No.2041☆(株)大貫工業所(茨城県日立市) | 日本が誇る【すごい会社】

日本が誇る【すごい会社】

規模は小さくても、有名でなくても、日本一あるいは世界一の会社が我が国にはたくさんあります。製品やサービスの供給を通じて、我々の生活を豊かにしてくれる会社が我が国にはたくさんあります。そんな会社を、新聞・雑誌記事から抜粋してご紹介しています。

 

金型の設計から製作、プレス部品の量産まで一貫して手がける。

ドイツの展示会に毎年出展、金属加工技術の高さをアピールして新たな取引先を探す。

10年近く前からミュンヘンの国際展示会に出展している。初めは手探りだったが、2017年にスイスの光学機器メーカーのオプトチューンから海外初の受注を獲得した。今でも新製品開発に向けた提案をするなど成果が出始めている。独特殊ガラスメーカーのショットからは自動車部品を受注。独照明大手オスラムには発光ダイオード(LED)の試作品をつくり、量産を目指す。現在の海外売上高は数百万円程度にとどまるが、今後5年で10倍近くに引き上げる計画。

プレス加工は素材となる金属に金型を当て、強い力を加えて金属を金型の形に成形する。通常は圧力を受けた金属が変形して金型の中を動くため、ひびなどが発生しやすい。同社は金属組織の変形を予測して成形するノウハウを持ち、複雑な形状でも高精度に加工できる。切削加工と比べてコストが安く納期も短い。

大貫工業所は売上高の6割前後を日立グループ向けで稼ぐが、産業構造の転換の余波を受ける。主力の自動車のエンジンへ送る空気量を測るセンサーは5年前のピークに比べて半分近くに減った。ガソリン車向け部品はEVへの移行で需要が減り、異業種のEV参入などで競争環境が激化している。自動車部品の製造を維持しながら、島津製作所やSMC向けに産業機械関連の部品を生産するなど収益源の多様化を図る。

『日本経済新聞』2020/06/01付。
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