2020年に創業し、「1家に1台のサウナ」をモットーに家庭向けサウナ製品の開発などを手掛けてきた。
東京都大田区の町工場と組み、スチーム機能付きの電気式サウナストーブ「IRORI」を発売した。主流の海外製品が抱える耐久性や輸送コストなどの課題を克服した日本製品でサウナ文化の更なる普及につなげる。
「IRORI」はストーブ中央の筒から水蒸気が噴出し、サウナの快適さを決めるとされる湿度を一定に保てることが特徴。従来型のストーブと同じく、熱線で加熱したサウナストーンに直接水をかけ水蒸気を出す「ロウリュ」も楽しめる。スチーム機能付きの電気ストーブは珍しいという。自社で工場を持たないファブレス企業のVanwavesの構想とデザインを東京都大田区の町工場7社などが技術面で協力し、具現化した。設計やシステム開発の安久工機(東京都大田区)が窓口となり、複数の工場がそれぞれの得意分野に応じて各工程を担当した。
耐久性に富んだ熱線も電熱線会社の協力で開発した。40キログラムに及ぶストーンを支える熱線は、加熱と冷却で伸び縮みを繰り返すため、疲弊して故障することも珍しくない。海外製と比べ径を大幅に太くすることで耐久性を向上させた。万一の故障時にも国産ならではのアフターフォロー体制を敷く。
国産ストーブの発売は国内のサウナ文化の普及にも追い風となる。市場の約9割を占める海外製品は独占契約を結んだ総合代理店が工務店などに卸すため、原価率が高い。国産品が増えれば販売業者は利ざやを確保しやすくなり、商売としての持続可能性が高まる。
『日経MJ(流通新聞)』2024/07/26付。
https://www.vanwaves.com/