員への待遇・
 制度を定め、「従業員を大切にする」姿勢を貫いているのである。その結果、
 従業員の同社への満足度は非常に高くなっている。そしてそれは、かれら
 従業員によって、良い評判や口コミ・信頼に足る情報が、家族へ・友人へ…
 そして地域全体に広がっていく可能性を示唆している。


  同社ではこの「従業員の持つパワー」を重視し、エンプロイー
 コミュニケーションを強化、自社店舗のブランディングにつなげて
 いるのである。


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【ニュースの裏側】



 「We’re a neighborhood market.」


 「私たちは、地域のマーケットです」


  こう自らの店舗を位置づけて米国、カリフォルニア州・ネヴァダ州・
 アリゾナ州でスーパーマーケットを展開しているのが、「Fresh & Easy」
 である。


  実はこの「Fresh&Easy」はイギリススーパーマーケット最大手である
 TESCO傘下のスーパーマーケットで、2007年にアメリカでの店舗展開を
 スタートさせたばかりである。


  ちなみに、日本では2003年にシートウーネットワーク社を買収し、
 東京近郊の78店舗のディスカウント・スーパーマーケットを取得したことで
 事業をスタートさせた。
  現在日本国内の従業員数は3300人、店舗数は109にのぼる。



 ※「Fresh&Easy」Web Site:http://www.freshandeasy.com/


 ※「TESCO」Web Site:http://www.tesco.com/




  さて、今回、同社のアリゾナ州フェニックス地域で25・26番目の
 「Fresh&Easy」店舗が新しくオープンすることになった。


  では、「地域のマーケット」を自負する同社が、どのように地域
 コミュニティーに対し新店のオープンをPRしたのか?また、競合ひしめく
 業界の中でどのように他企業と差別化し、自社のブランド戦略を図って
 いるのだろうか?



  アメリカと言えば、最大手のWalmart(ウォルマート)をはじめ、
 超大型店舗を数多く展開するWegmans社や、オーソドックスながら
 カスタマーの高い信頼度を誇るPublix社、自然食品の品ぞろえには
 定評のあるWhole Foods Market社など、様々に個性を打ち出した
 スーパーマーケットが存在する。


  しかし、「大型店」「品ぞろえの豊富さ」「安さ」だけではもはや、
 カスタマーのリピートを獲得することは難しくなっているのが現状だ。

  そのため、各社いかにプラスアルファの「らしさ」を出すのか、
 ユーザーに選ばれる「理由」を生みだすのかに苦慮しながら、店舗数拡大・
 カスタマーの取り合い合戦を行っているのである。



  さて、昨年にアメリカでの事業展開をスタートさせたばかりという、
 明らかに「後発」で知名度もなかった「Fresh&Easy」。どのように、
 ブランド価値を浸透させ、カスタマーを獲得してきたのか?


  それが、冒頭で言及した、「地域のマーケット」というコンセプトに
 基づいた店舗戦略、ブランド構築なのである。


  「大型店」でも「安売り店」でもなく、また逆に「高級店」や「自然派
 食品こだわり店」でもない。では、曖昧ともいえるこの「地域のマーケット」
 というコンセプトを、どのように具現化したのであろうか?



  「Fresh&Easy」が掲げる「地域のマーケット」をより具現化する
 施策として下記の4つがある。



  1)Everyone’s Welcome
     Fresh&Easyは、アメリカの消費者の購買活動及び料理に関する
     傾向を精査し、それらに合致した店舗企画・設計を実施


    ・あらゆるタイプ(属性)の地域住民にマッチした店舗設計
    ・10000平方フィート(約930平米)というコンパクトな店舗規模。
     より素早く、より簡単に誰もがショッピングを楽しめる店舗規模。



  2)Great Food You Can Trust
     Fresh&Easyは、全ての人に新鮮で健康的な食物を、安価で提供


    ・「Fresh&Easy」ブランドもしくは国産ブランドの厳選された商品を提供
    ・プライベートブランド商品には、人工着色材や香料、トランス
     脂肪酸を使用しない
    ・ミルクやバターはカリフォルニアでそだった牛から
    ・商品の60%以上はカリフォルニア産



