No.1403☆(株)我妻組(山形県米沢市) | 日本が誇る【すごい会社】

日本が誇る【すごい会社】

規模は小さくても、有名でなくても、日本一あるいは世界一の会社が我が国にはたくさんあります。製品やサービスの供給を通じて、我々の生活を豊かにしてくれる会社が我が国にはたくさんあります。そんな会社を、新聞・雑誌記事から抜粋してご紹介しています。

曳家工事、沈下修正工事の専門企業。土地区画整理や道路拡張計画で建物を移動しなければならなかったり、敷地の有効利用のため移動する場合、低い基礎を高くしたい場合に曳家を行う。

最近では2015年、国の重要文化財、弘前城(青森県弘前市)の天守を石垣修復のためにのまま土台から持ち上げ、70メートル以上離れた仮設土台まで約2カ月かけて移動させた。ジャッキ数十台を使い、レーザー光で正確に計測しながらミリ単位で動かす職人技は、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられた。

同社は1400年以上続く寺社建築の金剛組(大阪市)のような、昔からの伝統的な集団というわけではない。同社は現社長の義父が1961年に独立して創業。義父は実家の家業である建設会社に勤めていたが四男。退職金代わりに道具をもらい「変わったことをやりたい」と、曳家を専門に手がけることにした。豪雪地帯の米沢で冬、住宅を雪の上で滑らせる曳家に興味を持ったのがきっかけだった。義父は丁寧で徹底した仕事ぶりで評価を高めていった。

最近数年では震災で傾いた家屋の修復需要が増えたが、長期的には人口減少などで住宅の曳家需要は減少傾向にあり、文化財の維持・保存が曳家の技術・技能の継承の鍵を握ると考えている。

『日本経済新聞』2017/11/21付。
http://www.wagatsumagumi.jp/

 

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