金属屋根部材の製造や寺社建築の施工を手掛ける。コストを抑えて建てられる寺社建築を開発した。
商品名「本堂新築~縁(えにし)~」。基本設計を画一化して建築用木材をあらかじめ委託工場で加工する「プレ加工」を採用。工期も短くすることで土地代を除く建設費は通常の半額で済む。原則間取りを「幅6間半(約12m)、奥行き5間(約9m)とし、裏側に位牌などを置くスペースを備える設計に統一。装飾も簡素にし、屋根を華やかに見せる「唐破風」や欄干などを設けたい場合は、オプションで対応する。
「縁」の主な施工先としては、同社の地盤の一つである東北地方のほか、新潟県や長野県といった信越地方、その他中山間地を想定する。これらの中小の寺院では、従来経営を支えてきた檀家が高齢化や過疎化によって減少。風雪により本堂が痛んで立て替えが必要になっても、費用を捻出できずに放置するケースが少なくないという。
建設費が半額という安さに加え、屋根には瓦でなく地震のほか積雪にも強い銅板を採用するなど維持管理がしやすい点も売り物に受注を目指す。早ければ今夏にも第1号を着工する。
『日経産業新聞』2016/05/12付。