  3)A Good Neighbor
     Fresh&Easyは、地域社会を重視し、企業活動による地域環境への
     インパクトを減少させる


    ・ソーラーパネルの導入
    ・エネルギー効率を高めた店舗設計
    ・全ての店舗で、リサイクル・リユースの推奨をディスプレイや紙袋、
     カートなどに表記し啓蒙活動を実施
    ・輸送トラックは、スクールゾーンを含む場所を通過しない
    ・商品の配達は、地域社会の状況に応じて定められた時間帯にのみ実施



  4)A Great Place To Work
   Fresh&Easyで大切にされた従業員は、カスタマーにとって価値がある


    ・エントリーレベルの従業員は、カリフォルニアで時給10ドルからの
     スタートで、3ヶ月ごとに最大10%のボーナス
    ・全ての従業員に対し、最低週20時間の就業機会を与える。それにより、
     包括的な健康管理に関しての福利厚生が得られ、またその費用の少なく
     とも75%は同社が負担。
    ・全ての従業員は、401Kプランを提供される
    ・地域住民を積極的に従業員として雇用する




  「Fresh&Easy」では上記の4つの基本施策を、企業のポリシーである
 「Neighborhood Market」を支える基本として、一貫した店舗設計・ブランド
 戦略を実施しているのである。


 

   そんな中で、今回の新店舗オープンにあたり、同社は面白い手法で
  該当地域社会への「出店PR」と「溶け込み」を行った。



   それは、新店舗を出店するエリアで活動する2つの慈善活動団体・NPOへ
  それぞれ1000ドルを寄付するというプランである。そして、この2つの団体を
  選ぶ方法は下記の通りである。

  
  1)地域住民による、事前活動団体の推薦(オンラインフォームから)
  2)新店舗の従業員による、推薦文レビュー及び、表彰団体への投票
  3)新店舗のグランドオープンセレモニーでの該当団体への表彰



  このようにして、地域社会・住民を上手く巻き込んでいくことで、
 新店舗自体の認知度を高め、地域の関心を集め、その結果として良質な
 カスタマーを獲得しようとしているのである。



  ノミネートされた団体や、ノミネートした地域住民によって口コミ的に、
 「1000ドルの寄付金」というネタをきっかけとして、新店舗出店の話題が広がる。
 その結果、新店舗のオープン時には「地域のことを考えた、面白い活動をする
 スーパーマーケット」として地域で受容され、店舗にとって最も重要な
 「地域住民」というカスタマーの関心を獲得できるのである。


  さらには、企業のCSR活動としての側面も十分に担っているのであるから
 まさしく一石二鳥であろう。



 「新店舗オープン告知チラシ」「大安売りチラシ」を配布したり、「来場
 プレゼント」を用意するだけが、新店舗オープンをPRする手法ではないのである。
 無論、瞬間風速的にはそれでも効果がある。


  しかしながら、中長期的視野で地域社会に受け入れられ、ブランド力を高め・
 維持するという目的のもとに、今回の「Fresh&Easy」では先述の4つの基本施策に
 基づき、店舗コンセプトを設計・展開し、また付随する施策を打っているのである。




  また、もう一点同社の取り組みで指摘しておきたい。


  それは、先述の4つの基本施策の中で「A Great Place To Work」と同社が設定
 している「エンプロイーコミュニケーション」に関わる施策が、企業のカスタマー
 獲得、コミュニティリレーションズ(地域社会への対応)、及び中長期的な
 ブランド力維持に貢献しているという点である。



  「Fresh&Easy」のような、地域密着・共生型の企業にとって、その従業員は
 単なる「従業員」ではないのである。彼らは、地域社会に属する大切な「カスタマー」
 でもあり、また、彼らの周囲の地域住民に多大な影響を与える「インフルエンサー」
 「オピニオンリーダー」となりうる存在でもあるのだ。


  「Fresh&Easy」ではその重要性を認識したうえで、従業員への待遇・制度を定め、
 「従業員を大切にする」姿勢を貫いているのである。その結果、同社の従業員への
 アンケートでは下記のような結果が出ている。



  <Fresh&Easy View Point Survey January 2008>


   Q1:私は「Fresh&Easy」を働く場として推薦します
   A1:Yes 90.6%


   Q2:私は「Fresh&Easy」で働くことを楽しんでいます
   A2:Yes 91.3%


   Q3:「Fresh&Easy」は正直で倫理・道徳感ある企業だと思います
   A3:Yes 92.8%




  この結果からも、いかに同社が従業員に評価されているかがうかがえる。


 そしてそれは、「地域住民」でもあるかれら従業員によって、良い評判・良い口コミ・
 信頼に足る情報が、家族へ・友人へ…そして地域全体に広がっていく可能性を
 示唆している。同社ではこの「従業員の持つパワー」を重視し、エンプロイー
 コミュニケーションを強化、自社店舗のブランディングにつなげているのである。



  「自社の製品・・・使いません」…と従業員自らが語ってしまうような企業は、
 どんな信頼も評判も獲得はできない。自社の従業員は、その一人一人が
 「地域密着型の重要な広報パーソン」なのである。逆に、エンプロイー
 コミュニケーションをおろそかにすると、企業の内部から、その事業戦略・
 ブランディングの足元をすくわれかねない。



  この機会に、一番身近な「消費者」「カスタマー」である従業員の声に
 耳を傾けてみることも効果的ではないだろうか?



【PRの切り口】



 
  今回の「Fresh&Easy」は、「地域密着型」で事業を展開する企業である。


  そんな彼らの企業活動において、継続的にカスタマーを獲得し、また
 地域社会との良質な関係を構築し、中長期的なブランド力向上・維持を
 成功させる方法として、同社ではエンプロイーコミュニケーションに
 重きを置いているのである。


  「Fresh&Easy」のような、地域密着・共生型の企業にとって、その従業員は
 単なる「従業員」ではない。彼らは、地域社会に属する大切な「カスタマー」
 でもあり、また、周囲の地域住民に影響を与える「インフルエンサー」
 「オピニオンリーダー」となりうる存在でもあるのだ。


  「Fresh&Easy」ではその重要性を認識したうえで、従業員への待遇・
 制度を定め、「従業員を大切にする」姿勢を貫いているのである。その結果、
 従業員の同社への満足度は非常に高くなっている。そしてそれは、かれら
 従業員によって、良い評判や口コミ・信頼に足る情報が、家族へ・友人へ…
 そして地域全体に広がっていく可能性を示唆している。


  同社ではこの「従業員の持つパワー」を重視し、エンプロイー
 コミュニケーションを強化、自社店舗のブランディングにつなげて
 いるのである。
 



【今週の目ウロコ度】


 4ウロコ

フグフグフグフグ


 「三人虎をなす」科目
 
  嘘やうわさ等も多くの人が言えば、事実であるかのようになってしまう
  ということ。いかに、周囲の人を「味方」「理解者」としておくかが
  重要であるかということ。



【編集後記】



 

 【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


  従業員が「私も使ってるんです」「私も行ってきました」などと、
 本当に自信を持ってすすめてくれる商品やサービスだと、ついつい信頼
 してしまいますよね。
  そういえば、最近では社長自らが「私が証明です」などのフレーズと
 ともに自社の商品の広告塔になっていらっしゃったりしますよね(実際に
 使用しているのかどうかは謎ですが…)。


  やはり、商品やサービスそして企業自体が、その従業員に「愛されている」
 かどうかは重要なポイントだと思います。そうでなければ、良い商品も
 生まれないでしょうし、良いサービスは提供されないですよね。


  そして、企業側は、「自社」を最もよく知る従業員は、とても
 重要な「カスタマー」でもあり、また彼らを通じて周囲の人々にどんな
 評判や口コミが広がるかもしれないという大きな可能性と危険性を合わせ
 持った存在だということをきちんと認識したうえで、コミュニケーションを
 図っていくべきだと感じました。

  
 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/




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